豚肉のうまみとスパイスの香りが引き立つキーマカレー

今回は、後世に語り継ぎたい東大阪のカレーライスを紹介します。

近鉄布施駅から北へ歩いて5分。商店街とイオン布施のちょうど真ん中にある、おしゃれカフェ風の外観。その名は「ヤドカリ食堂」です。

▼オススメカレーリサーチ
カレーを含め、メニューに決まった形を持たないのがヤドカリ食堂。昨日あったメニューが今日あるとは限りません。そんな中でも記者が語り継ぎたいのは、定番のキーマカレーです。今回は「豚と豆のキーマカレー(700円)」をいただきました。

食べる前に必ず「オシャレ」とつぶやいてしまう。これがヤドカリ食堂の真髄

豚肉のうまみとスパイスの香りがジャストフィット。それでいて辛すぎない。まるで息のあったハーフ団のように、鮮やかな連携プレーが舌を魅了します。もちろん豆もホクッとして、歯ざわり舌ざわりともにキングオブキーマカレー。このひと品になるために、みんながここに集まってくれたんだ、そう感じさせる滑らかさです。

定番キーマにちょっとアクセント。キーマタコライス(850円)

▼カレーへの想い
なぜいつもメニューが違うのか。どう考えても手間ですよね？あまりに気になったので、店主の岡見さんに聞いてみました。すると
「カレーが好きなのと、料理をするのが好きなのと。作りたいものが多すぎて、つい」とさらっと、でも言葉にグッと重みを込めて応えてくれました。

もとは大阪市内で、他の飲食店の営業時間外を借りてカレーや定食などのランチを提供されていたんだとか。それで「ヤドカリ食堂」なんですね。

▼カレー以外にも
さて、カレーライスの名店としてならす「ヤドカリ食堂」にも別の顔が。まず店主の岡見さんイチオシの「ハンバーガー＆フライドポテトwithチーズ&目玉焼き(850円)」。お隣のパン店「楓」から取り寄せているバンズは、フワッとした小麦の香りに、しっかりとした味。

素材、ボリューム、盛り付け。ハンバーガーの何たるかを知った人しか作れない。

ジューシーでキュッとしたパテ、パテをしっかりと包むチーズ、半熟具合が絶妙の目玉焼きを、本物のバンズが一つにまとめあげ、一口かぶりつけば口から舌、そして鼻へと「おいしい」が通り抜ける絶品ハンバーガー。もう、ファーストフードには戻れません。

見た目に圧倒されるのが冷・ラーメン(650円)。第一印象よりも辛くなく、ラーメン特集でも取り上げたくなる一杯。

さらに、夜は一品料理をアテにお酒を楽しめる空間に。
「どれもこれも私自身が食べたいと思うものを作ってます。それに安いですから。」
とここでもさらっと。
お昼も夜も、毎日来ても楽しめる。カレーという核を中心に、自分の殻にとどまらず絶えず変化し続ける、まさにヤドカリ。明日来たら、今日とは違う貝殻をまとっているかもね。