3月23日(金)、第69回近畿高校ラグビー大会の決勝戦が東大阪市花園中央公園多目的球技広場(通称第3グラウンド)で行われました。毎年近畿の都道府県が持ち回りで開催するこの大会。今年は大阪。週刊ひがしおおさかでは、全ステージを追いかけて、3月末から行われる全国選抜高校ラグビー大会と、その先にあるお正月の全国高校ラグビー大会の基礎情報をお届けします。
決勝戦と同時に全国大会への出場権をかける「5位決定戦」も同時に行われました。

決勝

予想外の大差　大阪桐蔭が報徳学園相手に49点差勝利！

報徳学園7-56大阪桐蔭
（前半0-29）

第69回近畿高校ラグビー大会決勝は、BKの勢いが光る報徳学園と準決勝で毎評判のよかった御所実業相手に力の差を見せ勝利した大阪桐蔭。
拮抗した試合が予想されたが、試合開始すぐにスコアが動き出す。
前半2分、早々にトライを奪ったのは大阪桐蔭。中盤で攻め続け、華麗なオフロードパスを決めると外に1人余る数的優位を作る。そのまま15がインゴールへ走る。コンバージョンははずして0-5。いきなりラグビー偏差値の高いラグビーを見せつけた大阪桐蔭が、このあとも一気に攻め続ける。
7分にも攻め込み、22m内で相手ディフェンスを力でこじ開けると、10が一気になだれ込み、手を伸ばしてグランディング。0-10とする。
さらに12分、密集でジャッカルに成功した大阪桐蔭はボールを回してから縦にアタック。報徳のディフェンスを突き破りトライをもぎ取る。コンバージョンも決まり0-17とすると、スタンドからはため息が聞こえる。

なんとか反撃したい報徳学園だが、接点で負けてしまい自分たちのペースでラグビーができない。
その後も大阪桐蔭にインターセプトを含む2トライを献上し、前半が終わって0-29と予想外の大差がつく。

後半に入っても大阪桐蔭の優勢は変わらず。開始すぐにトライを奪って、トライラッシュ。
報徳学園は7分にスクラムから横の展開で15の走力を活かしたトライを奪ったが、60分を通してチャンスを作ることもままならなず。
大阪桐蔭が7-56で圧倒した。

大阪桐蔭は御所実業、報徳学園と今シーズン目立っていた注目校を続けて粉砕した形。
縦へのアタックは理屈抜きの強さがあり、全国でも大きな武器になることは間違いない。
タレント豊富なBK陣がうまく行かせなかった報徳だが、課題は明確。3月30日から始まる選抜大会やその先に向けてウィークポイントは徐々に改善されるだろう。

大阪桐蔭は全国選抜高校ラグビー大会で、3月31日に東京高校と対戦。予選同グループに日本航空石川が入る。
報徳学園は佐賀工業と同グループ。初戦は3月31日新潟工業との一戦となる。

第5代表決定戦

地力で勝る仰星が常翔を振り切る

常翔学園29-35東海大仰星
(前半7-21)

第5代表決勝、先制トライを決めたのは東海大仰星だった。序盤からキックでエリアを取り相手陣ゴール前へ迫ると前半10分、モールで押し込み1がトライをあげる。
一方、常翔学園は長いパスを左右に回して前へ進み、相手の反則を誘う。しかし、ゴール前へじわじわと攻めるもトライは取り切れない。ゴール直前でボールを奪われ、キックで押し戻される。そこから流れが東海大仰星に傾くと、23分はFWで押し込んでトライ、26分にはBKでパスをつないでトライと多彩なアタックで差を広げる。
前半終了間際、常翔学園は悪い流れを断ち切るかのように14がインターセプトトライを決める。7-21で前半を終える。
後半に突入すると、常翔学園は立ち上がりからボールを保持して前へ。突破力と走力が光る7が攻撃の起点になり、確実にボールをつなげる。
4分、相手陣22m内にいた7がディフェンスの間を割いて中央にトライ。Gも決まり14-21に。
その後も常翔はアタックするが、徐々にチームに疲労が見え、攻めながらも後ろへ下がってしまう。東海大仰星は素早いパスで常翔学園を翻弄し、ディフェンスにでも隙きがあればボールを奪い返す
東海大リードの19-35で迎えたラスト5分、「最後まで諦めるな！絶対取れる！」と常翔学園から声があがると、粘り強く攻めトライをもぎ取る。23-35と点差を縮め、さらに攻める常翔学園。焦った東海大仰星は反則を繰り返し、29分にはもう1トライを許してしまう。29-35。
あと1トライ1Gで逆転だったが、東海大仰星が蹴り出し試合終了。FW、BKともにアタックに長け、地力で勝る仰星がこの戦いを制した。

第5代表となった東海大仰星は、秋田工業、昌平、そして東福岡と予選同グループとなる。全国選抜高校ラグビー大会で、3月31日に秋田工業と対戦する。