「トーエ」の愛称で親しまれるタウファ統悦選手と「ミスター近鉄」佐藤幹夫選手。この2人を抜きにして近鉄ライナーズを語れません。
2人のバックロー(FL、No.8)の退団が発表されてから約1ヶ月。まだまだ気持ちの整理がつかないファンが多いであろう3月13日(火)、大阪市・北浜のラグビー居酒屋「ラグビー部マーラー」にて、「トーエ・ミキオ 近鉄おつかれさん会」が開かれました。

左からタウファ統悦選手、佐藤幹夫選手、司会はもちろん我らが村上晃一さん！

ライナーズファンたちが「2人に直接お礼が言いたい」と退団発表直後から企画。
平日夜にもかかわらず、会場には30名を超えるファンが集いました。
開催を知った週ひがは「取材を兼ねて」と言い訳し、溜まった仕事をほっぽりだして参加しました。

「南野ビル」の地下にある「マーラー」。

階段を降りると、広がっていたのはまるで部室。ちょっと遅刻したこともあり、もう会場はすでに出来上がっています。熱気が…熱気がもうすごい！

大入りの会場。大画面にはライナーズの過去のVTRが流れています。

ライナーズでの思い出話にはじまり、2人が各テーブルを回ってのフリートーク、抽選会などぎっしり詰まった2時間。
ファンからの質問コーナーは「思い出に残っている試合は？」「ライナーズが強くなるために必要なことは？」など、エスプレッソのように濃～～い質問が飛び出します。

長年同ポジションで過ごした2人は、息もぴったり。

・近鉄時代、一番のピンチは？
佐藤：トーエが来てから、自分が出場できなくなった時です。なかなか出られなくて、ピンチやと感じました。
統悦：ぼくは日本代表の時、足に怪我をしてしまって。それから(侍)バツベイが来てメンバーに入れなくて、部屋で泣きました。

・佐藤選手はいつ試合のスイッチが入るの？
佐藤：自分の中でスイッチはないです。ただ、闘志が沸きすぎると抑えないと。カーッとするのがこっちにいるので(統悦をチラッと見る)、冷静にならないといけないですし(笑)
統悦：ミキオさん、ロッカー隣なんですが全然しゃべってくれないんです(笑)いつスイッチが入ってるかわからないけど、ピンチのときには絶対ファイトしてくれるし、試合中にいてくれると安心する存在。

2002-2017年度の16シーズン在籍。2004年にはキャプテンも務めた佐藤選手。

・バックローで注目すべき選手は？
佐藤：みんな良さがある。例えば田淵は賢くて落ち着いていますね。あの歳であれだけ落ち着いているのはすごい！
統悦：バックローにはぼくを超えてほしいので「認めません！」って納会の時に、全員の前で言いました。みんながそうなってほしいと思います。

・ライナーズが強くなるために必要なことは？
ファン：みんな仲良し過ぎる！
佐藤：確かに(笑)もっと、言い合わないといけません。自分で考える癖をつけないと。
統悦：もっと前に出ること。自分が前に出て失敗すれば、強くなる。失敗を恐れないでほしいですね。

コンスタントに笑いを取る統悦選手。2005-2017年度の13シーズン在籍。

・2人の今後は？
佐藤：ここまでラグビーに育てられたので、指導する立場で関わり続けたいです。
統悦：ライナーズのスタッフの声がかかり、迷っています。あと、ラグビーワールドカップ日本大会でトンガのリエゾン(仲介・お世話役)をすることも決まりました。コーチングの勉強もしているので、将来は母校の日本大学の監督になって、恩返ししたいです。

ファンとのフリートークでは、個人的に聞きたい話や自身の思いについて濃密な時間に。

トーク後は抽選会を開催。「ライナーズの2人」から、最後のプレゼントです。サイン入りクリアファイルやラグビーボールなどが次々と参加者に当っていきます。
トリを飾るのはバックローの番号が入ったサイン入りジャージ。レプリカじゃありません。

「トップリーグ」のマーク入り。

さっきからかすりもしなかったので、どうせ当たるまい…とボーッとしていた週ひが。
統悦選手が引いたのは、なんとミホロボット！
「なんでやねん！」「話ができすぎてる！」と愛のムチを受けながら前へ。統悦選手から「いつも支えてくれた週刊ひがしおおさか」と紹介され、号泣するミホロボ。あとのことはあまり覚えていません。

と、ここで統悦選手から提案が…。

「7」のジャージを手にし、なんと「最後のお姫様抱っこ」を自らしてくれる統悦選手。
週ひがとして、話ができすぎている…いや、最高のエンディングでした。

持っている女、ミホロボット。ライナーズの申し子。

そして終了時刻が近づき、2人からのあいさつ。
「グラウンドでファンのみなさんにあいさつができず、心残りでした。直接言える場を作ってもらってありがとうございました。これからも変わらず、ライナーズの応援をお願いします」と佐藤選手。常に低姿勢でファンを気遣い、チームを離れる今もライナーズを見守るその姿勢。「ミスター近鉄」ここにあり。
統悦選手は続けます。「蕾だったぼくを、花開かせてくれたライナーズ。今までやってこられたのも、みんなのおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。」

チームもファンも、家族のように包み込む暖かさ。2人の思いをしっかり受け止めたファンは、変わらずライナーズを応援することを誓い、二人の門出を祝しました。

ぜいたくな写真を撮ってもらった。

佐藤選手は16シーズン、統悦選手は13シーズンライナーズを支え続けました。チームの精神的支柱だった2人の退団は、本当に残念でなりません。ですが、今だからファンに伝えるべきことがあるはず。最後の最後まで体をはって、感謝を示してくれるイベントとなりました。佐藤選手、統悦選手、本当にお疲れ様でした！
あと、ジャージは読者プレゼントに……しません。ごめんなさい！

■トーエ・ミキオ 近鉄おつかれさん会
日時：2018年3月13日(火)19：00開演
開催場所：ラグビー部マーラー
住所：大阪市中央区東高麗橋5-6南野ビルB1
※イベントは終了しました