【主観的見どころ解説】花園近鉄ライナーズvsレッドハリケーンズ大阪 勝負は後半20分から!注目はNo.8ミッチェル・ブラウンとキックの精度

   

リーグ戦もあと4試合。2位グリーンロケッツとの勝点差は4で、入替戦進出に向けてヒリヒリした戦いが続く。
今週末は1月に大敗を喫しているレッドハリケーンズと対戦だが、両チームこの3ヶ月で大きくチーム状況が変わった。勢いを失い4位に後退したレッドハリケーンズと対峙し、3位のライナーズはどこまで駆け上がれるのか。

前節のハイライトは、スクラムトライ。

 

花園近鉄ライナーズとは
日本最高峰のラグビーリーグ「ジャパンラグビーリーグワン」に所属するライナーズは、前シーズンでぶっちぎりの最下位。入替戦にも負け、ディビジョン1(1部)からディビジョン2(2部)に降格した。
1929年創部、日本有数の歴史ある古豪として今の立場に甘んじるわけにはいかない。今シーズンで絶対絶対絶対ディビジョン1に復活を遂げるんだ!

週刊ひがしおおさかがライナーズ特設サイトを作ったよ!

レッドハリケーンズ戦の意味合い

リーグ戦、序盤から中盤は不安定な戦いが目立ったライナーズだが、ここ3試合はしっかり勝利。特に9節シーウェイブス戦と10節レッドドルフィンズ戦は硬いディフェンスで1トライずつしか与えなかった。
不用意なペナルティも減って、自陣でのプレーも減少。気持ちの良いアタックを続けている。

今季レッドハリケーンズとは3節・1月11日に対戦し17−36で敗北しているが、ライナーズの戦力は上り調子。故障者も帰ってきて、より選抜されたメンバーで戦えている。
欲を言えば勝点5(3トライ差以上)を獲得し、2位グリーンロケッツにプレッシャーをかけたいがレッドハリケーンズのディフェンスも堅固。最高のパフォーマンスをと欲張るのではなく、残り4試合を全勝することだけが重要だ。
まずは勝利を。それ以上のことは試合の後に考えたい。

トライランキング2位の木村まで回れば、勝機は高くなる。

ライナーズメンバー

1 岡本 慎太郎
2 松田 一真
3 ラタ・タンギマナ
4 サム・ジェフリーズ
5 サナイラ・ワクァ
6 パトリック・タファ
7 菅原 貴人
8 ミッチェル・ブラウン
9 ウィル・ゲニア
10 クウェイド・クーパー
11 セミシ・マシレワ
12 岡村 晃司
13 トム・ヘンドリクソン
14 木村 朋也
15 雲山 弘貴
16 上山 黎哉
17 井上 優士
18 三竹 康太
19 梅村 柊羽
20 宮下 大輝
21 人羅 奎太郎
22 丸山 凜太朗
23 片岡 涼亮

シーズン終盤に来て、No.8にミッチェル・ブラウンを入れる大胆な布陣。ここまでアキラ・イオアネが大車輪の活躍で、不安要素となる。それ以外のスターティングメンバーは前節と同じ。僅かなゆらぎをチームとしてステップアップの糧にできるか。
後半登場するリザーブメンバーでは、19梅村と20宮下のパフォーマンスに注目。接戦が予想され、最後のひとかきを担う重要なピースになる。

キーマンインタビュー

向井 昭吾 ヘッドコーチ

「バックローのメンバーが豊富でうれしい悲鳴」と話す向井HC。

Q.リザーブが全員日本人選手です。

練習試合でも戦えているメンバーで、遜色はない。日本人を増やしていかなければいけない時は来るはずで、それを見据えて日本人選手のレベルを上げる必要もある。特にクーパーやゲニアがいるときにそういう経験を積めば。それも含めてのメンバー。

