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- ライナーズ新旧監督対談 前田隆介監督×坪井章新監督【後編】
近鉄ライナーズ前田監督と坪井新監督の新旧監督対談、後編は思い出の試合とライナーズの未来について。ざっくばらんに話してもらいました。
■スタッフ時代の思い出と、今シーズンの総括
ーお二人が、一番思い出に残っている試合って何ですか?
坪井 これは…難しいですね。
前田 どの試合もロマンがあるし、心意気を持って挑んでいるので選べないですね。
坪井 私、実は前田監督よりライナーズ歴長いんですよ。こんなに長くいることになると思ってなかったですが。
ー選手時代から現在までトータルで、16年ライナーズ一筋ですよね。まさに、ライナーズの生き証人!
坪井 (笑)。現役時代にショッキングだった試合でいえば、日本IBMとの入れ替え戦ですね。トップリーグに再昇格出来なかった。秩父宮で試合があったんですが、どうやって帰ってきたのかしばらく記憶がなかったんですよ。
(※2006-2007年シーズン、日本IBMとの入れ替え戦。29-29の引き分けで、ライナーズはトップウエストからトップリーグへの昇格を逃した)
前田 そういうシーズンもあったなぁ。
ー前田監督はいかがですか?
前田 今シーズンですが、サントリー戦での勝利は本当に嬉しかったです。
坪井 そうですね。チーム全員で覚悟をもって挑めました。サントリー戦はタックル数が必ず多くなる。真っ向勝負で「やってやろう」と。公式戦でサントリーに勝ったのは15年ぶり(2000年1月以来)で、私が入社してから初めて勝つことができました。
前田 そう、だからこそ次のシーズンでサントリーに勝つことが大事。彼らは前回近鉄に負けた時は、次のシーズンに革新的にチームを変えて強くなったチームですから。
ー油断はできないですね。サントリー戦のみならず、今シーズンは前田監督の言う「ギリギリの戦い」で勝利した試合が多々ありましたが、その要因ってなんでしょう?
前田 まず、ディフェンスがよかった。僕が5年前に就任して、それまでのディフェンスのシステムをガラッと変えた。それが徐々に浸透してきて、今シーズンは大きくレベルアップできました。選手に良いバランス感覚が身についてきました。豊田もキャプテンとしてめちゃくちゃ成長していて、彼が中心にいてくれてよかったです。
ー豊田キャプテンは貫禄がますます出てきましたね。あと、外国人選手も大活躍でしたが。
前田 ダメ元でスピースにオファーしたら来てくれました(笑)
ーダメ元(笑)。スピース選手、デアリエンディ選手の入団発表は、本当にびっくりしました。
前田 はい、2人ともプレーでコミュニケーションをとってくれて、すぐに順応してくれました。スプリングボクスの選手の質の高さを感じましたね。僕が選手の時、一緒にプレーしたかったなぁ。
坪井 2人とも、チーム全体練習後に若手を集めて後練したりと、チームに馴染んでくれましたね。南アの選手が日本で求められる理由が分かりました。2人はチームにレガシーを残してくれました。田淵なんか、元々南アの大ファンだから、めっちゃ嬉しそうに一緒にプレーするんですよ。
ーなんか、想像できます(笑)。
■ライナーズのこれから
ー前田監督は、今はあいさつ回りでお忙しそうですね。
前田 1ヶ月ほどかけて終え、やっと落ち着いたところです。次どうなるかはまだ決まっていません。
ーええと、今はもう新体制作りに入っているんですか?
前田 ファーストミーティングに向けて、坪井がスタートの準備をしています。
ーファーストミーティングって、年度始まりのミーティングですよね。
坪井 はい。ほぼチーム全員が集まります。「どういう年にするのか」というチームの方向性を示します。チームの始まりで、とても重要な位置づけです。今は練った構想を具体的に詰めていく作業に奔走しています。
ーなるほど。やはり一番気になるのは、新監督が提示する目標ですが…。
坪井 日本一を意識し、示していきます。昨シーズンの手応えもあり、トップリーグ制覇は決して手が届かない存在ではなくなりました。その中で、まず「打倒トップ4」。そこから頂点が見えてくると思います。
前田 過去に日本一になったことがあるチームである以上、絶対に目指すべきところですからね。
ーありがとうございます。では最後に、前田監督が、チーム、そして坪井「新監督」に言い残しておきたいことは何でしょう?
前田 選手たちには、「日本で一番のプレーヤーになってくれ」ということです。坪井には…やりたいことをどんどん周りに発してマネジメントしていって欲しいです。現実を理想に近づけるのが、監督の仕事なので。
坪井 はい、覚悟をもって頑張ります。進化は求められていますし、しなければならない。今まで培ってきたことをフル活用して「学び」を止めずにやっていきたいですね!
新体制に向かって走りだす坪井新監督と、エールを送る前田前監督。バトンは受け継がれ、次の世代へ。次シーズン以降、ライナーズの活躍を期待せずにいられない対談でした。
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