2017年年2月26日、「第29回全国かるた競技東大阪大会」が市民ふれあいホール、東体育館の2会場で行われました。
昨年は東体育館が工事のため枚岡中学での開催でしたが、今年は新装された東体育館に熱戦が戻ってきたのです。

さあ、今年も始まるぞ〜。

本大会は一般社団法人全日本かるた協会公認の大会で、愛好者にとって昇段のかかった重要なものです。
一年間で50回あまりの同協会公認大会が行われますが、大阪府下では大阪市と東大阪市で行われる2回のみで、地元愛好者にとっては一つの大きな目標となっています。

当日は近畿一円のみならず、全国各地からA級（四段以上）86名をはじめとして総勢670余名がエントリー、E級の小学生84名も加えて「畳の上の格闘技」とも言われる熱い戦が繰り広げられました。

エントリーする競技者の数は、昨年映画「ちはやふる」の影響もあって大幅に伸びましたが、今年は昨年をさらに上回り、競技人口の増加が実感される結果となりました。
また、今年は1月7日近江神宮にて行われた第63期名人位決定戦にて2連覇で名人となった川崎文義八段も参加。華やかな大会となりました。

東体育館の様子。見よ！この競技者の数。

午前９時30分、会場の一つふれあいホールでは、A・B級の参加競技者全員が整列、開会式がおこなわれました。
「東大阪かるた会」垣内会長及び来賓のあいさつがあり、昨年の優勝者から優勝旗の返還、続いて選手宣誓も行われ競技がスタートしました。

こちらはふれあいホール。A級・B級の見ごたえある戦い。

かるた競技は、礼節が非常に重んじられ、礼に始まり礼に終わるだけでなく、途中で自らの席を離れる際にも礼をする姿は、まさに「かるた道」とも言われる由縁が強く感じられました。「子供たちの人間教育にも資する」という関係者の言もおおいにうなずけるものです。

競技方法は、相対する二人で百人一首の100枚のうち25枚をそれぞれが持ち札とし、早く持ち札がなくなった方が勝利。
持ち札は、縦3列、横18列の中で自由に並べ、左右の両端が競技線となります。

相手の持ち札を取った場合は、自らの持ち札から１枚相手に渡すことで、手持ち分を減らしていきます。(相手に渡す札を「送り札」と言います。)
相手にお手つきなどがあった場合も、同様に札を渡します。
一試合１時間程度で戦われ、この大会で優勝にいたるには７度の対戦で勝利せねばならない…という大変過酷なものです。

バチーン！と札を取る音が、会場にこだまする。

句を記憶にとどめ、自らの持ち札を戦略に基づいて配置。相手札の配置も記憶にとどめ、上の句の３文字くらいが読まれる瞬間に札を取る動作を相手より早く的確に行う…。まさにスポーツそのもののような競技です。
そして、一日に７度の対戦をこなす体力も求められます。
今年もその熱戦を制したA～E各級の優勝者たちは、マラソンを走りきったような充実した面持ちで、賞状を手にしていました。

フォトギャラリー