ついに明日、3月4日(土)に開幕するJ3リーグ。昨季J3の下部リーグにあたるJFL(日本フットボールリーグ)で2位となり、今季からJ3へ参入するFC大阪。
そのJ3参入の立役者、塚原真也前監督(現強化部ダイレクター)に昨シーズンの振り返りや今季への意気込み、現在はどのようなことをしているのかインタビューしてきました。
ーお久しぶりです。今日はよろしくお願いします。
塚原 お久しぶりですね。練習にももっと来てくださいよ(笑)
ーすみません…。さっそくなのですが、ついにJ3が開幕します。現在は強化部ダイレクターということで、どのようなことをされているのですか?
塚原 立ち位置的にはフロントスタッフになります。戦術は志垣良新監督や平野将ヘッドコーチが考えるので、僕はそのサポートとして。練習ではアシスタントコーチとして参加しています。
ー去年までは現場で指揮を執っていました。うずうずされているのでは?
塚原 いずれは指揮を執りたいと考えていますが、今はチームを一歩引いて見る時期。私にはJリーグチームを指導するライセンス(※1)がないので、今年はそれを取りに行く1年です。
※1)・・・Jリーグチームを指揮するにはJFA公認S級ライセンスが必要。塚原強化部ダイレクターはA級ライセンスまでしか持っていないため、現状ではJFLまでしか指揮を執れない。
ーS級ライセンスを取得するのはどれくらいの期間がかかるんですか。
塚原 基本的には1年あれば取れます。実技や筆記、海外研修などを経て合格すれば翌年に取得することができます。
ーでも、1年もかかるんですね。
塚原 日本国内すべてのサッカーチーム(※一部例外あり)の監督や日本代表監督も務めることができるライセンスですから、やはり簡単ではありません。これは余談ですが、今年の受講者には元日本代表の内田篤人さんや中村憲剛さんなども一緒なので、ちょっとワクワクしてます。
ーそれは取材したいくらいですね(笑)。昨シーズンの振り返りを少し聞きたいのですが、監督としては3年目のシーズンで悲願を達成されました。
塚原 昨シーズンはいろいろうまく噛み合ったシーズンでしたね。
ーこれぞJ3に参入するチーム、というような強さと勢いがありました。
塚原 これまでのFC大阪は夏場に弱く、そこで順位を落としてJ3参入を逃すという経験をしてきました。実際、2シーズン前も夏場に7試合続けて白星から遠ざかる時期があって。昨シーズンは夏場で7連勝できたのが大きかったですね。
ー夏場の7連勝、さらにシーズンを通してホームでは無敗。強さの秘訣は何だったのでしょうか。
塚原 夏場に失速しないためにフィジカルを強化しました。牡丹亮介フィジカルコーチ(2022年シーズン終了後退団)の貢献も大きかったです。とにかく体力をつけて、全員が夏場でも90分走れる身体になりました。
ーむしろ試合後半のほうが強かったイメージです。
塚原 特にうちはメンバーも多く、点の取れる選手が多くいました。ラスト20分での得点もリーグで1番多く、逆転勝ちにも繋がりました。FWの選手を多く登録し、前半から飛ばして相手を疲れさせ、終盤に得点というパターンが多かったですね。
ー前半負けていても、後半逆転してくれると期待が持てました。2シーズン前は逆転勝ちが一度もなかったので、別のチームのようでした。昨シーズン、ターニングポイントになった試合はありますか?
塚原 まずは6月19日の鈴鹿ポイントゲッターズ戦です。1万2,152人のお客さんが来てくれて。あの試合で勝てたことで勢いが出ました。7連勝もあの試合からでしたね。
ー昨シーズンはここで勝たないと、という試合をものにしていた印象です。アウェイの奈良クラブ戦は衝撃を受けましたが…。
塚原 0-5で負けた試合ですね。7連勝がストップした試合で、あの試合も1つターニングポイントになったと思っています。チームで気を引き締め直す良い試合でした。
ー今シーズン、塚原強化部ダイレクターから見た注目選手は誰でしょう。
塚原 やはり新加入選手に注目してほしいですね。特に昨シーズン苦しめられたFWンダウ・ターラ(横浜F・マリノスから移籍加入、昨季はレンタル移籍でFCマルヤス岡崎に所属)やDF酒井匠(ラインメール青森から移籍加入)、MF利根瑠偉(ヴェルスパ大分から移籍加入)はかなりの戦力です。
【トップチーム】
FC大阪では2023年シーズン 新戦力として、J1 #横浜F・マリノス よりFW ンダウ ターラ選手が完全移籍加入することとなりましたのでお知らせ致します。コメント、詳細は🔽https://t.co/g3ZyMTL1Z2#FC大阪 #fcosaka #東大阪 #東大阪からJリーグへ #歓喜雀躍 #ンダウターラ pic.twitter.com/sbp5k7Q4ZF
— FC大阪【公式】 (@FCosakaOfficial) December 13, 2022
ー僕もターラ選手の発表があったときはかなりびっくりしました。やはりスタイルとしては昨シーズンまでのようなショートカウンターから攻め上がるイメージでしょうか?
塚原 そうですね。志垣監督がさらに磨きをかけて、より面白いサッカーを展開してくれます。昨シーズンは失点が多かった(34失点)ので、ここは改善ポイントです。
ーDFやGKにも新加入選手が入ったので、守備にも注目ですね。今年から練習場所も花園がメインになりました。変わったことはありますか?
塚原 今までは服部緑地やJ-GREEN堺、花園でやったりと1週間の中でもバラつきがありました。しかし今年からは8割〜9割くらいが花園で出来ています。環境が変わらないので選手もやりやすいと思いますし、我々スタッフもより密に連携を取れるようになりました。
ーラグビーとサッカーが隣で練習している、というのも見かけます。
塚原 お互いに刺激しあって、東大阪を盛り上げていきたいですね。
ー話を聞いていると開幕戦がより楽しみになってきました。最後に今シーズンの目標を聞かせてください。
塚原 もちろんJ3優勝とJ2昇格です。昨シーズンは惜しくも2位で優勝を逃してしまったので、今シーズンこそは優勝します。
ー期待しています。ありがとうございました。
塚原 こちらこそ、ありがとうございました。
以上、塚原真也強化部ダイレクターへのインタビューでした。
開幕戦は3月4日(土)。アウェイ・白波スタジアム(鹿児島)にて鹿児島ユナイテッドFCと対戦です。今シーズンももちろんアウェイへも取材に行きます。
ホーム開幕戦は18日(土)。花園ラグビー場で、いわてグルージャ盛岡と対戦します。
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