東大阪って子育てしにくいの? シリーズ1【座談会】子どもを育てるって、しんどいよね。

臨月を迎え、もうすぐ母になるミホロボット。
産まれてくる子どものためにあれを用意して、これを考えて…急ピッチで準備中です。
初めての出産で、育児ってどんなものか想像がつきません。
う~ん、ずっと働きたいから保育所は探して、小学校は公立かな…とぼやっと思い描いていますが、巷ではこんなフレーズをよく聞きます。

「うちは生駒に引っ越しました、教育に良い街だし」
「東大阪は治安が悪いから子育てするにはちょっとね」

ほうほう。
それって「東大阪は子育てしにくい街」ってこと?
八戸ノ里で育った根っからの東大阪人としては、わかるような、わからないような。
子ども同士で万引きしに行ってる光景はよく見たし、いつの間にか少年院に入ってた同級生とか学年に1人くらいはいた。そういう一面が見えてしまうから、他市へ移り住んじゃうってのもわかる。
でも、じゃあ、東大阪って本当に子育てしにくいの?
この疑問に時間をかけて頭を突っ込んでみようと思います。
まずは同世代の意見が聞きたいから、座談会で意見交換だ!

3月初旬、東大阪市文化創造館「まちライブラリーカフェ」にて、「子育て世代」に当たる3人に集まってもらいました。

左端から編集長前田、ミホロボット、池田由佳さん、上野美希子さん、池田篤史さん。文化創造館主催の「戯曲創作ワークショップ」で知り合いました。

まちライブラリーカフェ名物、ピザを囲いながらざっくばらんに話を聞きました。

ミホロボット(以下ミホ) 今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介を。進行役のミホロボットです。3月下旬に小阪産病院で出産予定で、今産気づいてもおかしくないという状態です(笑)。

上野美希子さん(以下美希子) わー、直前ですね!上野です。長野県出身で、結婚を機に10年ほど八尾に住んでいます。年小と年長の子どもがいます。上の子が0歳のときに仕事に復帰しました。

2人の子を育てる上野さん。行政書士事務所の事務員として働いています。

池田由佳さん(以下由佳) 池田です。柏原市出身で、今も住んでいます。独身で、最近職を変えたんですが、前の職場は女性が多くて産休・育休を取る人もよくいました。

池田由佳さん。前田編集長いわく「名前に『佳』の漢字をつける両親は学がある」という持論。

池田篤史さん(以下篤史) 私も同じく池田ですが、由佳さんとはたまたま名字が一緒です。東大阪に住んでいます。

ミホ ややこしいので、文面上「由佳さん」「篤史さん」でいかせてもらいます!

篤史 お願いします(笑)。小3と小1の子どもがいて、2人とも軽度の自閉症スペクトラム(発達障害の一種)です。デイサービスを受けています。

奈良出身で、仕事の関係で東京や川崎にも住んでいた経験あり。奥さんが東大阪出身で、里帰り出産を機に住むように。

子育てって楽しい?しんどい?

ミホ ええと、まず美希子さんと篤史さんにお聞きしたいんですが子育て、楽しいですか?まだ全然想像がつかなくて。

美希子 しんどいですよ、子育てって。

ミホ おお、即答!

美希子 子ども、特に赤ちゃんの頃って言葉が通じないし、家にいると話し相手が家族しかいないし世話しても、誰にもほめてもらえませんから。

篤史 「ずっと育児していたい」っていう人に会ったこと、ありません。育児以外の世界を持っていないと大変ですよね。

美希子 そう、だから仕事で「ありがとう」といわれることがうれしいんです。えっ、こんなことでお礼を言ってもらえるなんて!って。子どもを連れて行っても受け入れてもらえる職場だったので、事務所でおっぱいあげながら育てていました。

由佳 良い文化がある会社ですね。私の前の職場も産休・育休がしやすい環境がありました。でも、場所や施設によって違いがありますよね。

ミホ 違い…受け入れの差ということですか?

