東大阪の顔!第2回 東大阪大学 太田和志さん

阪神高速東大阪線を水走から西へ環状線に向かって走っていると、長田を過ぎたあたりの左手に「東大阪大学」と書かれた建物が見えてきます。住所では西堤本通り。中央大通りの南、第二寝屋川の西に東大阪大学はあります。今回の「東大阪の顔!」は東大阪大学の情報教育センター・太田准教授にお話を伺ってきました。

- 初めまして、と申しましょうか、Twitterではやりとりをさせていただいていますのであまり初対面だと感じてはいないんですが。

太田 いえいえ、初めましてですね。週刊ひがしおおさかさんは以前から気になっていましたよ。

- 私もずっと「面白そうなことをつぶやかれているなあ」と思いながら拝見しておりました。オープンソースの話やソフトウェアの実験をされた感想などマ ニアにはたまらない内容で、居ても立ってもいられずアポイントを取らせていただきました。東大阪大学が技術系の学部を持たれている、というわけではないん ですね。

太田 そうですね。東大阪大学自体は「こども学部」を持つ、教育に関連した大学です。私はその中の「情報教育センター」の責任者をしています。

- 情報教育センターと申しますと高校の情報Aや情報Bなどの教科の延長を思い浮かべますが、それで良いでしょうか?

太田 結構です。私が本学で担当しているのは「情報処理論」「情報技術論」「教育方法論」ですので、座学+演習の情報教育になりますね。幼稚園・小学校の先生や栄養士を養成する学部学科での講義になりますから「情報とどう接するのか」を主たるテーマにした講義です。

- 先生は今、「本学」とおっしゃいましたが他校にも講義をお持ちなんですか?

太田 はい。週に一回火曜日は園田学園女子大学でWEBデザインやネットワークについての講義を担当しています。こちらはクリエイティブなことをやる学部ですから、技術的に高度なこともやっています。

- ネットワークですか。どんなことをされるんですか。

太田 Apachの設定の仕方を教えて、wikiやSNSを作ってもらったりしています。

- それは高度な実習ですね。学生さんはついて来られるんですか。

太田 ついてきますよ。もちろんコンピュータ自体に接するのが嫌いな学生は手間取っていますが、調べ方を教えて、個別に質問に対処していけば十分についてきてくれますね。

- それは素晴らしい!私も5年ほど前にやっとできるようになった技術ですから、ちょっと危機感を感じます。

太田 いえいえ、SNSが世の中に登場したのが5年ほど前ですから、特に危機感は感じなくてもいいんじゃないですか(笑)

- 確かに(笑) 東大阪大学では、クリエイティブな技術論よりも情報教育に関する研究をされているんですか。

太田 それもありますが、同時に学内のシステムを開発したり、大学、短大、高校(敬愛高校)のサーバーの管理を行ったりしています。

- それは大変ご多忙な役目ですね。

太田 大学関連施設をすべてということになりますから、やることは多いですね。

- 学内のシステムというとどのようなものを作られるんですか。

太田 5年ほど前には、学内専用のSNSを作りました。ちょうどmixiが出てきた頃ですね。

- それはmixiと同じように排他的なSNSでしょうか。

太田 そうですね。オープンソースのSNSを使ってデザインをスタッフにしてもらい、mixiと同じようなものを作りました。当初の意図は学生に最先端の情報技術に触れてもらうことでした。しかし徐々に用途が広まっていきまして、今では教育実習中の学生の情報交換や担当教授からのアドバイスを受ける場にも発展しています。

- 「こんな辛いことがあった」「こんな時どうしたらいいだろう」などの日記にコメントが寄せられるというイメージでしょうか?

太田 そうです。大学は高校までのように教諭が常に学校にいるわけではありませんから、離れたところからでも状況を確認できるSNSは非常に親和性が高いですね。

- 大学の先生も参加しているのが、学内SNSの特徴ですね。mixiは学生同士でしかつながっていません。大学の人間関係がSNSが持つ「仲の良い人とより仲良くなる」といった側面にフィットしているわけですね。私は今の学生はmixiの利用率がかなり高いと感じていますが、そのあたりどうでしょうか。

太田 mixiをやっている学生は多いですね。mixiをやっている中からTwitterに登録する学生が少しいて、Facebookに登録しているのはほとんどいないんじゃないでしょうか。

- Facebookはまだまだ日本国内全体での普及率が小さいので分かりますが、Twitterもそう多くはないということですか?

