近鉄田邉篤選手が100試合出場 通算2つ目のトライを執念で取る

   

「トップリーグでは、たぶん2つ目のトライです。」とハニカミながら応えてくれたのは、本日の週ひがMVP・田邉篤選手。この試合でトップリーグ100試合出場を達成しました。
100試合なのに、2つめ。フル出場してもボールに触ることすらまれなプロップというポジションを、体現するエピソードです。

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9-25、16点差の後半37分。右中間、ゴールライン前のラックからSH森が短くパスアウトしたボールに、田邉選手が走り込んでトライを奪いました。
時間と点差から、スタンドのファンがほぼ「トヨタの勝利」と感じていた中、試合を蘇らせる価値あるトライをもぎ取ったのです。

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「ライバルでもあり、日頃からスクラムのことを教えてくれる田邊さんの100試合を、勝利で祝いたかったのですが」
と試合後に話すのは、キャプテンの豊田選手。この一言が、田邊選手がどれだけチーム内で重要な役割を担っているのかを示しています。

帝京大学から、日本IBM、横河武蔵野を経て、近鉄はもう7年目の32歳。
年々ステップアップし、今季は武器になるまで成長したライナーズのスクラムを、ずっと支え続けているスペシャリストです。

田邉選手がトライを上げた2分後の後半39分。逆転を目論むライナーズは自陣からアタックし、15野口からのパスに23南藤が角度を変えて走り込み、大きくゲイン。ディフェンスを引きつけ、外からフォローに走る11島へ通すと独走トライとなります。若手BKの連携がピタリとハマり、19-25と6点差に迫ります。

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近畿大学から今季4年目の27歳。昨季から徐々にメンバーに定着し、これがトップリーグ初トライとなるスピードスター島直良選手は
「トライを取れたのはうれしいですが、他は反省ばかり。今度は大活躍して、週ひがMVPをもらいます。」
と宣言してくれました。
ルーキーの頃の「速いけど、線が細いな」とスタンドからささやかれた、そんな姿はもうありません。

ラグビーは1チーム15人で行い、しばしば
「どんな人間にでも、特性にあったポジションが用意されている。」
と言われます。
大きな人、足の速い人、力のある人、器用な人。それぞれが活躍できる場所があると。
しかし、トップリーグやスーパーラグビー、日本代表などどんどんレベルの高くなるラグビーにおいて、近年「大きくて足が速い人を15人揃える」が当たり前になりつつあります。

そんな中で、若手とベテランがそれぞれの個性を発揮し、できることと得意なことを踏まえ、全員が役割を果たして上げた2つのトライ。ラグビーが持つ独特の魅力を、感じさせられた試合でした。

100CAPのその先へ。1トライから、近未来のトライ王へ。

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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