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今シーズン振り返り!ライナーズ坪井監督インタビュー2018 【後編】
- 2018/3/30
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- 坪井章, 近鉄ライナーズ
- 2 comments
先日、ライナーズの坪井監督が退任すると発表されました。
シーズンの結果からも、こんな時にシーズン振り返りなんて難しいんじゃ…と思っていた週刊ひがしおおさか。
ところが、坪井監督(ここではあえて監督と言います)は快く受け入れてくれました。
さすが誠意と熱血を体現する男、それでこそ俺達のあこがれ!
ということで、今年もやりますシーズン振り返り!ライナーズ坪井監督インタビュー2018です。
※前編はこちら
来シーズン以降の話
ー 未来のライナーズの話をしたいと思います。坪井監督が最も悪かったとおっしゃった東芝戦の試合後、マイケル・ストーバーク選手が「どうしてうちのチームはこんなにもパッションがないんだ」と我々に伝えてきたのです。
坪井 彼は熱いです。外国人枠の関係で常に試合に出せなかったのですが、メンバーに入らなかったときなどは熱く「何が足りないんだ」と涙ながらに聞きに来るほど。あの熱さは今後のライナーズにとってプラスになるはずです。
ー 最終戦のNTTドコモ戦でも、すざましいパフォーマンスでした。
坪井 あの試合の彼は代表クラス。ただ、良くも悪くも波があります。2mを超える長身で、大きなポテンシャルを秘めています。コンスタントに力を発揮できれば非常に頼もしい選手です。
ー まだ24歳ですしサンウルブズを経て日本代表も。期待しちゃいますね。
坪井 日本代表を現実的に狙えるのは豊田大樹だと思います。ジェイミー(ジェイミー・ジョセフ 日本代表ヘッドコーチ)が来たときも、かなり強く推薦しました。
ー ライナーズでも全てにおいて要になっていますね。
坪井 スクラム、フィールドプレーはもちろん、今シーズンは仕留めきるタックルも身につけて本当に楽しみな選手です。
ー 豊田選手が確実にステップアップしている理由は何でしょうか。
坪井 ずっと努力をしていることだと思っています。私は一時間の電車通勤を経て朝7時ごろ出勤していましたが、彼はその時間に早朝自主練習を終えて帰る(職場に出勤するためにクラブハウスを出る)くらい。意識、向上心が高い。
ー そ、それはすごいですね。
坪井 見えない所で努力している人間は必ず花が咲きます。努力は嘘をつきません。トンプソンもその代名詞です。そういう文化は確実に若手にも伝わっています。ある公式戦の日、新人の山口知貴をリザーブに入れたのに出せなかった試合がありました。試合終了後、クラブハウスに帰るとトレーニングルームで彼がウエイトをしているんです。
ー 新人でのMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)獲得は伊達じゃないということですね。
坪井 ええ。一緒に同期の寺田もトレーニングしていましたし、そういう姿勢、気持ちを多くの選手が持てば確実にチームの全体レベルが上ってきます。必然的にチーム内競争も加熱していきます。
ー 他にも、坪井監督は最終戦のあとの記者会見で「期待する若手」として田淵慎理選手と野口大輔選手を上げておられました。
坪井 田淵は、昨年の大けがからよくぞ戻って来たと感心しています。野口はこの2年、トップリーグでいい経験を積めたと思います。ただもっとコアスキルを磨く必要があります。
ー コアスキルとは、基本的に身に着けておかなければならない技術ということですか。
坪井 特に、コンタクト・タックルスキルです。本人にも伝え続けてます、彼なら確実に改善してくれると信じています。
ー SO(スタンドオフ)としては、絶対に必要になることですね。
坪井 加えて彼はチームの中心になってリーダーシップをとろうと意識してくれています。今チームは新しいBK(バックス)コーチが入ってきて、エリアマネジメントを整備している過程。彼にとっては難しさを感じることもあると思いますが、更なるレベルアップを必ずしてくれるでしょう。
ー 先日、マシレワ選手がサンウルブズのデビューを果たしました。
坪井 初めての日本で1年目であのパフォーマンスはすごいです。
ー フィジー人FB(フルバック)ということで、坪井監督も現役時代にチームメイトだったフィリップ・ラヤシのようだと言うオールドファンもいます。
坪井 ラヤシだってチームにフィットするのには何年もかかったんだから、来シーズンはすごいことになると期待しています。あと、彼は大阪、東大阪を気に入っています。
ー 先日公開したインタビューでも、ビシビシと地域愛を感じました(笑)
坪井 ライナーズの外国人選手は、チームに馴染んでライナーズに長年在籍する選手が多いです。そこには人情味のある大阪・東大阪の文化が好まれる要因の一つだと思います。そういう地域の文化、風土もライナーズに良い意味で大きく作用していると思います。
ー さて、来シーズンに向けてチームの現実的な話です。FW(フォワード)の課題と今後についてはいかがでしょうか。
坪井 スクラムに関しては、確実に強み、武器になりました。昨シーズンより本格的に強化を始めると、今シーズンは相手チームも対策をしてきました。フロントロー(スクラムの最前列)の選手たちも「今年はかなり相手に構えられた」と言っていました。それでも押すことができた。
ー FW(フォワード)の選手たちに話を聞いても「スクラムは誰が出ても大丈夫」と自信を持っています。
坪井 その自信が、2年前には押されていた相手にスクラムで勝つことにつながりました。神戸製鋼戦でスクラムで勝ち、イオプアソが大きなゲインをしてトライにつながったシーンがありました。あれこそ理想です。
ー 練習試合ではヤマハ発動機にスクラムで押す場面も見られました。
坪井 成功体験を植え付けることには成功しました。スクラムは組めば組むほど強くなまります。
ー 一方、BK(バックス)と言いますかアタックには課題が残りました。
坪井 スティーブン・ミーハンBK(バックス)コーチが整備してくれたのですが、1年目というのもあり難しいことも多かったです。
これから更に浸透していって、作り上げたことを試合のプレッシャーの中でも出せるようにしなければいけません。
ー その中でも特に重要となる要素は何でしょうか。
坪井 まずスキル。ライナーズのアタックが求めるスキルまですべての選手が引き上げる事。次に理解力。セイムピクチャーとよくいいますが、チームが同じ絵を見てプレーすること、状況判断する事も重要です。今シーズンは、メンバーが変わると違う判断をしてしまうシーンが幾度かありました。
ー マシレワ選手を活かせなかったこともありますが、キーマンとなる選手が交代すると、とたんにうまくいかないこともありました。
坪井 特に9番10番(試合をコントロールするポジション)の選手が鍵になりますが、すぐには難しいのが現実です。ただ骨組みはできた。これからは肉付けの作業です。この2年で構築したものを、次の世代が紡いで形にしてくれたらと思います。
ー こうやってお聞きしていると、来シーズンも坪井監督がグラウンドにいる気がしてなりません。本当に2年間、いえ選手、裏方を含めて18年間お疲れ様でした!
実は、週刊ひがしおおさかが選手たちにインタビューをできるようになったのは、坪井監督が広報をしていた頃でした。本当にお世話になった人がチームを去るなんて、未だに受け入れられませんが、これも次へのステップです。
ライナーズは、これからもっと強くなる!そう感じたインタビューでした。
絶対帰るぞライナーズ。トップリーグへ一直線!今、復活編のスタートです!
コメント
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インタビューでラグビーの奥深さわかりました。
坪井さんの再登板もあるかも。
近鉄愛がすごいです。
それにしてもいい選手ほしいです。
年に1人、代表経験者が来てほしいですね。