先日、こんなチラシを発見しました。
「東大阪市の市民会館には、なにが必要だろう。」
というメッセージが書かれています。
東大阪市では老朽化した現在の市民会館(永和)と文化会館(稲葉)を統合し、旧市民病院跡地(八戸ノ里駅北徒歩1分)に新市民会館を建設する予定。
「いったいどんな施設ができるのだろう」と多くの東大阪人が期待しています。
そんな時に出てきたこのメッセージ。この真相を探るため、ワークショップが行われている大阪樟蔭女子大学におじゃましてきました。
教室に集まっているのは、学生連携実行委員会の皆さん。大阪樟蔭女子大学の辻壽一先生の呼びかけで、樟蔭女子大の学生はもちろん、近畿大学や大阪市立大学、関西大学など複数の大学から有志で「市民会館に必要なものを考えよう」と組織されました。
この日は約20人で議論しています。
テーマは「東大阪市の公共性を考える」。公共性というボヤッとしたテーマに、学生たちが正面から向き合います。
テーブルに置かれているのは、各々が撮影した市民会館予定地周辺の写真。実行委員である学生たちが感じる「公共」を撮影したものです。
公園のベンチや街路灯など、誰もが納得する公共もあれば、道路の段差といった首をかしげたくなる「公共」も撮影されています。
「新市民会館の歩いて15分の範囲に5つの大学(大阪樟蔭女子大学、樟蔭東女子短期大学、大阪商業大学、近畿大学、東大阪大学)があり、学生の拠点となりうる。学生が集う場所には学生の感じる公共が備わっている必要があります」
と話すのは、辻先生。
委員会は昨年秋からスタート。何をすべきかの議論から始まり、そして、実行委員会が出した答えが「東大阪の写真集」でした。
写真は「私の公共」と「みんなの公共」に選別され、タイトルとTwitterやinstagramのようなタグをつけます。その後自ら製本し完成。タイトルは「i東大阪+」。iが「私」という意味で、+はこれからの広がりを視野に入れて。
新市民会館の完成は平成31年度。ちょうど、2019年ラグビーワールドカップの年です。
現代型の公共を体現した市民会館が、東大阪人に親しまれるための第一歩となる成果物。これを礎にした取り組みが、これから期待されます。
※i東大阪+は「組継ぎ本」というカッターナイフだけでできる製本技法を使い、本になるように作られています。興味のある方は印刷して、製本してみてください。
i東大阪+ データ(PDF)
組継ぎ本の方法 (Youtube)
文・写真:前田寛文 @MaechanYK
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