酔牛亭、54年の歴史に幕最終営業日は12月30日

来る店があれば、去る店がある。
週刊ひがしおおさか、東大阪に生まれるたくさんの新店舗を紹介してきました。
数では絶対負けない自信もあり、注いだ愛の量も胸を張れると自負しています。

しかし、今まで1度も閉店情報は記事にしてきませんでした。「人と同じで、店にもいろいろあるんだよ。」と、敢えて触れないのが美学だと思ってきました。
そんな私、編集長前田が生まれて初めて閉店記事を書きます。小阪で愛され、地域の顔として50年以上「洋食店」として文化を作り上げてくれた酔牛亭が、2018年~~12月28日~~（12月30日延長営業決定）をもって閉店することになったのです。

なのはなバルでの長蛇の列は、春の風物詩でした。

酔牛亭と言えば、雛鳥の手羽唐揚げです。絶妙な下味、揚げ具合。長きにわたり「家族がそろえば酔牛亭。」なんてお家もよく聞きます。

前田は、特にとんかつが好きでした。
柔らかく揚げた豚肉とブラウンソースの相性がバッチリ。「上品なとんかつ」は東大阪の誇りです。
弊社記者ミホロボットは「クラムチャウダー」の虜です。それまでのクラムチャウダー感を変えてしまうほど、手をかけ作り込んだ味はモノづくりのまちに相応しい。

ランチ営業時、このセットで1000円だったよ。

こんなお店が自分たちの側にある。そう思い取材をし、食べに行き、なのはなバルなどのイベントをともに作り上げてきました。店主の山本さんとはともに戦ってきた仲間でもあります。
では、そんな老舗中の老舗がどうしてお店を閉めるに至ったのでしょう。

酔牛亭は戦前の和歌山県で誕生します。小阪に来てからは54年。
「戦前、昭和初期の和歌山市の洋食店に始まり、小阪で店を開いたのが昭和39年。僕はどうやら3代目です。小阪に来た当初は串かつや焼き鳥もやってたようです」
と、山本さんはお店を紹介する際に必ず言います。
その小阪に移転した際のマスター、山本さんのご両親がご高齢のため、家族の時間をつくりたい。そう山本さんは話します。
家族経営で乗り切ってきましたが、その家族をサポートすることが迫られてきたのです。