暑かった夏も、もう終わり。読書の秋に向けて、東大阪関連本を紹介します!
その名も「現場監督りょう」(文芸社)。9月初旬から全国書店にて発売されています。
著者は、東大阪・吉田在住の上田良数さん(64)。工事現場の監督を長年勤め、その体験を手記風の物語に。
何が面白いって、まず驚くのは、まえがきから「人として大切なことは、現場の中にある」と言い切っていること。「最初にネタバレしちゃっていいの?」と読み進めていくと、出てくる出てくる。現場監督時代のエピソードの数々。
施工中のハプニングをはじめ、30年近く勤めた会社が民事再生になった話など、現場でのやりとりがとにかく細かく記されています。なかには、下請けとの言い争いや上司の不満など、「え?こんなこと書いちゃっていいの?」と思うものも。まるで人の日記帳をこっそり見ているかのよう。でも、これがリアル。リアルだからこそ、「今・この時」が伝わってくるのです。
「昔から思ったことをメモに書き留めていました。こんなことがあったとか、誰が何を言ったとか、細かく覚えているのは現場でモノづくりをしてきたからだと思います」と上田さん。
何か形にしたいと考えていたところ、タイミングよく「出版原稿募集」の新聞広告が目に止まり、自費出版に至りました。
「現場は人生の縮図」。そんなキャッチコピーが説教臭く感じないのは、リアルな体験があるから。たくさんの経験をしてきた著者の言うことなら、信じてみようかな…という気になってくるのです。工事現場で働く人だけでなく、誰にでも共感できる「現場本」。
お買い求めは全国書店をはじめ、amazon、楽天ブックスなどのネットでも。秋の夜長にご一読あれ。
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