4月から東大阪市内の公立小・中学校でスタートした、「小中一貫教育」。本格始動から約1ヶ月が経過しました。
今の義務教育が始まって約70年。今までの仕組みでは、対応ができないことや不都合が増えてきました。
例えば中学校への進学時に学校に行きにくくなったり、学校生活に不安を感じたり…。
って、皆さん、ちゃんと学校へ行っていましたか?
私ミホロボットは元気に毎日登校していましたが、編集長前田は「小5はほとんど行ってないかも。中学もよく休んでたよ」と言うツワモノ。そういえば、私の周りにも中学生になった途端見なくなった同級生がチラホラ。環境の変化に不安を感じたり、休みがちになったりするのは、特別なことではありません。
そこに出てきたのが小中一貫教育と言う考え方。中学校へ進学するタイミングでどうしても生まれるズレ(中1ギャップ)を少なくし、安定して学べる環境と学力を作っていこうという取り組みです。
全国的に広く普及し、ここ数年は東大阪市だけでなく、導入する自治体が増えています。
では、具体的に何をするのか?
東大阪市が実施するのは、
・小学5・6年生の定期試験実施…早いうちに計画的な学習ができる子供に。
・小6の中学校登校…最大20日間、6年生が中学校に登校。中学校の生活を体験し、不安感を取りのぞく。
・小6の一部教科担任制…担任の先生だけではなく、一部教科はほかの先生が教える。「専門の先生」という習慣に徐々になれさせる。
・未来市民教育の実施…東大阪の独自教科の実施。
など多岐に渡ります。
特に小学校高学年の制度が多く、小学校から中学校への移行をスムーズにと考えられています。
「ここまでたくさんの項目を実施する市は、全国的にも珍しい事例です」と、小中一貫教育推進室の担当者さん。
小中一貫教育には「この項目を満たせば一貫と言って良い」という細かい規定がなく、小学5・6年生の定期試験実施を行うのみの自治体があったとしても「一貫教育をしている」と言えます。
そのため、すごさが伝わりにくいのですが「東大阪市はたくさん制度を整えて、なかなか本気だぜ」と覚えておきましょう。
…と前置きが長くなりましたが、その中でも今回取り上げたいのは新教科「夢TRY科」の実施。
小3以上の総合の時間を「未来市民教育」とし、小中一貫教科「夢TRY科」という市の独自教科を採用しているのです。

左から、夢TRY科のリーフレットと教科書。「Team」「Relay」「Yell」の頭文字をとってTRY。
社会の仕組みや防災、郷土文化など社会や生活に興味を持ってもらうためのオリジナルテキストで、小3〜中3までが共通して使用します。
教科書の一般販売は行っていないため、小中のお子さんをもつ読者はお子さんに見せてもらいましょう。

うおおお!「東大阪市民ふれあい祭り」についても触れ、イベントから地域を考えるページもあるぞ!

「日常生活の中から」の単元には、描き下ろしイラストのトライくんが大量発生。気合いの入れ方が半端じゃない。
で、何がすごいのかって、ラグビーについて学ぶページがあること。
東大阪市花園ラグビー場の歴史、ラグビーワールドカップ日本大会(RWC)について知り、東大阪にとってラグビーとはどんな存在なのかを考えようという内容です。

ナイター写真をチョイスするなんて、最高にクール。トライくんが4コマで大活躍しているのも見逃せない。
当たり前ですが、教科書に載るってすごいこと。
この歴史的一大事を伝え、生徒に実感してもらおうと、教育現場ではRWCへの理解を深める学習が始まりつつあります。
東大阪市立縄手北中学校がそのひとつ。未来市民教育の一環として春〜夏にかけてラグビー学習を実施中。
パネルディスカッションやフィールドワークを通し、東大阪にとってのラグビーとは何かを考えていきます。
5月14日(火)には中学校にて、パネルディスカッションを開催。
行政、グルメ、メディア。3つの視点から大会に対する取り組みを知ろうと3人のゲストスピーカーが招かれました。
実はゲストに呼ばれていた週刊ひがしおおさか。メディアの視点で語ってきました。

左からRWC推進室・稲垣さん、ベーカリートレント・下村さん、週ひが・ミホロボット。司会は近畿大学などで講師を務める河原和之さん。
RWC推進室からは大会誘致や現在の取り組み、ベーカリートレントからはカレーパンでの街おこし、そして週ひがからはインターネットや広報物でのラグビーの広がり。それぞれの体験と思いを語りました。

ミホロボットは近鉄ライナーズの「お買い物は東大阪市内で」ポスターを見せて、ライナーズの宣伝…いや、RWCの盛り上がりを熱弁。
縄手北中学校はこれから調べ学習と地域でのフィールドワーク、壁新聞の作成などで、さらに理解を深めていく予定。
ラグビーが教科書の一部になって、学習にもつながるってなんだか胸が熱い。
東大阪の将来を担う子供たちよ、十分にTRYしてくれ。未来は君たちの手に!
コメント
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いつも東大阪の魅力を発信していただき東大阪に住んでいても知らないことがあって楽しく読ませていただいております。
以前、市政だよりには教科書とはまた一味ちがったテキストとありましたが、最近教科書に変わったということでしょうか?
コメントありがとうございます!
テキスト=教科書です。週ひがサイトでは、より伝わりやすくするために「教科書」という言葉を使いました。
市政だよりでは、東大阪の独自教科という意味で「教科書とは一味変わったテキスト」と書かれたのかと思います。
なるほど。
伝わりやすくするためだったんですね!
ありがとうございます。