由佳 例えば職場の先輩の話なんですが。小学生と幼児を預けたいけれど、子育て支援センターだと自分と小学生未満の子どもしか入館できないことがあったと言っていました。

美希子 上の子を預かってくれるところを、別で探さなきゃいけないって大変。

ミホ なるほど。篤史さんはそういった違いを感じることはありますか?

現在は柏原、八尾、東大阪に住む3人。いい感じに中河内の住民が集まった。

篤史 コロナウイルスの影響で学校が休校になったとき、子どもを預けているデイサービスがすぐ対応してくれて助かりました。今の環境が充実しているので、うちは施設やサービスから恩恵を受けている方でしょうね。

美希子 それでいうと、私は最近コープ(日本生活協同組合連合会)の委員会に入ったんですが、活動時に「コープママ」という組合員が子どもを預かってくれるサービスを利用しています。

ミホ ほー、はじめて聞きました。知らないと利用しないけれど、知っていれば便利ですね。

美希子 コープだけじゃなくて、市や施設、組織のサービスや制度って実はたくさんあるし、興味がある方なのでどんどん調べて利用しています。

ミホ 全国的に人口が減っていく中、組織が個人に合わせてくれるって大事ですね。

美希子さんが利用する「コープママ」のように、目的に合わせて子育て支援のサービスがあるって良いよね。

「ママ友クラスター」の発信力ってすごいよね。

ミホ 美希子さんは積極的に情報を自分で仕入れて活かす力をもっていますが、ほかの育児している人たちってどうなんでしょう?どこから情報を得ているんだろう。

篤史 ぼくの場合は、SNSでした。子どもが自閉症スペクトラムだと気づいたのは、SNSで知り合った人との情報交換がきっかけ。

ミホ 自分の足で稼いだ情報ですね。

篤史 はい。どんな情報を知るかは、横のつながりだと思います。

由佳 私の周りでは、前の職場で同じ時期に妊娠した人同士が情報を回し合っていましたね。「こんな制度あるらしい」とか。私も同じ立場なら、そういう風に周りと支え合うだろうなと思います。

ミホ たしかに、情報を得るには周りの力が必要になることもありますね。「ママ友」は横のつながりの象徴ということなのかも。私は、ママ友なんて絶対作ってやるもんか!と、つい反発しちゃうんですが

美希子 ママ友も良いものですよ()。私も子どもができるまではいらないと思っていましたが、気の合う友達はいくつになってもできますし。

ミホ うう!そうなんですよね、ママ友っていう言葉に抵抗があるだけなんだと思います()

「ママ友いらない」と言いつつ、本心では友だちがほしいミホロボット。

篤史 そういえばママ友コミュニティの中で、情報通の人っていますよね。クラスターっていうか。

ミホ クラスター!

篤史 その人からいろいろな情報がまわってくるからママ友同士は助かりますね。孤立している人には入ってこないという面もありますが。

由佳 「横のつながり」って、必ずしも社会にとって良いわけではないと思うこともあります。今コロナウイルスの影響でマスクがなくなっていますが、いわゆる「ママ友クラスター」がほかのママたちに「あの店にマスク売ってたよ!」って話していたんです。

ミホ ほう、ほう。

由佳 するとほかのママたちが「家にまだあるけど、いつなくなるかわからんし買っとこう」と言っているのを聞いてしまって。それって気づかないうちに、買い占めに加担していることになるのではと。

「職場の妊婦さんたちはうまく情報を回し合っていました」と由佳さん。

美希子 11箱で良いところを、23箱買っていくとみんなに回らなくなるっていうことですよね。

ミホ 情報はあればあるほど良いですが、なんでもかんでも受け入れてしまうのはまずい、と。情報のフィルタリングをうまく自分でコントロールできないと、クラスター1人の発信力が強まるんですね。

篤史 その情報を選択するのは自分次第ですね。

武蔵小杉は「住みたい街」だけど…。

ミホ 週ひがでも子育て関連の情報発信を増やしていこうと思っています。今も少しずつSNSで「こんなサービス・制度あったよ」というような投稿をするんですが、「行政はもっと情報を渡らせるべきだ」というコメントがたまに来るんです。子育ての話って政治や制度批判の場になってしまいがちなんですが、みなさんは行政サービスへの不満ってありますか?

