東大阪の顔!スペシャル 漫画家 ふなつ一輝 (2)

   

今や日本が世界に誇るカルチャーの一つになった漫画。コンビニでも雑誌コーナーの大半を漫画が占め、通勤、通学時でも漫画雑誌を広げている光景は当たり前のようになっている。
今回の「東大阪の顔」は人気青年漫画雑誌週刊ヤングジャンプにて、「華麗なる食卓」を連載中で東大阪市出身(埼玉県所沢市在住)でもある、ふなつ一輝先生に子どもの頃のお話と漫画を描くに至った経緯を伺った。5回シリーズの2回目。


お忙しい中お時間をいただいたふなつ一輝先生

週刊ひがしおおさか前田(以下前田) 東大阪市で生まれ育ったふなつ先生ですが、小・中学生の頃はどんな子どもだったんですか。

ふなつ一輝(以下ふなつ) やっぱり絵を描くのが好きな子でした。それなりにうまかったんやと思います。描くと親にも褒められるし、僕もうれしくなってまた描いてって感じで。学校でも、高校ではそうでもなかったですが、小学校高学年の頃は絵を描く時間にみんな寄って来てくれましたよ。

前田 クラスのスターですよね。

ふなつ いやいや、子供の頃ってスポーツできる子と絵が上手な子はその瞬間だけチヤホヤされたでしょ。ホントその瞬間だけ(笑)でも参観日に張り出される絵が僕のだけ廊下やったりしました。

前田 やはりかなり子供の頃からお上手だったんですね。

ふなつ んー、そうなんでしょうか。

前田 他人よりも秀でている部分を実感できる体験って、子どもにとって大きな刺激になります。そんな絵を描くのが上手で好きだった少年は、いつ頃漫画に出合うんでしょうか。

ふなつ よく覚えてないんですが、ジャンプ(週刊少年ジャンプ)を読み始めたのが、小3か小4です。

前田 と言うことは、先生と私が同年なのでほぼ同時期ですね。

ふなつ ホントですか!僕の時は、ウォーズマンの体の中で闘ってましたよ~(笑)

前田 あ、じゃ少し私が先ですね。私は、ガッちゃんが2人になったところから読み始めました (笑)

ふなつ ホントですね(笑)。北斗の拳はアミバが出てきた辺りだったかな?

前田 あとは…よろしくメカドックとかでしょうか。

ふなつ あー!僕はメカドックの最終回の号やったと思います(笑)


ジャンプ黄金期の話題になり、熱を帯びてきたふなつ先生 撮影:前田

前田 とてもピンポイントな会話になってます(笑) あの頃はジャンプ黄金時代で、みんなジャンプを読んでいたような気がします。特に好きだった作品は?

ふなつ やっぱりキン肉マンですね。プロレス物、と言ってもそこまで詳しくないんで、けんかプロレスのような物なんですが、勝手にキャラを作ってストーリーを作って、A4のノートにコマを入れ自作の漫画を描いてましたよ。ホント滅茶苦茶な話なんですけどね、ノート1冊終わったら1巻終了…!って感じで。

前田 おー、ではその延長線上でうまくなって今につながってるんでしょうか。

ふなつ いえ、それはあくまで遊びというか、それをやってるうちはまだまだですよね。でもそれで将来漫画家になりたいなって思うようにはなりました。

前田 なるほど。

ふなつ 当時、これもジャンプなんですが、1ページの漫画講座のようなコーナーがあって、毎回ちょっとずつ漫画を描く知識を教えてくれるんですよね。今回はペン先を買いに行こう!ペン先にはGペンとカブラペンと…って感じで。

前田 はい、ありましたありました。

ふなつ 今日は1 000円握って文房具屋さんに行こう。ペン軸とペン先とインクと紙を買ってこよう!のような。これを中学1、2年の頃にやって、落書き程度かもしれないんですが、ペン入れをしたりしましたね。

前田 この頃から本格的に漫画家を目指し始めたと。

ふなつ そうですね。本格的というにはまだ程遠いんでしょうけど、ネームの存在を知ったりして…高校1年の頃ですかね、漫画をちゃんと描いてみようと思ったのは。

前田 なるほど。

ふなつ 当時ジャンプの漫画賞の応募要項は31ページだったんですよ。でも31ページにお話をまとめ切れなくて。他に読んでいた月刊誌が60ページまでやったんですね。なので、それに応募するために60ページの長編読みきりを描いてたんですが、何ヶ月もかけて描いてる最中に応募要項が40ページに変更されてしまって(笑)

前田 あちゃ(笑)

ふなつ それで心が折れて最初の作品は完成しなかったんです。

前田 ありそうですね(笑) でも、それ以来趣味と言えば漫画になったんですか。

ふなつ そうですね…。友だちともたくさん遊びましたけどね。バイクとか、〇〇とか(笑)

前田 〇〇は伏せて掲載しますね(笑) でも、その頃は一般的な高校生だったということですね。高校生の頃にはどれくらい漫画を描かれたんですか。

ふなつ 高校の間に2本描いてジャンプに投稿しました。賞にはかすりもしませんでしたが、将来漫画家になろうと決めてましたし、漫画家になれるもんやと信じてましたね。

前田 ちなみに出身高校はどちらでしょうか。

ふなつ 東大阪市立日新高校です。

前田 え、私の妻も日新高校です(笑)


東大阪市立日新高校 生駒山の麓にある東大阪市唯一の市立高校。
オールドファンには日新商業高校として有名 撮影:前田

ふなつ ホントですか?!縁がありますねえ(笑)

前田 ありますね(笑) 自分の高校時代を思い出しても、ジャンプに投稿している人なんて周りにいませんでした。友達の反応はどうだったんでしょうか。

ふなつ 高校ではほとんど何もなかったんですよ。ただ「お前はなりたいもんがあってええなぁ」って友だちに言われました。周りがそう思えるほど、自分自身がなれると信じていたってことかもしれませんね。

 

今回はふなつ先生が漫画を書き始めるまでの子供時代について聞きました。次回はふなつ先生がデビューされるまでのお話をお送りします。

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