太田 そうです。以前「Twitter、Facebookっておじさんばかりがやっているよね」という話になりまして、実際に調査をしたことがあります。そこで出た結果が「多くの学生はネット上で新しい人間関係を築きたいとは思っていない」というものでした。

- 既存の人間関係で十分だと。

太田 そうなんです。今ある人間関係を無理につなげる必要は感じていません。われわれは大人になってからインターネットに触れていますから、世界が広がる楽しみをインターネットに感じていますが、今の学生は物心ついた時からメールやネットがあって、それが当たり前ですから。わざわざ広げる手段としては使わ ないのでしょうね。

- それは少し寂しい気がしますね。私と先生もTwitterがなければお会いしていないわけですし。Twitterは社会的、物理的な隔たりを乗り越えさせるツールで、Twitterがもたらしてくれた人間関係はそれまでのものとは全く質が違っていると思うので、私としては世界が広がる楽しみを知ってもらいたいです。

太田 私もTwitterから始まった共同研究もあります。フラットな人間関係が基本であるTwitterがSNSの中で一番気に入っているので寂しいですね。

- それは現在の学生の特徴なんでしょうか。それともどの時代でも学生は人間関係を広げることに消極的なんでしょうか。

太田 それは分かりませんが、今の学生の中にはネットを便利な道具として使う半面、とても恐れている者がいるのも確かです。怖いものだ、だまされるものだというイメージを抱いている学生もいます。学部や学科によって大きく違うとは思いますが。

- 確かにその側面はありますが、それが先に出てしまうのはなぜでしょうか?
太田 さまざまな要因がありますが、ここ10年学校や家庭で「ネットは危険なものだ。わけの分からないものだ」といった教育をしてしまったことが大きいのではないでしょうか。モラル教育は当然必要ですが。

- 確かにそれはありそうです。さて、次世代の主役である学生さんたちと接しておられる先生の目から見て、ズバリ、次世代に主流となるSNSは何だと思われますか?

太田 実はSNSはもう古いと思っていまして、他の概念は何なのか模索中なんですよ(笑)

- なるほど。確かに次世代はSNSとは違った何かが情報をコントロールしている可能性は高いですね。SNS以外には学内向けで何かお作りになられているんですか。

太田 サイボウズのようなグループウェアは作っています。これもオープンソースをベースにして、カスタマイズ後デザインを変更しています。あとはeラーニ ングシステムですね。教材を共有させたり…今は学生や生徒向けのICTよりも教務や校務にICTを入れなければと考えていますのでそちらに力を入れています。

- 教務、校務と申しますと。

太田 教える側の業務をICT化していこうということです。本学だけの事象ではなく、どこでも教育系の学生はICTに対する理解度がそれほど高くないと言 われています。それは学生を教える側のICTに対する理解度が低いからです。よってICT機器をあまり使いこなせない先生が毎年ドンドン排出される。そんな状況では「教育のICT利用」なんて進むわけがありません。

- なるほど。どんなに教育環境にICTが入り込んでも、教材を作るのは先生だということですね。教育から少し離れた部分では、今何に注目されていますか。

太田 ありきたりですがHTML5です。しかし、FLASHと同じ事をさせようとすると非常に面倒くさいことが判明したので、ちょっとへこんでいたところです(笑)

- HTML5は面倒なんですね?どうしようかな、勉強するのやめとこうかな(笑)

太田 一度はやったほうがいいですよ(笑)

- さて、今回は情報教育から次世代のツールについてまでいろいろお話を伺いましたが、最後に東大阪についてはどういうイメージをお持ちですか?

太田 残念ながら東大阪にITのイメージはありません。実際にうちが発注する際も、東大阪市の会社に発注することはない。それが偽らざる現状ですね。逆にお聞きしたいのですが、週刊ひがしおおさかさんがやっておられる「東大阪ITシティ計画」はどんな感じなんですか?

- それにつきましてはちょっと記事にしにくいところもありますのでオフレコで(笑)

初めてお会いするにもかかわらず、太田先生とはこのあと2時間にわたって熱い話を繰り広げました。最初は意見交換のような形で進んだのですが、早い段階で太田先生の講義をお聞きする形式に移行し、刺激受けっぱなしの2時間でした。研究室は先生を含めて5人のスタッフで運営されているようで、当たり前のよう に置かれていたドラムやベースが自由な雰囲気を象徴していました。学外の情報ツールも作られるとのことなので、システムの導入をお考えの方は、一度東大阪大学情報教育センターの太田先生に相談されてはいかがでしょうか。先生は「東大阪にITのイメージはない」とおっしゃいましたが、「太田先生こそが東大阪に似つかわしくないITの技術者兼研究者ではないか」と感じました。

(取材・記事 前田寛文 @MaechanYK)

 

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