オワコンって言葉、知ってますか?「終わったコンテンツ」を意味するネットスラングです。
そんなオワコンの代表と、多くの東大阪人いえ日本人の大半が思っていた「ベルマーク」に東大阪市が立ち上がったのです。
リージョンセンターに設置された、このカワイイ箱にベルマークを入れると、
・半分は市内学校園に寄贈
・残りの半分はベルマーク教育助成財団を通じて東日本大震災で被災した学校園にお届け
という、この企画。みんなで集めれば、東大阪と被災地の子供たちの教育環境を少しでも改善できるというもの。
…とここで気がついた。「半分を被災地に贈る」ということは、集められたベルマークを半分に分けるってことですよね。
ベルマークってさ、結構仕分けが大変なんです。
読者には、PTAなどでベルマークの仕分けを経験した人もいて「あー、あれね!」となっているかも。
この度、そんなベルマークを仕分ける「ベルの会」が結成されたと聞き、取材に行ってきました。訪問したのは6月某日18時頃。荒本の市役所庁舎内某ミーティングルームです。
ありゃ。普通の仕分け作業?
ベルマークとは、協力企業が商品にベルマークという名の点数をつけるシステム。消費者は点数が記載された部分を切り取って、学校などの教育機関に持ち込みます。
基本は1点1円。学校単位で集められた点数を財団を通じて、学校に必要な教材に交換するという仕組み。
ほら、黒板消しの汚れを吸い取る機械などを、保護者や児童のみんなで集めたベルマークを利用して、購入していましたよね。
「ベルの会」はお堅い市役所内の柔らかい人が、「堅くならずゆるやかに、楽しみながら何か役に立つことをやりたい」と知り合いの職員さんに声をかけて始まった取り組み。
点数毎に箱が作られ、被災地に贈るもの、市内学校園に持っていくもの、だいたい均等に分けられます。
仕分けしてみると気がつくのが、集めていた人の人間味。同じメーカーの同じ製品のものが多い箱や、なぜかベルマークじゃないキャラクターが入れられている箱など、ベルの会一同から笑いがこぼれることも。
この日は20時になったので、なんとなく終了。この日仕分けたれたのは、枚数にして約9,700枚。点数(金額)にして約24,000点(円)のベルマークです。
「これであのチョークの粉を落とすやつ、買えるのかな」
などと、「ベルの会」メンバーは満足気。しかし、なぜ今ベルマークなんでしょう。
「ベルマークを集めることは最も単純で簡単なボランティア活動です。ベルマーク事業をきっかけに、地域活動やボランティアに関心を持つ市民が増えることを期待しているのです」
と話すのは、「ベルの会」発起人の一人である中尾さん。普段は市役所協働のまちづくり部の部長さんです。
3月の事業開始以来、徐々に浸透してきた「市がベルマーク集めを呼びかける事業」。企業側も「どの商品がどの地域で売れているのか」などを把握するために利用しており、マーケティングとしてもバカにできない要素です。東大阪でやたらとベルマークが集まれば、モデル地区になれちゃうかも。
ちなみに、東大阪市の学校園では全てあわせて1年間で150万点(150万円)を超えるベルマークが集められ、教材や用具が購入されています。
まだまだ道半ばな取り組みですが、中には個人で市役所に郵送してくれた方もいるのだとか。郵便切手を自分で貼られてです。この思いを大切にしなければいけません。
達成感と心地よい疲労感をおぼえながら、終了した「ベルの会」。今後も定期的に開催し、孤高の作業を楽しむ予定です。週刊ひがしおおさかでも、開催日程を追いかけ発信してまいります。いつか、市の職員、市民関係なく参加できたらいいですね。
文・写真:前田寛文 @MaechanYK
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