Q.負けられない戦いの中で

1戦1勝。確実に5点を取って勝つのが最大ターゲット。きれいじゃなくてもいいから勝つ。

Q.課題のディフェンスも安定してきた

人がやるのでなかなか思い通りに行かないが、だんだん思ったようにみんながプレーし始めたかという気持ち。

Q.前回のレッドハリケーンズ戦の負け方は、少し深刻に見えたが

おそらく相手はあの時が一番いい状態だった。うちは発展途上だったのかな、と思う。

Q.現状の課題や反省点

攻められるとまだまだディフェンスは弱い。前に出てボールを奪えるような激しいディフェンスができるようにならなければ。

Q.No.8がアキラではなくミッチェルだが

それは、、、しょうがない。いるメンバーでベストを組んで、この状態でゲームを作っていかなければ。

Q.ミッチェルに期待するところは

動き続けられるところ。ディフェンスはやっぱり動き続けなければ。ここ数試合の失点は後半に体力がぐっと落ち、そこで攻められてから。今年のターゲットである「ミスをしない」「ペナルティをしない」「リアクションを早く」を3つともできる選手を選んだということ。

Q.野中の欠場が続いているが

かなり上がってきたが、宮下、菅原もいる。3人は同じくらいのレベルで昨年できなかったチョイスができている。

7 菅原 貴人

練習でも勢いを感じた菅原。

Q.復帰以後、大活躍です。

試合を重ねるごとにゲーム感が戻ってきています。試合の中の判断であったり、アタックに入る部分がいい感じに見えてるのかなと思います。

Q.ここ数試合、試合の入りで失点しなくなった要因は

僕はいつもどおりにやるだけ。近鉄は入りで受けてしまうイメージがあるが、まず自分がしっかりはじめからパフォーマンスを出す準備をすることを意識しています。
積極的なボールキャリーだったりタックルだったり、人任せにせず自分がやるんやっていう気持ちを持って。

Q.前回のレッドハリケーンズの印象

自分は出場していなかったけれど、フィジカルでバトルしてきた相手に、近鉄が受けてしまってフィジカル負けしたのが敗因だと思います。今回はフィジカル対決で勝っていきたいです。

Q.ミッチェル・ブラウン選手がNo.8だが

運動量が多く、なんでもできる。ずっと走ってくれる選手。アキラよりインパクトは薄れると思いますが、細かい部分はやってくれるはず。

Q.バックローはチーム内にライバルが多い

まずチームが求めることに自分をフィットさせること。あとは、前までやっていた6番に今はタファが。僕は7番なので、タックルや運動量が求められます。その中で自分の強みであるボールキャリーをもっと見せていきたいです。

Q.FW全体として残り試合も含めて共有していることは

セットプレーで相手にプレッシャーをかけ続けること。あと、前はブレイクダウンでやられていたので、アタックでもディフェンスでもブレイクダウンでは相手の嫌がることをしたいです。

 

8 ミッチェル・ブラウン

No.8は新しいチャレンジと話すミッチェル。

Q.No.8での出場だが

若い頃、NPC(ニュージーランドの国内リーグ)のときに経験がある。楽しみ。成長して、No.8をやりきりたい。コーチに信頼してもらっていると感じる。

Q.特に気にかけていること

LOでも6.7番でも同じで、ディフェンスは高いワークレートを。キャリーでもクリーナーでもフィジカルを出す。番号が違うだけで変わらない。

アタックでボールを持つことが多くなると思うし、エッジでのプレーやスペースに走り込むことは多くなると考えている。

Q.残り4戦、フォーカスしていることは

トップ2に入るチャンスは有る。1戦1戦、積み重ねてシーズンの結果になる。

Q.ここまで最もチームに貢献できていると感じていること

ライナーズは若い選手が多く、彼らにプロフェッショナルのスタンダードをもたらしたと感じている。

Q.レッドハリケーンズの印象と今回の対戦に向けて意識していること。

セットピースが強かった。まずラインアウトを注意してラックをドミネートする。

 