美希子 すぐにパッと思いつかないけど中学校給食がないのは悩みです。お弁当を作るのって得意じゃないし、自分のですら作れないです()

篤史 ぼくの奥さんも「毎日お弁当はやってられない」と言っていますね。

ミホ 給食問題、根深いですね。ちょっと掘りすぎると「べきだ論」になっちゃうので、深くは追いませんが()

「行政サービスへの不満…不満…」としばらく考える2人。

由佳 治安の悪さなんかも言われがちですよね。歩行者用の信号がない車道を無理やり横切るとかでしょうか?子どもが見ているのに赤信号で渡る人がいるとかでも、それって治安というかマナーですかね。

ミホ マナーと治安は本来違うものですが、生活の上では曖昧ですね。マナーも含めて「体感としての治安」ということかもしれません。

美希子 体感としての治安、感じることがあるといえばあります。私の出身の長野県では、信号がない横断歩道でもみんな絶対一時停止しています。でもそれを大阪ですると邪魔に思う人もいるでしょうし、その土地によってマナーが違ったりしますよね。

由佳 そうそう、「自転車と傘は天下のまわりもの」とか悪いことはだいたい東大阪の友だちから教えてもらいました()。そういう体感の治安を気にして、奈良へ引っ越した知人もいます。

「学生の頃、休憩時間に『タバコ行かん?』って東大阪の子が誘ってきて驚きました」と中河内っぽい思い出を話す由佳さん。

ミホ おっ、東大阪あるあるのひとつ「奈良へ転出しがち」が出ましたね。

篤史 あ、ぼく奈良出身ですよ。

ミホ 奈良は子どもの教育に良いというイメージがありますが、実際どうなんでしょう?

篤史 教育熱心な空気はありますね。教育に対する意識が違うというか。

由佳 あー、わかります。「何が」というわけじゃないけど、住んでる人たちの意識の高さがある気はしますね。

ミホ 意識の高さか。

篤史 教育だけじゃなくて、ゴミの分別も東大阪より厳しいし、そういう全体的なルールが治安や教育につながっていってるのかな。これはぼくの奥さんの説なんですが、奈良は専業主婦多いんです。経済的に余裕がある人たちが集まっている=教育への意識も高いんじゃないか、という

ミホ なるほど。豊かであれば教育の質もあがる。篤史さんは以前川崎市の武蔵小杉にも住んでいたそうですが、イメージが良い街ですよね。

前田編集長と同年生まれの篤史さん。学生時代は「そんなキャラじゃないのに、学校同士の決闘があるからお前も来いと言われたことがある」とか。奈良も東大阪も、学生がやってることはそんなに変わらない。

篤史 ぼくの家族には合っていないと感じました。

ミホ そうなんですか!武蔵小杉って、「住みたい街ランキング」によく出ていて、イメージもかなり良いですが。
※不動産・住宅サイト「suumo」内住みたい街ランキング(関東)によると、武蔵小杉は2018年に総合6位、2019年に9位を獲得。

篤史 成長している良い街ですが、朝仕事に行く時駅のホームに並ぼうとすると、改札の外まで列がはみ出すっていうのが少しストレスでしたね。育児に関しては待機児童の問題もあります。

由佳 人口過密がゆえの悩み!待機児童問題も避けては通れないですよね。

ミホ えー、武蔵小杉は建設ラッシュでタワーマンションがたくさんできて若い世代がそこに住み、保育所の整備が追いついていないという現状ですね。武蔵小杉駅のある中原地区に限定すると、2019年の待機児童数は5人。待機児童を解消するために、川崎市は施設整備や支援制度を整えていっているようです。
※2019年4月時点での川崎市発表による。

篤史 「良い街」と取り上げられたことで人が増えたっていうのはありますね。

美希子 東大阪の待機児童の現状ってどうなんでしょう?

