サンウルブズ3年め!日本代表の強化と興業としての成功を二兎追って二兎とも得ようと言う、世界のラグビー界でも稀な実験が今年も始まりました。
今季は日本代表も多く参加し、一昨年(1勝1分13敗)や昨年(2勝13敗)のような”敗戦の常態化”からの脱却を期するシーズンでもあります。
2月24日、大切な初戦の相手はブランビーズ。オーストラリアの強豪で、今季の優勝候補でもあります。
そんな強敵にどう挑むのか、今年から指揮をとるジェイミー・ジョセフヘッドコーチが出した答えは、スターティングメンバー15人中10人を外国出身選手にするという初戦の布陣。必勝、もし負けても無様な姿を見せることは絶対にできない試合は13時15分に開始されました。
先制したのはブランビーズ。ペナルティからPGを決めて先手を打ちます。
ミスをしながらも、オフロードから素早いアタックとボールを持つ選手への確実なサポートで、サンウルブズを後手に回らせます。
なんとかしのぎ、自分たちのテンポで攻めたいサンウルブズ。ボールを動かし始めると逆にブランビーズがペナルティーを犯します。前半8分、敵陣深くでマイボールラインアウトを得ると、ドライビングモール!一体となってインゴールへなだれ込み、トライを奪います。
コンバージョンも決まって7-3。
さらに18分には、敵陣22m内のマイボールスクラムから展開し、13ラファエレがトライ。コンバージョンも決まり、14-3。攻めると強いサンウルブズ。「今年は違う!」と日本中のラグビーファンに示してくれました。
24分にブランビーズに1トライ返されますが、28分にまたもや13ラファエレの技アリのゲインから、11サウマキがトライ。コンバージョンは外れて19−8。前半だけでブラウンビーズから3トライを奪って、優勢に試合を進めます。
ところが、ブランビーズはここから息を吹き返します。
それまでミスが目立っていた、アタックが次第に噛み合い、ディフェンスも隙きがなくなります。
35分、サンウルブズがインゴールより蹴ったボールがタッチに出ず、ブランビーズにチャンスが訪れるとフラットなパスとループを駆使してあっさりとトライを奪います。速さ、正確さ、戦術性に優れるアタックが炸裂します。19-15と4点差。
このあとお互いに攻め合いながら、あと一歩でスコア出来ずにこのまま前半を終了します。
アタックでは最高の結果と、ディフェンスでの不安を抱えて後半を迎えたサンウルブズですが、すぐに具現化したのは不安の方でした。自陣深くでのパス回しがゴールポストに当たるミスからトライを奪われると、53分にはラインアウトからモールでトライ。19−27とギアチェンジしたブランビーズにサンウルブズは後手を踏むようになります。
自分たちのテンポでアタックするために、メンバーを入れ替えて対抗しますが、PGで3点を加えるのがやっと。ブランビーズは67分に、オフロードパスを連発してトライをもぎ取り、22−32と突き放します。
勝利には早い段階でのトライが必要になったサンウルブズも最後の10分は敵陣で猛攻を見せますが、いずれもブランビーズの固いディフェンスを破ることはできず。ホーンが鳴ってから、7点差とするPGを決めて試合終了。25-32で、破れはしたものの7点差以内の勝点1を獲得しました。
他のチームよりも準備期間が圧倒的に短い中、強豪相手に善戦しアタックでは勝つシーンも多かった初戦。
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチも試合後「悔しいが満足」と話していおり、成果はあったと思われます。
ただ、気になるのがブランビーズのマッケラーヘッドコーチの発言。サンウルブズをリスペクトしながらも
「3フェイズめにFWに戻ることがわかってディフェンスできるようになった」とコメントしていたのです。言い換えれば「手ごわかったが負ける気はしなかった」とも言えるのではないでしょうか。
しかし、この試合を観た人の多くはそれ以上に今年の戦いに可能性を感じたでしょう。「負けても仕方がない」とやる前から思ってしいまうことは、なくなるかもしれません。日本の未来を背負ったチームが、人々を熱くさせて興行的にも成功する。
今シーズンこそ、その大きな目標に向かって大きく前進してくれるものと、期待してしまいます。
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