東大阪のサイト的にはやっぱり近大に優勝してほしかった。でも、強くなったよ本当に。
ラグビー変態にして、ライナーズ原理な週刊ひがしおおさかは実は学生スポーツにあまり傾倒していない。それぞれ考え方はあるだろうけど、やっぱり年齢限定でない「スポーツクラブ」を応援したくなる。
でも、関西大学ラグビーリーグは好きだ。もちろんライナーズをはじめとしたトップカテゴリーにたくさん選手を供給しているからってのもある。
でもそれ以上に、身近な彼らが個を磨き組織として戦い、勝ったり負けたりする。教育とは離れた地域クラブとしての側面は彼らの中にはっきりあるからだ。
近畿大学ラグビー部は未だ関西大学リーグでの優勝がない。だいたい8チーム中5位とか6位とか。2008年に一度Bリーグに陥落して、でも1年で復帰。日本代表の山本幸輝は2013年卒業だ。
そんな近大が、今年の関西を面白くしている。
まず初戦。昨年度日本一の天理大学を23-7で撃破すると続く同志社大学も24-10で下し、本命2チームに連勝してしまった。
天理大にも同志社大にも、相手を1トライに抑えてるところがまたすごい。
強みはスクラムと能力高いバックス。セットプレーで優位に立って、数的な互角以上な状態で走るそして抜ける。
ここ10数年、大学自体がブランド価値を高めるのと同じ曲線で入学する選手の質も上がってきた。以前なら、強豪高校の2番手または2番手高校のレギュラーがくる。そんなイメージも今は昔、高校時代に花園で活躍した逸材が東大阪キャンパスにやってくる。焼きマンの唐揚げ丼に並ぶ。
そんな個性をしっかりチームとして一つの方向に向かわせている。トライを取るイメージを共有している。そりゃ強くなる。
今年の春季トーナメントでも、天理大に肉薄してた。みんな「ここから天理大が上積みする」って思ってたけど、より積んだのは近大だったというオチ、かっこいい。
そんな近大の前に立ちはだかったのは、関西大学リーグの優勝は4回、関西では同志社大学に次ぐ人気を誇る京都産業大学だ。
京産大の武器は、今も昔も強力なフォワード。そこから培われるスクラム。チームを1から作り上げた大西健元監督の厳しさは有名で、無名の選手を日本代表クラスに育て上げる手腕を持つ。大畑大介、田中史朗などレジェンドもOBに持つ。
今シーズンの分水嶺となったのは、10月17日。本命に連勝し硬さが見えた近大に対し、京産大は自分たちの強みに集中。加えて今年から監督に就任した、加えて今年から監督に就任した、元日本代表のキッカー広瀬佳司仕込みのキックが決まりまくる。勢いに乗る近大を完全に飲み込んだ。そんな試合だった。
今季から勝点制になった関西大学リーグにおいて、直接の勝敗よりも勝ち方、負け方が順位に影響する。
京産大以外に負けていない近大は1試合を残して勝点24。全勝の京産大は27。
星勘定をすると、近大は順当に行けば負けない。勝点もMAXの5(4トライ以上の勝利)を積み上げるだろう。
対する京産大は関西学院大学を残す。今季の成績から、関学大が京産大を下すのは難しいというのが下馬評だ。
何かなければ、京産大も勝点4(勝利)以上は間違いない。番狂わせが極めて起こりにくいラグビーにおいてはほぼ優勝を決めていると言っていい。
それを決定づけたのは、11月20日の京産大対天理大だった。
波に乗れないとはいえ、昨年度日本一の天理大。京産大はその王者に対しても、スクラムで優位に立ち次々にキックを決めていく。結果は19-10。3本のPGの差・9点で試合が決した。この勝利で、京産大は1998年以来23年ぶりの関西制覇を大きく手繰り寄せた。
何事もなければ、全勝優勝を達成するだろう。
初優勝には関学大の奮闘を頼みにしなくてはならなくなった近大は、翌日危なげなく摂南大に勝利。
勝点差を4として、一縷の望みをつなぐ。千載一遇のチャンスだった今季をまだあきらめることはできないだろう。
しかし、近大には今年はまだ先がある。先日、全国大学選手権の関西からの出場枠が4であることが発表された。最後に近大が大学選手権に出場したのは2012年。あの時はまだ予選リーグをやっていた。
今は1戦1戦勝ち上がっていくトーナメント形式。
近大の本質である「勝利に直線を引くラグビー」を見せてほしい。全国のラグビーファンに、近大の強さは偶然ではないと示してほしい。その1歩ずつが頂点に近づく道標となるから。
いきなりラックからモール組んだりさ、突然スクラムにこだわったりさ。近大のラグビーって本当に楽しいよ。おっちゃん、いつもワクワクしてるんだよホント。
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