ミホ ええと、今調べてみると…おお、東大阪市は府内で一番待機児童数が多い!
※2019年4月時点での大阪府の発表による。

由佳 一見したら、やっぱり東大阪は子育てしにくい、って思っちゃいますね。でも篤史さんが言っていたように、「イメージの良い街でも自分に合っていない」っていうのは気になります。

ミホ 待機児童がいなければ、必ずしも子育てに良い街というわけでもない。

篤史 そうですね。いろいろな土地を経験しましたが、やっぱり行政の制度やイメージによって子育てしやすい・しにくいっていうのはなかったです。東大阪が「子育てしにくい街」だったとしても、自分たちには合っているなと思います。両親がこっちにいる安心感があるというのもありますし、とにかく交通の便が良い。

ミホ アクセスの良さは、東大阪市的にもプッシュしている利点ですね。

美希子 病院が充実しているのも良い!数が多いから、何かあってもすぐ近くの病院に駆け込めます。 産婦人科がいつも予約でいっぱいなのはちょっと困りますが(笑)。

ミホ 東大阪を批判も擁護もするつもりはありませんが、そういうメリット・デメリットはどの街にもありますもんね。

つまりは、LINEで情報ちょうだいよ!ってこと

由佳 考えてみれば、この街だから良い・ダメということはなくて。「子育てしにくい街がある」という発想が違和感が出てきますよね。行政サービスにしても、本来はこちらが考えて利用するものですし。

ミホ ふむふむ。自分の置かれた状況や交通網、そこに行政サービス、民間サービス、周りの人など、自分で得た情報を活かして総合的に自分で生活を組み立てていくのって、当たり前だけど見落としがちですね。すべては自分次第。時代は常に変化していくものだから、自分でその時必要なものを見極めて、組み立てていくことが大事。メモメモ…。

美希子 この街はこうなのに、なんでうちの街は違うの!って怒る人はエンドレスですよね。

由佳 さっきミホさんが言っていた、「もっと行政が情報を出して」って文句を言うのも、そういう発想ができないからなんでしょうね。

何か思いつきそうなミホロボット。

ミホ …あ、なんか繋がりました。情報が行き渡っていないと感じてしまうのも、ママ友クラスターが発信力をもつのも、「私が利用しているものの範囲で情報を出してよ」ってことか。突き詰めると、LINEでちょうど良いタイミングでお知らせがほしい、と。

篤史 情報発信が少ないというより、届いていない。でも行政がそういう「届く発信」に力を入れられるかというと、なかなか難しそう…。

ミホ わかった、週刊ひがしおおさかが狙えるのはそこだ!うちがLINEやイベントを使って、情報を欲している人にどんどん情報を出していく。で、「週ひががないと困っちゃう」と依存…いや、頼りにしてもらう。そしてうちは市に「こんなことやってるんで子育て系の情報発信業務ください」って仕事をたかりにいこう!

由佳 たかりに(笑)。普段使っているLINEやスーパーでのイベントなんかだと、届きやすいかもですね。

ミホ ですね。なるほど、少しやりたいことが見えてきました。

美希子 すみません、こんなざっくばらんな話で良かったんでしょうか。

ミホ もちろん!子育てについて考えるためのヒントが、たくさん見つかりました。特に「みんな育児はしんどいと思っている」という最初の話ですごく救われました。

篤史  ()。しんどいですが、自分の子どもってかわいいですよ。

由佳 ぜひ元気なお子さんを産んでください。

ミホ 今日はみなさん、ありがとうございました!

宴もたけなわ、ピザパーティーに移行。まちライブラリーカフェの名物はマルゲリータです。

東大阪で育てる、しんどくてかわいい子ども。
産まれたらみなさんにお聞きした話を思い出して、子育てって何なのか考えながら連載にしていきたいと思います。
きっと正解はないですが、「情報を欲しい人に行き渡らせる」だったり、週ひがだからできることがあるはず。
次回はどんな話をしようかなぁ。

mihorobot

mihorobot東大阪探検隊・記者

投稿者プロフィール

生粋の八戸ノ里っ子。人気の八戸ノ里東小・小阪中学校校区に住んでいる。
取材へ行けば、同級生のお父さんがやってるお店だった・・・ということが多々あり。
尊敬する人は藤子・F・不二雄先生。

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