10 クウェイド・クーパー

アタックの要にして精神的支柱のクーパー。

Q.残り4戦必勝です
もちろん負けられないけど、勝ち負けだったり結果だけでなくチームとして成長してるのかどうか。

Q.大切な時期にだから考える、自身の役割は
変わらないです。自分のベストを尽す。生き方とか日々の過ごし方は、状況に左右されてはならない。

Q.チームが良くなっている具体的なところ
逆に成長してないところや良くなってないところってありますか?
観客席から見ていたとしても、全てが良くなっていると見えるはず。ただ、何かが大幅に変わったわけではなく、ディテールの変化。ちょっとずつ積み重なって結果(大きな変化)に繋がっている。

Q.前回のレッドハリケーンズ戦での敗戦について
相手には、やらせてはいけないラグビーをさせてしまった。「Div2だし今年はイージーなシーズンになる」と無意識にみんなが感じていたかもしれない。だから多くのチームにそのチャンスを与えてしまった。同じような試合はしない。

Q.4月5日誕生日、心境の変化は?
特にはないです。誕生日を大ごとにするタイプでもないし。でも今回、親友が日本に来てくれて、自分の弟にも会えた。ここ数年自分の誕生日はシーズン中で、普通に来て練習して終わりっていう感じだった。今回はみんなと笑いながら食事をして、本当に良かった。

15 雲山 弘貴

インタビュー中も気遣いが光った雲山。

Q.次戦のに向けて、仕上がりは
ここ2試合、キックが良くなかったので2週間で修正をしました。いい感じだと思います。
当たっても引っ掛けて、左に行ったりして。いつもの感覚で蹴ってもタッチキックが出なかったりとか。いつもの自分と違うという感じだでした。

Q.8月からライナーズの一員になって、今は欠かせない存在に
ライナーズがやろうとしているラグビーの中で、アタックでのエリアマネジメントが必要だと言ってくれています。
自分の得意なことをフォーカスする要素として入れてくれているので、今とてもやりやすいです。

Q.試合をこなすにつれてチームのスタイルも少し変わってきたが
何に対してもオールアタックとは言っていて。エリアを取るにもオールアタック。ただ自陣から攻めても今はなかなかトライが取れないので、相手に合わせてちょっとずつ変化させていくのはいいことだと思います。

Q.前回レッドハリケーンズ戦を振り返ってみて
前回はアタックをしすぎていました。キックも相手の半分ぐらい。エリアもなかなか取れなくて、劣勢の時間が続いて。ライナーズは敵陣入ればFWが強いので、僕のキックでFWを助けたいです。

Q.No.8にミッチェル選手ですね。
誰が出てもみんな同じ絵を見れています。誰が抜けたっていうのは多分関係ないと思います。

 

レッドハリケーンズ戦の見どころ

ここ数試合、ハーフ団の連携とFWの縦突破が機能するライナーズは、規律あるディフェンスが機能すれば主導権を奪える。レッドハリケーンズのテンポの良いパス回しとスピードある展開ラグビーをいかに抑えることができるかが鍵になる。
競った展開が予想されるため、スクラムやラインアウトの精度とエリアをとるキックの精度にも注目したい。
反則の少なさが勝敗を左右する。

キャプテンらしくなってきたタファ。

キープレーヤーは、もちろん前述の8ブラウンだ。ワークレートの高い選手で案外適役かもしれないが、慣れない役割での規律にも注目したい。機能すれば試合序盤での勢いにつながる。
また、10クーパー、15雲山、22丸山が同時にグラウンドに立ったときのアタックのレンジも楽しみだ。

「やっぱりマシレワ」というプレーが随所に。

試合を決めるのは、おそらく後半20分以降だ。試合の最終盤に、スクラムで圧倒する未来が見える。

ライナーズのメンバーを考察する動画

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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