昨年の8月に、突然弊社に某上場企業さんから「会いたい」という電話がかかってきました。
東大阪をテーマにした企画を手伝って欲しいというもので、聞けば面白そうではあるものの実入りは少なそう。忙しくなる時期ですし、あまり乗り気でなかった私。その時、担当者様に言われた一言が今も忘れられません。
「布施とか、石切、小阪という街はあります。でも東大阪なんて街はありませんよね」
そう。週刊ひがしおおさかはまさにそれをコンセプトとしています。
御存知の通り、東大阪市は1963年2月1日に3つの市が合併して誕生しました。布施市、河内市、枚岡市が1つになって、大阪府下では人口で大阪市、堺市に次ぐ3番めの市が誕生しました。
日本のほとんどが農村だった時代、多くの人は自分にとってもっとも身近な「街」が存在していました。以前取材した新庄に住む男性(70代)も
「子供の頃、買い物に行くのは鴻池新田か若江岩田。店が増えてくると、うれしくてね」
と話してくれました。
日本中の自治体は、明治維新以降何度も合併を繰り返してきました。なので核となる街は必ず複数存在するのですが、東大阪の場合大阪市からの距離が近いこともあってか街を多く内包しています。
加えて、自治体としての東大阪市誕生の経緯も
「大阪市が東に拡大して生駒山に到達連れば、大阪府は南北に分断される」
と危機感を抱いた大阪府が、財政的に苦しかった河内市と枚岡市の救済を名目に行われたという人もいます。事実ならまさに府市合わせ。そういえば「東大阪市」という市名も住民の利便性の向上や歴史的観点というよりも、なにか行政的な都合が優先されていそうな気もします。
東大阪市誕生がどういったものであったかは別として、東大阪市は他の自治体にはない発展をしました。
はっきりと中心となる駅や街は存在せず、駅ごとに商店街が栄え、それぞれが街として成り立ち「布施っ子」や「小阪っ子」が自分たちの街に誇りを持っています。
こんなにごった煮になった「東大阪市」を一つのものとして扱うのは、それこそ行政都合ではないでしょうか。
布施には布施の、瓢箪山には瓢箪山の文化があり、それが破壊されずに継承されているからこそ、東大阪の「なんでもあり」という最大の特徴が活かされる。それぞれの街の楽しいこと、みんなが発見できていない魅力を発見すること。これが何よりも面白いと感じて、週刊ひがしおおさかのスタッフ一同取り組んでいるのです。
そんな秘めたるメッセージを、サイトから感じて仕事を依頼してくれた。
加えて「東大阪って範囲でやってるのは、セルフブランディングと便宜的なことでしょ」とも突っ込まれたら、もう断れない。
さて、そんな週刊ひがしおおさかが街の魅力をギュッと詰め込んだイベント「東大阪 春の スイーツスクラム」を5月29日(日)にフレスポ長田にて開催します。
詳細は、追って記事にしますが前回より賑やかなお祭りにしますので、みなさま予定を空けて。グーグルカレンダーに登録お願いします。
ということで、宣伝からはじまった今週も、しっかりPRしていきましょう。
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