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- 激震のシーズンを振り返る ライナーズ、入替戦を制しディビジョン1残留決定
「ようやくスタートラインに立った気持ちです」。
野中キャプテンの言葉が深く刺さるシーズンとなった。
5月13日(土)、花園近鉄ライナーズはディビジョン1-2入替戦で浦安D-Rocksに快勝し、ディビジョン1残留を決めた。
リーグ戦16戦15敗1勝。
目を覆いたくなるような今シーズンの惨状を払拭し、入替戦ビジターでは36-14で勝ち点5を獲得。続くホーム花園では56-21と大きく突き放し築き上げたものを守った。
開幕から14連敗し、長く辛いシーズンだったことは言うまでもない。
少し、いやかなり長くなったが、このシーズンを振り返ってみたいと思う。
第1節 vsグリーンロケッツ東葛 34-36●
悔しくも充実した敗戦。初戦を4分に及ぶラストプレーの末、勝利できず。
劣勢を試合中に修正でき、昨シーズンから成長を見せた。希望を感じる。
第2節 vsコベルコ神戸スティーラーズ 36-58●
廣野、トゥーリスなどライナーズファーストキャップの選手が登場。
ディフェンスの脆さが露呈し大敗した。ただ5をトライあげたことで、「まあ悪くないんちゃう」感は出る。
第3節 vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ12-77●
第4節 vs横浜キヤノンイーグルス7-74●
第5節 vs東京サンゴリアス10-51●
歴史的大敗の花園3連戦。特にイーグルスとの一戦はディフェンスが崩壊し、失点に次ぐ失点で泥沼に。
ゲーム前のミニ合宿でかなり気合いを入れ直したにも関わらず、だ。
今シーズン続けてきた「ボールを動かすラグビー」を継続するのか、理想は一旦横において改善すべきところを探るのか、決断が迫られた。
第6節 vs東芝ブレイブルーパス東京 14-60●
得失点差-243。相手チームの状況にあわせてトライを献上する「ものさし」になってしまっている状態。
大敗を覚悟はしていたものの、寂しさと疲労感が噴き出る東京遠征となった。
第7節 vs静岡ブルーレヴズ 14-34●
試合前の1週間で、メルボルン・レベルズからニック・スタイルズGMが来日しコーチング。ディフェンスとラインアウトの基礎を改善した成果が見え始める。カパが練習試合に出場し、ワクァも復帰を匂わせる。夜明けは近いかと思われた。
第8節 vs埼玉パナソニックワイルドナイツ 6-41●
木村が昨シーズンの最終戦ぶり、カパが10か月ぶりに満を持しての復帰。マシレワは怪我で、ここから入替戦直前まで欠場することに。
得失点差-298の最下位だが、ボールをつなぐ意識があったりスクラムで押し勝ったりと徐々に形に現れ、少しずつ明るい未来が描かれ始める。
第9節 vsブラックラムズ東京 10-64●
第10節 vs三菱重工相模原ダイナボアーズ 29-38●
第11節 vsトヨタヴェルブリッツ 24-62●
第12節 vs東京サンゴリアス12-64●
とにかく負ける。負けるったら負ける。メンバーの負傷に次ぐ負傷。入替戦はほぼ確定。フィフィタやマシレワといった怪我人が戻る気配もまだない。
第13節 vs横浜キヤノンイーグルス 12-64●
クーパーがチームに戻ってきた。まだまだ負けが続くけれど、チームの精神的支えに。
そしてこの試合ではアーリーエントリーの選手5名がリザーブに全員名を連ね、ルーキーたちは超現場主義的経験を積むこととなる。
第14節 vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ 17-55●
わかってたけど負ける。入替戦は確定。ゲニア、カパが戻り、戦力となる。
あと、スクラムもしかしたら、相当強くなった?
第15節 vsコベルコ神戸スティーラーズ 34-33○
連敗に終止符を打ったのは関西ダービー。ライナーズほどではないけれど不調が続き5勝9敗だったスティーラーズとの地獄の一戦は、1点差の劇的勝利となった。ディフェンスの脆さから目をそらさず、ここ2週間で徹底して強化した成果だ。スクラムの死角もなし。泣きすぎて前が見えない1勝。この重みをチームは忘れない。
第16節 vsNECグリーンロケッツ 26-43●
関西ダービーから一転、今シーズンの課題を象徴するような試合。ついに出場したクーパーは、入替戦出場のため開始1分でベンチへと戻った。ライナーズは入替戦を選び、そこに照準を合わせた。
入替戦第1戦 vs浦安D-Rocks 14-36○
多くのラグビーファンから「勝つのはD-Rocks」と言われながら、ライナーズは入替戦第一ラウンドを仙台の地で鮮やかに勝利した。22点の差をつけて。スクラムで相手を圧倒し、D1の誇りを示すことができた。
そして迎えた第2戦、56-21と圧倒しての勝利。
「前回勝ったからといって緩まないようにしようと、メンバーから声が上がった」と野中キャプテンは語る。
試合前から空気は張り詰め、キックオフからは相手に1歩たりとも譲らない空気が漂っていた。
勝った気持ちでいると、やられる。このシーズンを通してライナーズは何度も経験したことだ。
スキルではない気持ちの部分。ライナーズは1年で学び、成長した。
ただ成長は一進一退しながらとなるだろう。すぐに生まれ変われる人などいない。
後半ラスト20分でコンバージョンを専門外の選手が蹴って、お調子者なところが出てしまうのも含めてライナーズなのだ。
おそらくこの先も「おいおい」と思うような事態があるだろう。
しかしそれも成長の糧とし、来シーズンを実りあるものに。
今日ばかりは羽目を外しても良い、明日からまた常に誇りを持てるチームとなれるよう頑張ろう。ライナーズの旅は続く。
とにかく、勝ったのは俺たちだ!
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