試合がはじまって、思い通りにいかなくて、取りきれないシーンがいくつかあって、イライラしてきて、イエローカードももらって、ハーフタイムにハッパかけられて、なんとか２本取ったけどそれでまた個人技に走って、ディフェンスライン揃わなくなって、カウンターで抜けられるようになって、最後はどうしたらええかわからんくなって、試合が終わった。

試合前練習のライナーズ。このときから実はちょっと緩めの空気。

ライナーズ、何やってるんだよ！
東大阪市のほこり、近鉄ライナーズを追いかけて12年。いまや入団時の姿を知らない選手はトンプソンルーク選手だけになった週刊ひがしおおさか編集長前田は、いつもライナーズに優しい視線を送ってきました。
負けても、ケチョンケチョンにやられても、降格しても「これは日本一のチームになるための前フリだ」と、常に結果をポジティブに捉えていました。

しかし先週、福岡で行われたコカ・コーラとの練習試合は本当にネガティブな気持ちが覆ってしまったのです。

コカ・コーラには、近年負けていません。降格した2017年度シーズンにも楽勝した相手です。
加えて今季のライナーズは春のカップ戦では快進撃で、トップリーグのチームを次々に軽く撃破し、意気揚々と迎えた秋。
週刊ひがしおおさかでも「今年は入替戦が無い代わりに、全試合圧勝でトップチャレンジ1位だ！」と息巻いています。

が、それと相手を舐めてしまうのは別。ライナーズは21−31で完敗を喫しました。特に後半には4連続トライで試合をひっくり返されるという、格好の悪い展開に。
「余裕かましてた」という不名誉な印象を相手プレイヤーや見る人に与えてしまったのです。

試合がはじまって、しばらくは不運なシーンが目に付きました。レフリングとライナーズのプレーが合っていないと感じることもありました。
しかし、それは春のカップ戦でも合ったこと。
結果を見て、多くのファンは「どうしたんだライナーズ」と感じたことでしょう。

集中力に欠き、いいところを見せねばと思っていたのかフィニッシュがうまく行かずにトライをあげられない。そんなシーンが続いたのが、前半の後半です。ラフプレーも増えていき、イライラしているのが感じられる状況で、ペナルティを連発。
なんとかディフェンスでしのいだものの、ライナーズは取り切れずに1トライにとどまります。コカ・コーラはよく攻めたイメージを残して1トライ。7-5とリードはしていますが、出来は歴然です。

週ひがMVPを決めるとすれば、間違いなくSHライアン。でも何かが違う。

ハーフタイムにコーチ陣に発破をかけられる選手たち。その甲斐あってか、後半の出だしに2トライを上げて21-5とリードを広げました。
しかしその2トライも、春に見られた「我慢して相手のディフェンスを破り、FW・BK一体となって取り切る」といったものではなく、個人の50−50のプレーが上手く行ったもの。春のトライとは、いえ1週間前の豊田自動織機戦と比べても、全く違います。

ハーフタイムの時点で大反省のライナーズ。しかしこの後が惨事だったのです。

リードを広げてからは、ディフェンスも崩壊。弊社ミホロボットも「練習試合だからディフェンスは行かない方針なのか？」とつぶやいてしまうほど、消極的なプレーが見られるようになります。

結局、キックからのカウンターや密集付近でのディフェンスが甘くなって、20分間で4トライを献上。
21−31と接戦でもない敗北となってしまいました。完敗です。

相変わらず写真写り最高のLO松岡。随所にいいプレーは見えたのですが…。

つなぐという意思、連携して動くという覚悟、勝ちたいという貪欲さ。全てに課題が残る試合になりました。
唯一の収穫は、これが練習試合だったこと。ライナーズは弱いと、はっきり私達の前に突きつけられました。これを糧に、目を覚まさないでどうするライナーズ。

重要なことなので、もう一度確認します。
ライナーズは弱いのです。
世界的なスターがいても、日本代表が帰ってきても、強者のメンタルを忘れて何十年も経過したチームがそう簡単に強くはなれません。
春がちょっとよかったからって、余裕かましてる場合じゃないよ。

次の試合は、Hondaとの練習試合。いい準備は当然のこと。勝つためにできることはすべてやる。
トップリーグのHondaに圧勝して、また日本中のラグビーファンにライナーズの本気を見せつけよう。
今のライナーズに、余裕を持って戦える試合は一つもありません。日本一のチームになるために。

目を覚ませ、ライナーズ！