六万寺町の「梶無(かじなし)神社」って知ってますか?
毎年春から夏にかけ、ふくろうの一種「アオバズク」が代々巣作りすることで有名な神社です。100年以上前から繁殖地となっており、東大阪市の天然記念物にも指定されています。
7月初旬には雛が巣立つ時期。さらに神事「夏越しの祓」(なつごしのはらい)が斎行されると聞き、6月30日(水)取材へ行ってきました。
夏越しの祓は半年分の穢れ(けがれ)を落とし、残り半年の健康と息災を祈ります。夏の始まりを告げるかのように、全国各地の神社で行われているメジャーな神事です。

住宅街にある六万寺町・梶無神社。
さて、参道を進むと…大きな輪っかが現れた!

この輪っか、存在感が半端ない。
これは神事で重要な役割を果たす「茅の輪」(ちのわ)。夏越しの祓では、茅(かや)でできた輪をくぐる「茅の輪くぐり」を行います。
同神社では毎年茅を調達し、一から編み上げて手作り。大人2人が両手を伸ばしたほどの大きな輪は、「おそらくこの辺りの神社では、かなり大きい方ではないかと思います」と宮司の川上さん。

青々とした茅。これが編みあげられているのが、茅の輪。

大祓詞(おおはらえのことば)奏上の様子。
拝殿での儀式を終えると、参列者全員で茅の輪くぐり。お守りとして配られた茅を手に、ぞろぞろと左、右、左と八の字に輪をくぐります。この日儀式が行われたのは16:00。西日が指して少しアンニュイな夕方の空気が漂う中、参列者は半年分の穢れ(けがれ)を落とし、残りの半年の無病息災を願いました。

「水無月の夏越しの祓する人は 千鳥の命延ぶというなり」と奏上しながらくぐります。
まだ明るいものの、気づけばもう17時半。アオバズクがどこかにいるかも…と、儀式が終わった後に探してみました。
川上さんによると、今年は4月26日にオスが飛来し、数夜でカップルが成立。ご神木の楠の木の巣で雛を育てています。
拝殿向かって左奥にある、樹齢550年のご神木。よ~く目を凝らすと、枝でメスが休んでいます…が、かなり高い位置にいてカメラで認識できない!

葉で全然見えないですが、ご神木の上の方に確かにいました。
たまに境内に降りてくることもあるそうなので、見ることができるとラッキー。見つけることができなかった人は、社務所に飾ってある写真を見せてもらおう。

アオバズクの写真。お守りは社務所で購入できます。
7月3日にメスが巣穴から出たため、もうそろそろ雛が巣立つ頃。礼拝後、羽ばたく姿を探してみるのもいいですね。
夏越しの祓とアオバズク。「梶無神社」は東大阪一、夏の到来を感じられる神社なのかもしれません。雛が飛び立つまでに、一度参拝に訪れてみてください。
【7月19日 追記】
アオバヅクの雛は三羽いることが確認され、7月12日・14日・18日に1羽ずつ巣立ちました。来年、再びやってくる日を待ちましょう。

メス親(左)と三羽の雛(写真提供:梶無神社)
■梶無(かじなし)神社
住所:東大阪市六万寺町3-14-31
TEL:072-981-1615
駐車場:あり
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。