【主観的見どころ解説】花園近鉄ライナーズvsキューデンヴォルテクスただ勝ち続けるのみ。2位以内目指し、ナイターで燃えよライナーズ！

シーズンが深まり、リーグ戦も残り3試合。
花園近鉄ライナーズは4月18日(金)ホーム東大阪市花園ラグビー場にて、今季初のナイターに挑む。
対戦相手は現在の5位九州電力キューデンヴォルテクスだ。

前節のレッドハリケーンズ戦でハットトリックを決めたWTB江川。チームをさらにあげ調子にしてくれ。

花園近鉄ライナーズとは
日本最高峰のラグビーリーグ「ジャパンラグビーリーグワン」に所属するライナーズは、前シーズンでぶっちぎりの最下位。入替戦にも負け、ディビジョン1(1部)からディビジョン2(2部)に降格した。
1929年創部、日本有数の歴史ある古豪として今の立場に甘んじるわけにはいかない。今シーズンで絶対絶対絶対ディビジョン1に復活を遂げるんだ！

週刊ひがしおおさかがライナーズ特設サイトを作ったよ！

キューデンヴォルテクス戦の意味合い

前節レッドハリケーンズ大阪に白星をあげ、3位をキープするライナーズ。苦戦が続いたリーグ前半とは打って変わり、4連勝で勢いに乗る。
キューデンヴォルテクスには今シーズンは6節で39-12の勝利。しかし練習試合では19-38のダブルスコアで敗戦だった。
公式戦で18年間負けてはいないが、1つのペナルティが命取りとなる。緩みなく挑まねばならない。

3位のライナーズにとって直近のターゲットは、何としてでも入替戦圏内の2位に入ることだ。
現在2位のグリーンロケッツとは勝点4の差で後を追う。
確実に勝利し、差を開けないことが重要だ。できれば勝点5を奪いたいが、まずは目の前の勝利に集中する。

ライナーズメンバー

1岡本慎太郎
2松田一真
3ラタ・タンギマナ
4サム・ジェフリーズ
5サナイラ・ワクァ
6パトリック・タファ
7菅原貴人
8宮下大輝
9ウィル・ゲニア
10クウェイド・クーパー
11片岡涼亮
12岡村晃司
13トム・ヘンドリクソン
14江川剛人
15ウィル・ハリソン
16金子惠一
17井上優士
18三竹康太
19松岡勇
20野中翔平
21人羅奎太郎
22丸山凜太朗
23ティモ・スフィア

ビッグネームのアキラ・イオアネ不在の中、誰がNo.8を担うのかに注目が集まる。前節のミッチェル・ブラウンに替わって、今節は立命館大学出身25歳の宮下が入った。
さらに前節はリザーブから前半17分で出場し、ハットトリックを決めた江川もスタートから出場。片岡と立命館大学出身コンビで両WTBを固める。
復帰が待たれていたウィル・ハリソンはFBでスタートから出場する。オールラウンドプレーヤーとして、攻守にわたる活躍に期待したい。江川、ハリソンが入ることで攻撃のオプションも増える。軸は固めつつ、挑戦的なメンバーとなった。

今シーズンはFLでの出番がほとんどだったが、No.8の経験もある宮下。

キーマンインタビュー

向井昭吾ヘッドコーチ

Q.ノックアウトトーナメントのような戦いが続くが。
ポジショニングが一番大事。
みんなタイトになって、詰めたことがちゃんとできるようになってきた。グラウンドマップを見てもこのエリアで大体こういうことが起こるだろうという、詰めてきたことをちゃんとやれば自ずとと結果は出てくる。

Q.江川選手の活躍は、今のチーム状況を示しているのでは。
昨シーズンは全部で60人以上のメンバーを使った。ここまで今年は40弱くらい。
強いチームはだいたいそれぐらいのメンバー。同じチームで同じようにすると、練習の時間も短くなって詰めてゲームができる。30数人ぐらいがレベルの高い選手になってきたのが今年だなと思う。

Q.江川を評価したところは？
もともとできる選手。ただ、外国人選手と比べるとパンチがないとか、やっぱり身長がというのはあるが、それ以外についてはやってくれるだろうと。
ボールゲームになったときに、自分たちのちゃんとしたラグビーができるか。今年のターゲットは「ミスを少なく」「ペナルティを少なく」「リアクションを早く」。それがちゃんとできる選手を使っているだけだ。

Q.ハットトリックはうれしい誤算ということ？
1番最後、トライを逆に取られたら勝点4だった。誤算というより、あそこまで走り切れると私達にアピールした。
その前のトム(ヘンドリクソン)のインターセプトもあったが、あそこからでも切り返せるということを自分たちの自信にしてくれればなと思う。
エディ(ジョーンズ日本代表HC)にも見てもらって、少しでも引っかかってもらえればという選手。

