みなさん最近歯ブラシ買ってますか?
買ってますよね。毎日使うし、消耗品だし。
かく言う記者ミホロボットは極細毛・コンパクトヘッド派でしたが、ワイド幅タイプを使ってみるとこれがなかなか心地良い。
身近な生活品すぎて変革がわかりづらい歯ブラシ業界ですが、確実にコトは起こっています。ちょっと興味ありません?
なんでこんな話をするかっていうと、東大阪と八尾の地場産業だから。
かつてはこのあたりで牛の骨に穴を開けて毛を植える植毛作業が行われ、職人たちが古くからその技を受け継いできました。
樹脂やナイロン毛の発明によって手作業から機械化され大量生産が可能となりましたが、それでもなおこの街では歯ブラシの製造が続けられています。
そんな背景とともに歩んできた、創業1918年のブラシ植毛専門メーカーが花園に工場を構える「若竹工業株式会社」。
河内花園駅南西、インド料理店「マウントフジ」を西へ行った交通量の多い場所にあります。
従業員数はパートタイマーなども合わせて16人の、いわゆる中小企業。
2次受けのメーカーとして1日3万本、月産にすると70万本を製造しています。
日本の歯ブラシは種類が多く、日本独自の規格で決められている硬さ(かたい・普通・柔らかい)のほか、毛先のカットやヘッド部分のサイズに違いがあるなど多岐にわたります。
「うちのような小さい企業が生き残ってこれたのは、多品種の需要があったからです」と笑うのは、3代目社長の若竹慶弘さん。
大手メーカーだけでなく、ドラッグストアやスーパーのプライベートブランド製品の割合が高く、小回りがきく企業が重宝されるのです。
そんな業界の今を、工場横の応接室で熱いお茶をすすりながら話してくれました。
近年、健康志向の高まりから歯ブラシの需要は右肩上がり。
中でも大手メーカーが開発し広まったワイド幅タイプの製造が増えているとのこと。
ほら、歯磨きって技術がいるものって思っていませんか?
歯の裏側をみがくときは縦にするとか、できるだけブラシを小刻みに動かすとか。
コンパクトヘッドに比べて、歯磨きのコツが必要なく簡単に効率よく磨けることがヒットしている・・・と、聞けば確かに、と思うことばかり。
もちろん解決していかなければいけない課題もあります。
1本100円を切る商品もあり、他の国に比べ相対的に安価で薄利多売な現状。
「単価を上げていくことが業界全体の課題ですね」
そう呟く若竹社長の作業着から、105年の重みが感じられました。
■若竹工業株式会社
大阪府東大阪市花園西町1丁目3番22号
072-961-2144
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。