ライナーズ春の集大成!「トップ4とは3本の差」黒星でも手応えを感じる最終戦

   

「継続」「ボールキープ」をテーマに、春のシーズンを戦ってきた近鉄ライナーズ。
春の集大成となる最終戦、ヤマハ発動機ジュビロとの対戦が6月30日(土)、グリーン・フィールド中池(岐阜県関市)にて行われました。

井波は地元での試合にスタメン出場。ヤマハの応援がほとんどのなか井波応援団が駆けつけました。

結果は19-40で敗戦。「今の地力はトップ4のチームと3本分の差がある、と選手たちに話しました」と有水HC(ヘッドコーチ)。しかし、「アタックは、春からやってきた自分たちの形が出る場面が増えました」と、収穫があったことも確かです。

PR山本やHO日野、LO大戸など、日本代表歴のある選手をそろえてきたヤマハに対し、今のライナーズのテーマをどこまでできるかが今日のポイントでした。
ライナーズは春のベストメンバーで挑み、新加入ながらSOとしてキックで魅せたステイリンや、JR西日本戦で6トライを量産したトライアウト選手パクなどがスタメンに。

なお、メンバーは以下の通りでした。
1 豊田 大樹
2 樫本 敦
3 尾池 亨允
4 MICHAEL  STOLBERG
5 松岡 勇
6 辻 直幸
7 田淵 慎理
8 IOPU IOPU-ASO
9 福居 武
10 PATRICK STEHLIN
11 PARK HAN GYUL(トライアウト選手)
12 タウモエピアウ シリベヌシィ
13 井波 健太郎
14 PATRICE OLIVIER
15 南藤 辰馬
16 高島 卓久馬
17 浅岡 勇輝
18 才田 修二
19 山口 浩平
20 尾上 俊光
21 トンプソン ルーク
22 村下 雅章
23 金 哲元
24 野口 大輔
25 森田 尚希
26 三原 亮太
27 島 直良
28 重光 泰昌

曇天の中、時折晴れ間が差したこの日。試合終了後は大雨となりました。

前半は総合力で勝るヤマハに10分、12分とトライを許してしまったライナーズ。「パスカットされたり、ちょっとしたコミュニケーションのミスで取られた単純なトライが多かった」と樫本キャプテンは振り返ります。

しかしボールを持つとアタックを継続できるライナーズ。前半22分、相手陣ゴール前でのマイボールスクラムを9福居が左に展開し、12シリベヌシィが引きつけると10ステイリンへ短いパス。さらに後ろから追っていたオリビエに渡ると、中央やや左にトライ!連続したリズムのある早いパス回しで相手を翻弄し、BKが連携した見事なトライを決めました。Gも決まり、7-14に。

ステイリンにパスを出すシリベヌシィ、後ろから追いかけるオリビエ。

このトライから勢いがついたライナーズは、さらに27分、ハーフウェイライン付近のラインアウトからつないで3尾池がゲイン。FWを中心にパスを回して連続攻撃を仕掛けると、最後は8イオプアソが左端にトライ。Gは失敗しますが、2点差に迫ります。

パスを受け取り、ゴールラインへと向かうイオプアソ。

この後も15南藤や11パクがゲインを切って相手陣に迫り、ゲームの主導権を握る場面も多く見られます。ただ、細かなミスを見逃さないヤマハ。前半32分にはインターセプトから独走トライを決められます。

さらにプレッシャーをかけてくるヤマハに対し、ライナーズはたまらず反則。38分オリビエがシンビンに。
ボールを持てばアタックは継続でき、チャンスを得点に結びつけることができたものの、トップ4の強豪との差が浮き出てしまった前半。21-12で終えます。

ハーフタイムは井波応援団のうちわを見て癒される。

後半でも開始直後のノーホイッスルでの被トライを機に、自陣でのプレーが増えるライナーズ。
外国人選手を中心に攻めてくるヤマハに15分、20分と連続トライを決められ、40-12と離されます。

確かに実力に差はあります。しかし、今のライナーズはここで気持ちが切れることはありません。「ボールキープしてアタックで継続する」という目的が明確だからです。
相手がどうであれ、自分たちのプレーをする。1つのテーマに向かっているため、焦りはありません。もちろんディフェンスでも慌てません。自陣ゴール前で粘り、トライの危機を免れるシーンもありました。

そして後半29分、ついに春の集大成となるプレーが飛び出します。相手陣ゴール前のマイボールスクラムからフェーズを重ね、連続攻撃。フェーズを重ねて右へ展開し、7田淵、14オリビエ、右端にいた南藤へ。相手ディフェンスは追いつけず、南藤が右端にトライを決めます。Gは24野口が決め、40-19に。

南藤、今シーズン初トライ!

