突然ですが、ラクロス。
あの、ネットがついた棒(クロスといいます)でゴールを目指すアレです。
ラクロスって、どんなイメージでしょう。
・新垣結衣さんが映画でラクロスをしていた
・「猫の恩返し」の主人公はラクロス少女
・プリキュアでラクロスやってた
などメディアでもしばしば題材にされますね。
・・・ちょっと変だと思いませんか?上で出てきたのは、全部女子。電車の中でクロスを持っているのも女の子ばかり。日本のラクロスは女子のスポーツとして一般化しています。

フリー素材の「イラストや」にも女子ラクロスしかない。
でも、ちゃんと男子にもラクロスはあります。北米にはプロリーグだってある。女子とは少しルールが違って、しかもなかなか人気らしい。
と、ここまで調べたら、男子ラクロスのことがとても気になってきました。
今回は近畿大学男子ラクロス部さんを取材。男子ラクロスについて勉強してきました。

近畿大学南グラウンド。きれいな人工芝で練習が行われています。
使用するのはこのボール。硬いゴム製で、当たるとたぶん痛い。

ボールを持つ爽やかマンは竹中蒔夢副キャプテン。
ボールをあつかうのがこのクロス。電車の中で見かけるアレです。

アタックリーダーの竹下諒選手。肋骨を骨折中。
クロスには
・短くて素早く動けるショートクロス
・長くてディフェンスに適したロングクロス
・ゴーリー(ゴールキーパー)専用のゴーリークロス
があり、ポジションや役割によって使い分けます。

ショートクロス。攻撃に適しています。

ロングクロス。相手のクロスや敵の上半身を叩いてディフェンスします。

ゴーリークロス。ちょっとネットが大きい。
単純に言えば、ボールをクロスで奪いあい、ゴールを決めれば点になる。というスポーツです。
男子ラクロスの最大の魅力は、そのボール争奪戦。ボールを持つ相手と、ボールの周りにいるプレイヤーには、クロスで攻撃してもいいし、体を当ててもいい。

こんなコンタクトは練習から普通に行われます。
練習でも、ガチ!やボコ!など激しい音がグラウンド中に響き、圧倒されてしまいます。
なので、プレイヤーはヘルメットや肘当てなどで完全防備。

練習でも絶対にヘルメットや肘当てなど完全防備。
「新入生を勧誘すると『ラクロスできないんで』と断られることが多いんですが、それは誰でもなんです。だって関西には男子ラクロス部のある高校がないんですから(笑)」
と話してくれたのは竹中副キャプテン。高校まではラグビーをプレーし大学入学後、全員が初心者から始める男子ラクロスを選びました。

練習中のプレーを後輩と確認する竹中副キャプテン。
部員は約60人。コーチはおらず、なんでも学生だけで運営します。普段の練習も「授業と被らないように」と午前7時30分から。試験中は基本的に練習はありません。留年する選手もほぼゼロだそうです。
全員揃ったアップから、ロングパスや1対1練習へとテンポよく移行するさまは、強豪チームのそれ。さらに全員自分から積極的に「今の練習は何のためにしているのか」を明確にして進んでいきます。やらされている練習はありません。基本的な練習も、上級生と下級生が一緒になって確認し、ディスカッションします。

難しそうに見えるクロスの技術もみんな横一線から。
しかし、ほとんど聞かない男子ラクロス。なぜ選手たちはこのスポーツを選んだのでしょう。
「いい意味でも悪い意味でもみんな積み上げが少ない。先輩をすぐ追い越せるのが1番の魅力かもしれませんね(笑)」
と笑うのは竹中副キャプテン。そして、誰に聞いても真っ先に「全員初めてするスポーツだと聞いたので」と返ってきます。
あえてこの競技を選んだ選手たちは、常に未経験のことにチャレンジし続けています。
みんなの積み重ねが小さいからこそ、やればやるだけ上達する。やらなければすぐに抜かれる。
和やかな中にある緊張感。他にはない環境が男子ラクロスにはありました。

いろいろ知ってきたら、みんなナイスガイに見えてきた。
むむむ。取材前に「ラクロスをする男って、ちょっとチャラいかも」などと思っていた記者がバカでした。
偶然この取材の次の日は練習試合とのこと。次回、試合編でラクロスの魅力をさらにお届けします。
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