待ってろ未来!近畿大学×Hakobot、近大前商店街より自走ロボットを使ってデリバリー成功

   

待ってろ未来!

週刊ひがしおおさかがこれまでちょくちょくお伝えしていた、自動運転ロボットのベンチャー「株式会社Hakobot」の取り組みが大きな一歩を踏み出しました。2024年3月7日、近畿大学とタッグを組んで公道での自動配送ロボット「Hakobase」の実証実験を行ったのです。

ええ?!いいの!商店街は人でいっぱいだよ??

近畿大学東大阪キャンパスには、25,000人の学生が在籍。昼食時には学内のコンビニエンスストアに15分の行列ができることも珍しくありません。そんな課題を解決すべく、古殿幸雄教授ゼミは2022年に完全受注式の弁当販売サービス「クルメシ。」を開発。「クルメシ。」のプラットフォームを使い、スマートフォンを通じて学外の飲食店の商品を注文し、Hakobaseがその注文を自動運転で届ける仕組みです。

たくさんのメディアの前で事業の解説をする古殿教授(奥)。

簡単な流れをまとめると
・サイトから学生や職員さんが注文
・締め切り時間が来たらLINEを通じて店舗に発注
・Hakobaseが指定時間に商品をピックアップに行く
というものです。LINEっていうのが、ニクイよね。

さあ、では近畿大学×Hakobot版「はじめてのおつかい」のスタート!

青いマークは、法改正でできた「遠隔操作型小型車」の証。

まずは学内を走行。もちろん、コントローラーからの指令はなく、自走。カーブも滑らかに。

いよいよ公道へ。2023年4月の法改正により、一定の条件を満たせば「みなし歩行者」として走行できるようになりました。


1軒目は西門前の「やくも」。到着すれば連絡がお店に届く仕様です。


お店の方が、Hakobaseにお弁当を入れ看板を取り除けば自動で2軒目に。


2軒目は、インドカレー店の「INDRADIP」。コントローラーは念のため、手を添えていますが完全に自走。


帰り道に編集長前田がテストでHakobaseの前に。ちゃんと停止してくれます。


所定の位置に到着すると、注文した事務員さんが取りに来ました。


お使い成功。

メディアに囲まれながら、お弁当を取り出す。

歴史的な光景です。

「地元商店街の皆さんにお願いした時は『こんなに人通りが多い場所でやるのか』と驚かれました。一方で期待も頂いています。障害物が多い短距離ルートで効果的に運用できるよう、地域の皆さんとも取り組んでいきたい。」
と話すのは、古殿研究所の大谷諒馬さん。終始この実証実験をリードしてくださいました。

「解決したい社会課題は物流の人手不足。」と宣言する大谷さん。

「Hakobaseは四輪駆動四輪操舵の自動運転技術を備え、最大100kgまでの荷物を屋外で運ぶことができます。」と技術的な強みを強調するのは、Hakobot社の大山純社長。

大山さんは、関西出身ではありませんが阪神タイガースファンです。

特に、ローカルな過疎地では未舗装な道路も多く、電動車いすの事故事例として上がりがちなシチュエーションだと言います。Hakobot社の本社は宮崎県。だからこそ、四輪駆動にこだわりました。溝にハマっても抜け出せる能力を持ち、さまざまな地形での利用を視野に入れます。

「うちの荒本の物流センター周辺での実証実験も実現できれば」
と期待を寄せるのは、ねじ商社・サンコーインダストリー株式会社社長の奥山淑英社長。Hakobot社に出資し、東大阪市との連携と事業拡大を後押ししています。

花園ラグビー場前の石碑を寄贈したときの奥山社長。もちろんこの日はこのスタイルではありませんでした。

「物流センターから250mほど離れた仕入先、顧客との間で実験できればと考えています。100kgまで積載可能なので、工業製品により適していますから。」
と、限りなく前向きかつ具体的です。

春休みと言うこともあって、人通りは疎でしたが、大勢のメディアの前で自動走行により初めて大学外へ出て行ったHakobase。大きなトラブルもなく、定点から定点へ自走し、商品を運んできてくれました。

学生は少なかったが、メディアや見学者が多数いて実験にはちょうどいい環境でした。

今回の実証実験結果を踏まえ、来年度はさらに活動が広がりそう。ラストワンマイルの輸送など、物流での人手不足によりさらにロボットの活躍するシーンは多くなります。今はまだよちよち歩きですが、限定されたシチュエーションから、徐々に実用化へこぎつけて欲しいなと、Hakobotと出会ってからの2年を振り返って感じた編集長前田です。

前述した、比較的近場の工場間輸送が実現すれば大きな話題にもなりますし、何より利便性向上は計り知れません。いつもに増してメディアが多かったのも、そういった未来への見通しが明確になってきたからでしょう。もちろんロボットや自動運転そのもののニュースが多くなってきたことも見逃せません。

社会的ニーズに根ざすからこそ、実学。

誰も想像できない未来ではなく、誰もが望んでいる近未来への取り組みこそが近畿大学らしい。
まだまだ週刊ひがしおおさかは、近畿大学とHakobot社の取り組みを追いかけていきます。

待ってろ未来、行け日本へ世界へ新しい世界へ!

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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