できないってすばらしい!車いすソフトボールを体験したら、すっかりハマっちゃいました
突然ですが週刊ひがしおおさか、東大阪市ウィルチェアースポーツ広場に行ってきました。大阪外環状線(国道170号線)沿い六万寺に、昨年10月オープンしたウィルチェアースポーツ専用競技施設です。
※ウィルチェアースポーツとは、車いすに乗って行うスポーツの総称です。
※東大阪市ウィルチェアースポーツ広場についてはこちらの記事で。
日ごろは車いすソフトボールなどの試合や練習が行われている、この施設。今回は施設を管理する「日本車いすスポーツ振興協会」が「株式会社パソナグループ」と共同でウィルチェアースポーツの体験型イベントを開催すると聞き、スポーツ大好き(普段は見るだけ)な私、週ひが編集長・前田がやってきました。
体験会のスタートは10時。朝に弱い前田も10時なら楽勝と会場にやってくると、参加者の多さに驚きます。
「車いすスポーツだし、超マイナーだし、そんなに集まんないだろう」
と無意識レベルで思っていましたが、なかなかの人の集まり具合。開始10分前には皆さん準備万端で、意識の高さも見られます。
イベントは主催者のあいさつではじまり、当然のようにトライくんが登場。
しかしここで、いつもと違う光景が!
「わー、かわいー!」
「何ていう子?」
え???
そ、そうか!今日集まっている皆さん、東大阪市民は少ないんだ!ウィルチェアースポーツの体験をしたくて来てくれた、トライくんを見たことがない人たち。
「東大阪市のマスコット・トライくん!なんと昨年のゆるキャラ®グランプリで3位だったんですよ〜!」
とMCのおねえさんたちに紹介されると
「すごーい!」
と拍手まで沸き起こります。
トライくんがゆるキャラ®として扱われるのって、新鮮!
すごいよ、トライくんを知らない人がこんなに東大阪に集まってくれたよ。快挙だよ!
よって、今日のトライくんは特に芸を披露することもなく退散。すぐに各スポーツのデモンストレーションが始まります。
体験できるのは10mダッシュや車いすバスケットボールなど4種目ですが、編集長・前田が特に注目したのは「車いすソフトボール」。子供の頃から野球少年で、小学生のころは縦縞・31番のパジャマを着て毎日寝ていた身として、体験せずにはいられません。
「早くソフトボールやってみたいなぁ」と準備中のスタッフさんに猛烈アピールです。
ほとんどの週末を野球に費やしてきた子供の頃。しかし車いすソフトボールは初体験です。
デモンストレーションを見ていると、なかなか難しそう。
さあ、人生初!車いすに乗ってバッターボックスへ。
「草野球では4番でキャッチャーやったんやで〜!首位打者も取ったんやで〜!」
とカマしてからバットを構えます。
守備位置についてくださるのは、車いすソフトボールチームの「関西アンバランス」と「東海ユナイテッドドラゴンズ」の皆さん。
少し目立つ黄色いボールが投げ込まれ、渾身のスイングで返しますがなかなか当たりません。
なんというかですね…、壁が作れない!
”壁”とは、野球でボールを打ったり投げたりするときに、利き腕とは逆の脚で作る軸。野球やソフトボールは、この”壁”を中心に体を運動させ、前にボールを飛ばすのです。
しかし足元は車いす。踏み込んで踏ん張る左足(私は右打者なので)の替わりに、タイヤがあるのみです。これでは壁は作れない。
選手のみなさんのバッティングを見ていると、バッターボックスでじっとしている人や少し車椅子を動かしスイングする人など様々。これは、練習に裏打ちされた技術ですよ。
打てない。バットにボールが当たっても、全然芯にミートしない!
恥を忍び「どうやったら打てるんですか」と聞きますが
「どうやってもいいですよ」とニコニコする選手のみなさん。
ああ、最初に偉そうなカマシをしたのが恥ずかしい…。
何度か空振りするうちに、なんとかボールが前に飛ぶようになってきた頃、
「そろそろ、打った後に1塁まで走って終りにしましょう」とラストスイングへ。
結果、打球はなんとか前へ飛びましたが一塁へ走るのがまた至難の業。腕の力だけで車いすを進めるのは、想像を絶する筋力が必要なようです。
体の使い方も独特です。ほとんどの人が日常的に接していない”車いす”という運動機構をベースに行うため、他のスポーツではNGとされる動作が逆に効果的だったりと、新鮮さはピカイチでしょう。
高校ラガーメンが大学進学と同時に「横一線からスタートしたい」と、アメリカンフットボールに転向することがよくありますが、車いすスポーツはどんなスポーツよりも横一線。だって車いすなんだもん。
これは上達するのが癖になりそうです。
昔は車いすスポーツと言えば、障害のある人のためのスポーツと言うイメージがありました。ところが今回の体験会の参加者は障害の有無は特に気にすること無く、選手にも障害を持たない人がたくさんいます。障害のあるなしにかかわらず、すべての人が同じカテゴリで競技ができるのです。
この魅力はまだまだ世の中に浸透していません。いち早く気が付き、場所を整備した東大阪市に多くの人が集まって、一緒にスポーツを楽しむことができるって最高だ!と思いました。
だってさ、大切なことなのでもう一回言うけどさ。トライくんをゆるキャラ®として見てくれる東大阪ビギナーが、東大阪にこんなに集まるんだぜ。しかもこんなに楽しそうに。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催で、注目はされているけれど環境は整備されていないパラスポーツの現状をも感じることができた今回の体験イベント。駐車場にも大阪・和泉・なにわ以外のナンバーもちらほらありました。みんな興味はあるけれど、やれるところがないんだよね。
東大阪市、すごいところに目をつけたやん。やるやん。
…ところで、スポーツ車いすっていくらするのかな?欲しくなってきちゃった(笑)
■東大阪市ウィルチェアースポーツ広場
住所:東大阪市若草町8-25(枚岡アクア駐車場西側)
施設開放日:土・日・祝日(平日は別途お問い合わせ)
営業時間:9:00~18:00(夏季営業のみ9:00~19:00)
利用料:無料
駐車場:あり。枚岡アクア駐車場(有料)
予約・お問い合わせは公式サイトから
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