2月8日(土)近鉄花園ラグビー場の第2試合はワイルドカードトーナメントの2回戦。レギュラーシーズン最終節までトップ4入りを争った5位のヤマハ発動機とトーナメント戦にはめっぽう強いNECの対戦でした。
ヤマハには15五郎丸、NECには10田村と両チームともJAPANのキッカーを要する試合。バックスタンドに向かって左から右へ強烈な風が吹く中、前半風上に立ったのはNECでした。
NECは9櫻井と10田村の風を活かしたパントで陣地を取り、ヤマハは12徐と13サウがボールを持ってゲインする展開になりました。
先制点はNEC。前半13分、ヤマハ陣内残り40m付近の密集から、9櫻井のさばいたボールをキャッチした10田村がなんとドロップゴール!
鮮やかに決まって、3-0とします。
NECがトーナメント戦に強い最も大きな要因は、ゴールラインを背にした時のディフェンス力。ヤマハの強烈なアタックを受けても絶対にトライを許しません。
逆にヤマハ陣内でのペナルティーは確実に10田村がPGを決め、1DGと2PGを決めたNCEが9-0とリードして前半を終了しました。
しかし日本選手権優勝の可能性が十分あるヤマハ。このまま終わることはできません。
風上に立ったヤマハは15五郎丸のキックでNEC陣奥深くに攻め込みます。
まず7分にPGを決めて9-3。7点差以内に迫ります。
12分にNECもPGを決めて12-3と9点差に戻しますが、24分にはまたもヤマハ15五郎丸がPGを決めて12-6と再び6点差。
緊迫したつばぜり合いが続きます。
虎視眈々と隙を伺うヤマハに鉄壁のディフェンスで逃げ切りを図るNEC。
後半32分、NEC陣内残り5mでヤマハボールラインアウト。ヤマハの大チャンスにセオリー通りラインアウトからモールを形成します。
モールが組まれる瞬間にプレッシャーをかけたNEC。なんとか押し返してモールを千切れさせられたかに見えた次の瞬間、ヤマハモールが一気に前進し、ゴールラインを超え、ヤマハのルーキー8堀江が左隅にトライ!
12-11と1点差に迫り、難しいコンバージョンを15五郎丸が当然のように決めて、12-13、ヤマハがついに逆転!!
攻めるしかないNECは残りの7分間必死のアタック。あわやと目を見張るシーンも何度かありましたが、ヤマハがしのぎきって試合終了。
ヤマハは日本選手権に進出し、16日11時40分から秩父宮ラグビー場で早稲田大学と対戦します。ヤマハの清宮監督は、元早稲田大学監督。注目のカードです。
着々と勝利への道を歩んでいた試合巧者NECを、ヤマハが読みきったように鮮やかに差しきった勝利。雪の残る花園で今季屈指の素晴らしい試合でした。
文:前田寛文 @MaechanYK
写真:@mihorobot
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