記事内の坪井監督のコメントに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
「もう1本というところでミスが出た。ドドメを刺しきれなかった。」
試合後、豊田キャプテンが言うように今日の試合は勝つには勝ったが、といった試合でした。
最終スコアは26-19。ボーナスポイント(3トライ差以上の勝点+1)が取れず、さらに相手にボーナスポイント(7点差以内の負け)を与えたという結果以上に、勝利の美酒に浸りきれない結果です。
それもそのはず、ライナーズの歯車が狂いだした後半10分すぎから、負傷による交代が重光、田淵、松井と続き、他にも倒れて傷んでいる選手が続出したのです。
「チームの核を担う彼らは大丈夫なのか。まだシーズンは始まったばかりだぞ。」
と不安な気持ちを抑えて、今日の壮絶な戦いを振り返ります。
山口県維新百年記念公園陸上競技場。観光地である湯田温泉から徒歩10分に位置する、一級の競技場です。

堂々とした風格で登場する豊田大樹キャプテンとライナーズ。
ほぼ無風、コカ・コーラのキックオフでスタートした試合は、試合の入りは完全にライナーズペースでした。
前半3分、ボールをテンポよく動かすと、右のディフェンスが薄くなったところへ、4トンプソンがねじ込んでトライ。Gも決まって7-0。まさに「MOVE FIRST」がビシっと決まります。

さすがトンプソン。トライへの道をこじ開けた!
前半6分には、見事な連携が決まります。センタースクラムを押すと、8クックから9金で右へ。つないで15テイラーが持つといつものビッグゲインです。最後はさらに外の14田中がフォローし、トライ。流れるようなボール運び。完全にコーラのディフェンスを置き去りにする、力の差を見せつけるトライで12-0と突き放します。

いいフォローを見せた14田中。持って走れば止まらない。
まだまだ、MOVE FIRSTは続きます。1トライ返されたあとの26分、乱れたボールをキックと小さいパスでつなぎ、なんとかゲイン。ラストパスを8クックがギリギリでキャッチすると、そのまま抜けてトライをゴールポスト下に奪います。

ハンドリングスキルも超一流であることをしめした、8クック。
全く危なげない。今日は山口でいいお酒が飲めそうだ。ハーフタイムに食べログを検索してしまいそうな展開に、神様が天罰を下されたかと思うように、後半状況が一変します。
入りは前半同様完璧でした。テイラーの個人技でトライを奪ってのは後半2分。遠く大阪から駆けつけたファンも
「ボーナスポイント獲得がノルマ」
と口にする楽勝ムードでした。しかし。

ヒョイっと、ディフェンスをかわしてトライを奪う15テイラー。
しかし、このトライを境に状況は一変します。コカコーラのディフェンスが前に出始めると、ライナーズのアタックはミスが多発し始めます。
そして、プレッシャーに押されるように8分、14分とトライを奪われ、26-19。なんと、1トライ1ゴール差の7点に、差を縮められます。

コーラのテンポとエリアマネジメントに後手に回ってしまった後半。
悪い流れは止まりません。23分に10重光が頭を打って交代。同時に宮田も抜け、東郷と松井が入ります。26分には、7田淵が、グラウンドで起き上がれず。タックルに行った際に脚をやったかに見える倒れ方です。担架で運ばれ、山口が代わりに入ります。そして29分には、途中出場の松井が負傷。松葉杖を必要とする状態で、なんとSHのリザーブだった21森をWTBで使用しなければならないほど。
その他、後半だけで8人の選手交代が行われます。
なんとか、7点差を守り切った。試合終了の笛がなった時に、ほとんどのライナーズファンがそう思ったはずです。

担架で運ばれた7田淵。頼むぞ、将来のキャプテン候補!
前節、サントリーを相手に押し勝ったスクラムは、今日も健在でした。ペナルティを狙って奪えはしませんでしたが、違いをみせつけることができました。ラインアウトは修正が必要。奪われるシーンもありました。
ボールの争奪は、もう少し勝って欲しかったのが本音です。が、問題ないレベル。そして、ボールが動き出せば、手がつけられません。トップリーグ中でも屈指の、強くてうまいアタックです。
今回の週ひがMVPは、先制のトライを奪い80分通じて献身的なプレーを見せたトンプソンルーク選手です。

髭をそってイケメンっぷりが際立つ4トンプソン。
「来週は、日本代表の仲間がたくさんいるパナソニック。ぜひ勝ちたいね。といつもの笑顔で応えてくれました。
そう、次節はパナソニック。取れるときにしっかり取る、潰すせるときに、潰してしまう。そうしなければ勝利はないでしょう。

「ライナーズファンには、美味しいお酒を飲んでもらえる結果出せたと思う」とさすがの豊田キャプテン。
相手に隙を与えずに、80分間MOVE FIRSTを繰り返す。4連覇を目指すチャンピオンチームに勝つにはそれしか手はありません。
負傷者が多数出たことについても豊田キャプテンは、まだ状況はわからないとしながらも
「大丈夫ですよ。今日大阪に残っているメンバーに、活きの良いのがたくさんいますから。もし出られない選手がいても、彼らがそれ以上の力を見せてくれるはずです。」
と話してくれました。
そうです、どんなスポーツでも新しいスターは、誰かのケガをきっかけに現れることが多いのです。
さあ、行くぞライナーズ。チーム一丸で「打倒トップ4」を達成するために!
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- トンプソンがトライへの道をこじ開けた!
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