Q.江川のディフェンスについては
アウトサイドセンター(13番)もできる。日本代表も私も、BKはリザーブでの出場を考えて複数ポジションができることが重要だと考えている。(日本代表の)マシレワもフルバックとウィングができる。
もう少し体重が増えれば、センターとしてもスピードがあるのでチャンスはある。
勝っているチームでメンバーを変えるのはなかなか難しい。そのなかでチャンスが巡ってきて、彼はものにした。準備をしている選手ががんばれる要因になったかな。

Q.宮下選手も久しぶりのスタメンです。
彼は昨年本当にがんばって、今年レギュラーになりそうな選手だった。サイズ的にという課題はあるが、コンタクトも強いしゲーム理解度も高い。今回アピールして上を目指してほしい。

Q.久しぶりのハリソン選手がFBでの出場ですが。
クーパーが右キック。左キックのハリソンがいれば相手はディフェンスしづらい。雲山のロングキックもあるが、今回はそのオプションにチャレンジしてみたいということ。
雲山はディビジョン1の強豪にいた選手で、やはりチーム内でもワークレートは高い。

8 宮下大輝

Q.チームに勢いがついてきていますが。
シーズン序盤に流れが悪くなってしまいましたが、まだ入替戦のチャンスもありますしチームも勢い乗っています。このまま一戦一戦大事にやっていきたいなと思います。

Q.キューデンヴォルテクスの印象は。
サインプレーもしてくるだろうし、FWのフィジカルも強い選手います。まずはフィジカルでしっかり前へ出たいです。

Q.個人的なフォーカスポイントは。
ハードワークをすること。もっともっとタックル回数やボールに触れる回数、ジャッカルなどプレーに絡んでいく頻度を増やしたいです。僕はFWでは体が小さい方なので、そういうところを武器にしていかないと。

Q.今回はNo.8。FLで出る時との違いは。
あまり変わらず、自分自身のプレーをするだけです。大学の時もNo.8やっていましたし、ライナーズでFLをやるようになっていろいろなポジションをさせてもらえるのはありがたいです。

Qどんな準備をしてきましたか？
ショートウィークでいつもより練習が1日少ないですが、自分なりにパフォーマンスを発揮できるように準備してきました。ナイターなんでいつもと違う新鮮な気持ちできると楽しみにしています。

Q.ナイターは好き？
ナイター好きです。昼と夜ではちょっと違ったり。ナイターの雰囲気が好きです。

14 江川剛人

Q.なかなかチャンスが回ってこない中でモチベーションはどうやって保った？
確かに難しかったですが、練習を全力でやるだけなので。それをちゃんと見てもらえたのかなと。

Q.前節メンバーに入り、早い時間に出たのは想定外でしたか？
もう出るの？という感じでした。出たらあとはやるだけなので、そこはどの試合も変わらないですね。

Q.持ち味も出た試合だったのでは？
キックチェイスやタフなキャリーはできましたが、ディフェンスが全然ダメだったので、今回やっていきたいです。
アタック力でキムさん(木村)やセミシが優れている中で、自分はディフェンスで対抗しないと。ケガから戻ってくる選手がいても自分が出続けられるように、試合でもっとアピールしていきたいです。

Q.CTBとWTB、両方やっていく？
両方できたら良いですが、CTBのレベルにまだ達していないと思うので、練習からがんばっていきたいです。
今はWTBが楽しいです。

Q.デビュー戦でもトライをとって、節目に強い選手という印象ですが。
デビュー戦で相手がパナソニックで、っていうのはなかなかないと思うので、「持ってる」かなというのはあります。しかしそのまま試合に出続けられる実力がついていなくて、前のシーズンは入替戦に出られなくて。今シーズンも2節と3節に出て、その後出られなかったりっていうのがあったので、チャンスを逃さない実力をもっとつけていきたいです。

Q.今週の準備は万全？
チームに馴染むというか、前回は試合のメンバーと合わせることが全然できていなかったので、今週はしっかり準備できてます。

Q.何トライ取りますか？
もちろんハットトリックでお願いします！

キューデンヴォルテクス戦の見どころ

自分たちに主導権があれば、アタックが機能するライナーズ。ただ、前節目立ったのはペナルティの多さだ。
アタックは良い、しかし不用意なミスでチャンスを逃すことがあってはならない。
BKにボールを回すまでに我慢できるかが鍵となる。
WTB木村・雲山が欠場する中、調子が上がる江川、利き足が左のハリソンがスタートから入ったことで、今までと違ったアタックも可能となるだろう。

また、シーズン半ばまでの不安要素だったラインアウトは安定し、大きな武器となっている。高身長サナイラ・ワクァを筆頭に、前節プレイヤー・オブ・ザ・マッチを獲得したサム・ジェフリーズ、安定したスローイングの松田など、システムを理解しシーズンとともに成長してきた。ラインアウトでのディフェンスにも期待したい。