近大通りに店舗を構え、近大生の胃袋を満たし続けた洋食店「キッチンカロリー」。
1967年9月1日の開店から丸53年となる、8月31日(月)をもって閉店します。

変わり続ける近大前で、気づけば一番の古株店舗に。「コロナの影響じゃないけど、この時期に閉店したらそう思われるから言い出しづらかった」と正直なお二人。

「仕事をやりとげられて、幸せやね」とやりきった表情で話す店主の椎林要治さんは、現在80歳。
体力と調理器具に限界を感じ、今年の正月から引退を考えていました。
「本当はひっそりとやめようと思ってたんやけど、6月に近大の広報さんにポロッと話したら…ツイッターっていうの？情報があっという間に広がっちゃったんよねえ」と、奥さんの晴子さん。2人で歩んだ53年は、最後まで近畿大学とともにありました。

カレー風味の野菜炒め「ガチャ鉄板焼き」など名物を最後にもう一度味わおうとOBが連日訪れる。

開店当時は駅周辺と大学のすぐそばに店舗が数軒あるだけで、学生街ではなかったという近大通り。
「うちなんか、最初は高級店やと思われてたよ。ナイフとフォークを使って食べる店なんてなかったから」。要治さんは当時を懐かしみます。
キッチンカロリーの名にふさわしく、どのメニューもボリュームたっぷりなのはお腹いっぱい食べてほしいからという思いから。
「ぼくが5歳のときに戦争が終わって、明日どうなるかわからない時代やった。お腹を空かせてたことを今でも覚えている。それが店の基本になっています」。
昭和から令和まで駆け抜けた、1つの時代が終わりを告げます。

閉店情報が拡散されると全国からOBが駆けつけ、問い合わせも急増しました。
北海道からの電話に、海外からの手紙。
7月下旬から店内に設置したノートには、閉店を惜しむ寄せ書きも。

人気メニューの「ドラカツ」ことドライカツカレー。お腹がはちきれそうなほど大盛りだ。

8月31日の最終日まで、営業時間は普段通り11:00〜15:00。ただし食材が切れるか、要治さんの体力が切れ次第終了です。
定休日は水・日・祝。最後に訪れようと考えている人はお間違いなきよう。予約は受け付けていませんのであしからず。

※注意！臨時休業日があります↓
キッチンカロリーは、最後まで走り抜けるために8月21日(金)＆28日(金)を臨時休業にします。

こんなにも愛されたキッチンカロリーの遺産を、何か残さねば。
勝手に使命感に駆られた週刊ひがしおおさかは、読者のみなさんからキッチンカロリーの思い出を募集します。
このメニューが好きだった、こんなエピソードがあった、などあなたのお店での思い出を教えてください。
Twitter/LINE/記事へのコメント/メールのいずれかでお送りください。8月23日(日)まで募集します。

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後日記事にして、キッチンカロリーさんへお渡しします。
遠方でお店に行けない方、外出自粛中の方、お別れを言いに行ったけれどもう一度お礼したい方。週ひがにキッチンカロリーの足跡を残しましょう。レガシーをつくり、明日の近大通りを見据えましょう。

ちなみに要治さんの思い出は、
「バイトの子や近大OBさんがそれぞれの場所で頑張ってる姿を見せてくれたこと」。
晴子さんは
「食中毒や事故が一度も起きなかったこと。これが店の一番の自慢やね」。

思い出を振り返り、後世へつなぐ東大阪のレガシー。キッチンカロリーの思い出を、語り尽くそう！

掲載された近大大学案内を読み返す2人。

■キッチンカロリー
住所：〒577-0818 大阪府東大阪市小若江3丁目7-5
営業時間：11:00〜15:00（食材or体力が切れ次第終了)
定休日：水・日・祝日
TEL：06-6723-0036

2017.08.29

時代を作り、ともに歩んで50年。キッチンカロリーの「ガチャ鉄板焼き」をみんなで語り継ごう

昔、と言っても私が大学生の頃ですから1990年代の前半。ほんの20年ほど前の話です。 バイト先の先輩に「おいしいものを食べに行こう」と、連れられたのが、近畿大学西門前。当時から木造の味のある店構えだった洋食店「キッチン...