近鉄ライナーズの選手に今シーズンの総括をしてもらう「ノーサイド反省会」。
最終回はSH(スクラムハーフ)のライアン・ローレンス選手です。

ー今シーズン、お疲れ様でした。

ライアン　ありがとうございます。

ーオフに入って、精神的にリラックスできる時期ですね。どこかお出かけになる予定は？

ライアン　今妻が南アフリカに帰郷していて、ぼくも一時的に帰国しようと考えています。母国でフィッシングキャンプに行く予定も立てているので。

ー釣りがお好きでしたね。一気に親近感が湧く趣味！

ライアン　子供もいるから、妻に気を使いながらですが(笑)。今は家にぼく一人なので、ネットフリックスを見たりして過ごしていますが、やっぱり家族がいないと寂しいです。それに、オフはリラックスできる一方で考えることが増えますね。

ー考えることですか。

ライアン　今シーズンでうまくいったこと、うまくいかなかったことをプレイバックし、壁をどう超えるのかをとにかく考えています。もちろんトレーニングもシーズン以上にしますが、この期間はいつも再構築の時間です。

海釣りも川釣りも好き。釣った魚は基本的にはリリースするけど、食べることもあるそう。

ー自分を振り返る期間に当てているんですね。

ライアン　次のシーズンがはじまるときに、チームにフィットする状態で戻ってくることが大事なので。

ーなるほど。来季に向け整える準備期間ですね。今シーズンを振り返ってみて、やり残したことってありますか？プレーでも、それ以外でも。

ライアン　先にオフザフィールドの話をすると、日本語をもっと学ぶ必要があったなと感じました。チームメイトとのコミュニケーションを、言語でさらに深めたいです。話したいけど話せない、ということがあったので。

ーニュアンスが伝わらないと、イメージできないこともありますしね。

ライアン　なので、来季はもっと日本語の勉強に時間を割きたいです。日本でもっとプレーしたいしね。

ーおお、うれしい言葉！

ライアン　あとやり残したことは…猿と一緒に温泉に入りたかったなぁ(笑)

ーえっ(笑)そんなことができる観光地があるんですか？

ライアン　調べたらあるみたいなので、ぜひ行ってみたいです。

ー来季の課題ってことで(笑)。プレー面ではどうでしょう。今シーズンうまくいったこと、うまくいかなかったこと。

ライアン　うまくいったのは…勝ち続けて高いレベルになっていき、チームが理想とするプレーに近づいていったことです。FWからBKへのリンケージは進化したと言えます。

ーリンケージ…「連係」や「連続的なつながり」ですね。

ライアン　最初チームに合流したときは、なかなかうまくいっていませんでした。でも、練習を通して次第にテンポが良いパスを出せるようになり、リンケージがうまくいくようになりました。

オフ中でもトレーニングは抜かりなし。トレーナーの上からでもわかる筋肉。

ーたしかにテンポの良い連携パスが、夏頃から見え始めました。夏の段階ではまだ「アタックでなにかやりたいことがあるんだろうな」くらいの完成度でしたが、シーズンに入ると完成形にかなり近づいていた記憶があります。

ライアン　そうした自信や勢いがついたことで、花園のNTTドコモ戦にも勝てたんだと思います。

ー花園の第1グラウンドで、ギリギリの状況に打ち勝った大阪ダービー。ご自身の目に、どう映りましたか？

ライアン　花園のことは「ラグビーの聖地」と聞いていたし、Youtubeで花園とライナーズの密接な関係を説明する動画を見ていたのですが、大阪ダービーがここまでビッグなイベントとは思っていませんでした。

ー当日の観客数は8000人超え。大歓声でしたね。

ライアン　大阪のチーム同士因縁の対決という図式もクールだし、ゲームを心待ちにしている人たちのエネルギーを感じました。ぼくも、今季一番燃えた試合です。個人的にパフォーマンスはあまり良くなかったですが。

ー花園へのスピリットを肌で体感してもらえてよかったです。ご自身が一番パフォーマンスを発揮できた試合を選ぶとしたら、どれでしょう？

ライアン　間違いなく、2stステージでの栗田工業戦です。

ー即答！たしかに栗田工業戦は、ご自身で2トライ上げられて絶好調でした。

ライアン　はい。今シーズンでベストの試合でした。チームのゲームプランが完璧だったし、波に乗れました。

ーすべてが噛み合ったゲームでしたね。

栗田工業戦で、トライに向かって走るライアン選手。

ライアン　逆にいえば、波に乗れず計画通りにいかなかったとき、パニック状態になってしまう癖があるのが問題です。

ーう〜む。ライナーズとしての問題ですね。今のライナーズに一番足りないものって、何だと思いますか？

ライアン　自分がリーダーになるという意識を、ぼく含め全員がもつことでしょうか。「役割をまっとうする」ことはできていました。でも、それだけじゃ足りないんだと。

ー役割以上のことをしなければならない、ということでしょうか。

ライアン　チームのプレー全部に、全員が責任をもつこと。

ー自分のプレーだけじゃなく全体のプレーに責任をもつ、と。

ライアン　そのためには、もっとお互いのプレーについて厳しいことを言い合えるようにならなきゃいけません。

ー先ほど「日本語の勉強をしたい」と言っていたことにも繋がりますね。

ライアン　そうですね。お互いが「もっとこうした方が良いんじゃないか？」と、意見を言い合うことで、プレーがよくなると思います。勢いが出れば勝ち続けられるチームなので、もっとぶつけ合いたいです。

ー厳しい質問ばかりですみません。最後に質問させてください。ライアン選手にとって、闘志を燃やし続けるのに必要なことはは何だと思いますか？

ライアン　考え続けることだと思います。オフでもね。これからも闘志を燃やし続けるよ。

ーありがとうございました！

ライアン選手にお姫様抱っこされるときはこのポーズと決めているミホロボット。

ライナーズへの思いを、熱く語ってくれたライアン選手。最後は「今年はたくさんインタビューしてくれて、ありがとう」と爽やかにお礼を述べて去っていきました。
さあ、「ノーサイド反省会」は今回で終了。
来季も、もっともっとライナーズを盛り上げていきましょう。
GO！LINERS！

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