大阪府立中央図書館特集、後編です。(前編はこちらから)
前編では地下書庫についてレポートしましたが、今回は国際児童文学館(以下児童文学館)をお伝えしたいと思います!
圧倒的な蔵書数を誇る地下書庫もさることながら、実は「児童文学館」にも貴重な資料がたくさん。全国から研究者が資料を求めてやってくるすごい図書館が、中央図書館に併設されているのです。
1984年、吹田市千里万博公園内に大阪府立国際児童文学館としてオープン。そこから70万点の資料を引き継いで2010年5月5日に現在の場所で開館しました。
国際児童文学館では図書館に所蔵されている約280万冊のうち約80万冊を所蔵。漫画の閲覧には事前予約必須。基本的に貸出はしておらず、閲覧のみを行っています。
「えっ、予約しないと読めないし、貸出もNG?」と思われるかもしれませんが、それは貴重書だからこそ。「紙の手触りなど、当時の状態がわかるよう保存しています」と話してくれるスタッフさん。
中央図書館の1Fにあるこども資料室と何が違うの?というあなた。いい質問ですね〜。
こども資料室は子どもたちが読んで触れて借りて楽しむものなのに対し、児童文学館は「本の博物館」としての機能を備えています。貴重な資料として保存したり、研究者に研究対象として提供したり、博物館や美術館で貸し出し展示されることも多いそう。
児童文化の総合資料センター、子どもの読書支援センターとしての機能の二本柱で成り立っています。
さて、どんな資料があるのか実際に見てみると…。
絵本にはじまり、子ども向けの図書・
本はとりはずしできる透明のカバーをかけて、当時の帯やはがきなども保管。書店で売られている時のままの状態がキープされています。
なんと、お菓子のおまけの絵本や絵本の児童文学の同人誌まで所蔵しています。マクドナルドの「ハッピーセット」のおまけになっていた絵本を収集しようと、スタッフ自ら食べに行き、手に入れたこともあるとか。
児童文学館ではワークショップや昔の紙芝居を読むイベントも開催しています。イベントでしか見ることができない、貴重な紙芝居も。
地下書庫、そして児童文学館。貴重な資料を見学した我々は、古木さんに図書館のこれからについても伺いました。
「まず『府の図書館』というところに重きを置いています。市町村の図書館をサポートとしていくべき立ち位置です。研修などを通じて、府内にある図書館を支援することが我々の役割りのひとつです。」と古木さんは府立図書館の使命を語ります。
さらに、「図書館利用者は年々少なくなっていますので、何かできないか、とイベントやSNSでの発信など、新しい取り組みを積極的にしています」と続けます。
なるほど、週ひががご指名を受けたのは、この一環だったのか!
本を読み、調べ、借りたりするだけでなく、イベントなどでわくわくする場所としても取り組んでいるようです。
また、図書館の中でわからないことがあればどんどんスタッフに聞いてほしいとのこと。
スタッフさんは本のプロフェッショナルの方たちばかり。自分の想像を超えた情報をもらえるかも。
前後編、2本にわたってお届けしました大阪府立中央図書館の魅力。
「府の図書館」として、そして「みんなのコミュニケーションの場」として。中央図書館の新たな動きは、私たちの好奇心をどんどん満たしてくれるはず。ミホロボさんは大学生の頃、卒論の研究で調べ物をしていたらほとんどの資料がこの図書館にあったので「『うちの市はなんてすごい図書館を持ってるんや…』とスケールの大きさを感じたことがある」と言っていました。
私も大学の卒論を書く時は、たくさん利用させてもらいます!
■大阪府立中央図書館
住所 : 〒577-0011 東大阪市荒本北1-2-1
電話:06-6745-0170(代表)
開館時間:火~金:9:00~19:00(こども資料室・国際児童文学館は、9:00~17:00)、土・日、祝:9:00~17:00
休館日:月(祝・休日の場合は開館、翌日を振替休館)、毎月第2木曜日(7・8月は除く)、年末年始(12月29日~1月4日)
駐車場:あり
※地下書庫見学ツアーの詳細はこちらから
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