暑さも本格的になってきた7月中旬、最終節を迎えたスーパーラグビー。
1勝13敗と厳しい成績のサンウルブズですが、笑って終わりたい!
7月15日(土)、ホーム・秩父宮で最後の戦いに挑みます。
対戦相手はブルース。ニュージーランドカンファレンスでは最下位ですが、過去2回の優勝を経験している名門チームです。
タレント豊富なメンバーをそろえており、決して油断できません。
サンウルブズは、ティモシー・ラファエレやウィリアム・トゥポウのCTBコンビが久しぶりの登場。PR具智元も長らくのけがから復帰しました。
近畿大学出身PR山本幸輝や同志社大学出身HO日野剛志など、関西に縁のあるメンバーも出場。
ラストゲーム、ホームで勝利をおさめることはできるのか。
正午の太陽が照りつける中、サンウルブズボールでキックオフ!
序盤、ブルースがボールの主導権を握り、サンウルブズは耐えるのがやっと。
積極的に体を当ててくるブルースに対し好プレーを見せますが、防戦が続き次第に苦しくなってきます。
8分、力強いブルースのアタックに押し切られ、先制トライを許してしまいます。
さらに12分にも1本取られ、0-14に。
あっさり2本取られて、このまま負けるか…と思いきや、今日のサンウルブズは相手のミスを見逃しません。
16分、接点で打ち勝ちボールを奪って22mライン内へ入ると、短いパスを繰り返して少し前進。
ゴール直前に迫り、最後は12ラファエレがディフェンスの壁をこじ開けてゴールポスト付近にトライ!Gも決まって7-14に。
そこから元気が出てきたサンウルブズ。
ボールをもてば、すぐさまパス。細かくつないで相手を翻弄します。
WTB松島が自陣からビッグ・ゲインするなど、スーパーラグビーでしか見られないプレーを連発し、相手陣でのプレーが多くなります。
26分にはブルースにインターセプトで独走トライを決められますが、それでもサンウルブズはへこたれません。
獲物を狙いにいく狼そのもの。
相手がパスミスで落としたボールを蹴って相手陣へ押し戻したり、ハイパントで負けようがその後にタックルを仕掛けノックオンを誘発したり…。
そう、我々はこのプレーが見たかったのだ!
序盤は防戦に徹していましたが、いつのまにかサンウルブズのペースになっています。
ブレイクダウンでも負けていません。いや、むしろ勝っている!
どんどんボールをもつようになったサンウルブズは、相手陣でアタック。
38分、WTB松島がゲインし22m内へ。走って追いついた徳永からSH内田に渡ると、そのまま飛び込んで右端へトライ!
Gも決まり14-21と追いすがり、前半終了。
バタバタ攻められた序盤から、前半終了までに自分たちのペースに持ち込んだサンウルブズ。
どうやらブルースはバテてきた様子。もしかしたら、後半はさらにいい展開になるかもしれない…。
後半が始まると、その期待は的中します。
53分、松島がキックしインゴールへ転がすと、CTBラファエレとSO山中が追いかけます。ブルースのディフェンスともみ合いながら、グラウディングしたのは山中。TMO判定でトライ!Gは外れますが、19-21と3点差に迫ります。
55分には、ブルースの20カイノがショルダータックルでシンビン。
数的有利となったサンウルブズは、PGで逆転を狙うのではなく、ラインアウトを選択。
22m内でのマイボールラインアウトからモールを作り、押して、押して、見事なドライビング!認定トライをあげます。
26-21と大逆転。
「相手が7人だったので、自然とラインアウトを選択した」とキャプテンのFLブリッツは後の記者会見で話しました。
もうサンウルブズの勢いは止まりません。
64分にはSH茂野、69分、76分にはラファエレが連続トライ。
そして最後は79分、相手タックルをなぎ倒してNo.8徳永がトライ。この時間を待っていた!
後半は相手をノースコアで抑え、48-21。
合計8トライを生み出し、最終戦にして2勝めを手にしました。
秩父宮で、すばらしい形で有終の美を飾ることができました。
「シーズンの中で一番好いパフォーマンス。すばらしいディフェンスで、プレッシャーをかけることができました」とティアティアHCは健闘した23人を絶賛。
特にリーダーシップを発揮したブリッツ、怪我を抱えながらも才能を発揮した具を讃え、「リコンディショニングで選手の変更もチャレンジになった」とコメントしました。
スーパーラグビーのシーズンもこれで終了。
着実にステップアップし、勝てるようになったサンウルブズ。進化する日本のラグビーが、まさに目の前で起こっているのです。
来シーズン、どんな変化が起こるのか。早く開幕の2月にならないかなぁ、と今から思う記者でした。
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