春シーズンでキヤノン戦・サニックス戦・リコー戦の3戦に出場し、この大一番の出場を勝ち取った南藤。今日は見事なゲインや力強いランを見せ、「期待通りのパフォーマンスを見せてくれました」と有水HCは今日の試合を評価します。

キレ味鋭いステップを見せる南藤。前後半通して、安定したプレー。

その後スコアが動くことはなく、大差で試合終了。しかし敗北してもチームに重い空気は漂っていません。
「トップリーグのチームに対して良い試合ができたので、例年以上に手応えは感じています」と選手兼プレイングアドバイザーの28重光は試合後に話します。

試合終了後はゲリラ的な大雨。しかし心は晴れた様子のライナーズ。

確実に成長したことがチーム全員に共有され、次に目指すべきところも見えた最終戦。
チームはこれからオフに入り、その後夏合宿が待っています。秋の本番に向け、次なるライナーズを見せてくれるでしょう。
次のステージへいざ行かん!トップリーグ復帰を目指して、GO LINERS!

大雨の中、次へと向かうライナーズが何かを物語っている。とてもかっこよく撮れた。

【週ひがMVP】南藤辰馬選手(FB)
今回の秋ひがMVPは、ゲインとランで見せ場を何度も作った南藤辰馬選手。最後のトライも確実に決めました。

ー 週ひがMVPです。
おわ!僕ですか!?本当に??初めてですよね!

ー ゲインにランに、目立っていました。トライもありましたし。
いいプレーもあったんですけど、後半最初に取られたトライは、僕がキャッチミスしたからなんですよね。今はそれしか考えられなくて。

ー チームとしての課題は?
後半風上に立って、優位な状況にもかかわらず攻めきれませんでした。ロングゲインのあとにスピーディーに攻めていけば、と思います。でもディフェンスで我慢して守りきれたのは良かったと思います。

【週ひがピックアップメンバーの試合後】
樫本敦選手(HO/キャプテン)

 ー春シーズンを通しての手応えは?
昨年よりはるかに手応えを感じています。やるべきことが明確で、やりやすさがあります。

ー今日結果について、どう受け止めますか?
これが現状とは感じました。ただ、この点差ほどの差は感じません。

ーセットプレーについて、今日の評価は?
ヤマハは強いチームなので最初からは勝るというのは難しかったですが、自分たちの形は崩さずにプレッシャーを徐々にかけていこう、と言っていました。レフリングとの兼ね合い(で反則を取られること)もありましたが、修正はできたと思います。

井波健太郎選手(CTB)

 ー応援団、来ていましたね。
地元で、親戚一同が頑張ってくれました。あれだけ盛大にやってもらったので、恥ずかしいくらいです(笑)

ー今日の手応えは?
前後半の入りに2本簡単に取られたので、そこを修正すればもうすこし良い勝負になったなと。直せるプレーだと思うので。個人的には、ディフェンスで相手外国人を止めきれたことが自信になりました。アタックでは、南藤さんが抜けるプレーで良いパスができました。あとはあまりできていなかったので、オフェンスが課題です。

ーご自身で昨年から成長した実感はありますか?
春はほとんどの試合で出ることができ、調子も上がってきました。昨年はポジショニングで精一杯でしたが、今年は指示ができボールを動かせるようになってきました。全員が、手応えを感じていると思います。

重光泰昌選手(今日はFB/プレイングアドバイザー)

ーお久しぶりです。シーズンの総評をお願いします。
お、ぼくですか。トップリーグのチームにいい試合ができたので、例年以上に手応えは感じています。勝った負けたで一喜一憂せず、自分たちのスタイルを貫くことだけを心がけて求めていけたら、自信をもって勝負に臨めるはずです。

ーBKの今の状況は?
新しいメンバーはチームにフィットしてきています。抜けているメンバーが戻ってきたときにどこまでフィットできるかですね。誰が出ても自分たちのスタンダードを出せることが一番です。

パトリス・オリビエ選手(WTB)

 ー春にたくさんの試合に出られていましたが、ご自身の評価は?
試合に出れば出るほど、一体感を作られていると思います。チームと一緒にするプレーの改善はできてきました。

ー今日の収穫、そして課題は見つかりましたか?
今日はファーストフェーズでのプレーが良かったです。具体的にはゲインラインを超えることができました。良くなった部分を、引き続きどんどんレベルアップしていきたいです。

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mihorobot東大阪探検隊・記者

投稿者プロフィール

生粋の八戸ノ里っ子。人気の八戸ノ里東小・小阪中学校校区に住んでいる。
取材へ行けば、同級生のお父さんがやってるお店だった・・・ということが多々あり。
尊敬する人は藤子・F・不二雄先生。

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