「まちゼミ」ってご存知ですか?
商店街のお店が先生になって、地域の方にプロならではのちょっと得する知識やワザを講習する、いま注目のイベントです。例えば、町の文具屋さんが「万年筆初級講座」と題し、万年筆の使い方や楽しみ方を無料レクチャーするんです。そんな講座が1カ月にわたって、商店街のあちこちで行われていたら、ちょっと楽しいですよね。
愛知県岡崎市で2004年に始まった「まちゼミ」。大阪でも豊中、箕面、大阪市住之江区の粉浜商店街で実施され、今月はお隣の八尾市が実施中です。そんなまちゼミを東大阪でも!ということで、小阪商店街ではまちゼミ開催に向けた講演会「得する街のゼミナール 三方よしの“まちゼミ”の考え」を開催しました。
2013年2月8日(金)、19時30分から営業を終えた商店街の商店主がヴィ・ド・フランス小阪店のコーヒールームに集まりました。講師はまちゼミ生みの親である岡崎まちゼミの会代表松井洋一郎さん。
開始すぐに松井さんから「商店街って必要ですか?」とショッキングな問い掛けがあると、受講者である商店主らは松井さんの熱い話に引き込まれていきます。
「もちろん、商店街は必要なんです。じゃ商店街の活性化って何ですか?」松井さんの問い掛けは続きます。商店主から様々な意見が出ますが、松井さんの考える活性化とは「お店が事業を継続できること」と「必要とされる市民の数が増えていくこと」。商店街は街の顔。商店がなくなってくれば、商店街は維持できない。商店街が維持できなければ地域のの顔もなくなります。ご自身も岡崎商店街で化粧品専門店を営まれている松井さんの話はすべてに説得力があります。
平均的な日本の商店街は、この20年で人通りが半分になったとしばしば言われます。「岡崎では7分の1になった」と松井さん。通信販売の発達や大型店舗の出店などで、商店街のお店は次々になくなりました。地域の担い手であった商店街に元気がなくなると、地域にも元気が失われます。そんな岡崎が「まちゼミ」で生まれ変わりつつあると言います。
受講したお客様は満足感がえられます。実施したお店にはファンが生まれます。商店街と地域のお客様が近くなれば、街に連帯感が生まれます。この「買い手よし、売り手よし、世間よし」がまちゼミの魅力です。
東大阪や小阪が好きな方も、そうでない方も得をしながらまちに貢献できる。これこそが地域活性化の王道ではないか? と記者は感じました。
小阪商店街でのまちゼミ期間は未定。2013年5月が予定されています。
取材・写真・文:前田寛文 @MaechanYK
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