3月9日(土)、JRおおさか東線の完全開通(新大阪駅までつながる)を1週間後に控えたJR放出駅周辺で、「つなげ放出 夢に向かって走れ！」が開催されました。
開通当日ではなく、1週間前に開通記念イベントって何するの？ちょっと不思議だよね。ということで、週刊ひがしおおさかはオープニングに潜入してきました。

そもそも放出駅は住所的には鶴見区です。そう東大阪じゃない。でも駅の南東はすぐに東大阪市。森河内小学校そして高井田中学校校区です。最寄り駅が放出駅って読者もたくさんいる。いわば放出文化圏です。

難読地名としても知られる放出の由来は諸説あります。その中でも説得力があるのが、

“この地付近は湖水が旧淀川への放出口となっていたことから、水の「はなちで」がなまって「はなちてん」を経て「はなてん」になったといわれる。”(Wikipediaより)

というもの。東大阪市を含む東部大阪は歴史上湖だった時期が長く、水に関する地名が多いのです。週刊ひがしおおさかの事務所がある若江そして菱江、玉川、長瀬、渋川町なんかもその一つ。そう考えると、放出も完全に仲間。だいたいこんなキャラのたった地名、仲間のほうがいいんです。

さて、オープニングが9時30分ということで、9時に放出駅に到着。
一番乗りくらいの気分で行ったのですが

うわ、人、多い！

このイベントを主催するのは、おおさか東線開通を祝う放出実行委員会。編集長前田と放出の出会いは、高校受験の頃でした。大阪産業大学を受験した私は、放出駅から徒歩で学校に向かいます。1988年当時、放出は大阪のなかでも賑やかな商店街と活気ある街で知られていました。たくさんの放置自転車など問題はあったものの、うぶな前田はそのパワーに圧倒されました。

東大阪市の多くの駅前がさみしくなってるのと同じように、放出もいつのまにかおとなしくなります。
駅前再開発や、マンションの建設ですっかりきれいになった放出に、ちょっとよそ者の私は寂しくもありました。

オープニングで地元今津中学校吹奏楽部の皆さんが、銀河鉄道999を奏でます。

実行委員長や、JR放出駅の駅長さんがあいさつし、小・中学生が中心となりパレードが始まります。

おおさか東線の開通に合わせて、放出駅では特に記念行事などが行われないとわかったのは昨年末。それから急ピッチで準備をはじめ、地元自治会である「NPO法人榎本地域活動協議会」が中心となって企画されました。そこに駅、学校、商店街、区役所が協力し一つの実行委員会が作られたのです。自分たちの街が、新大阪とつながることの大きさをもっとも知るのは自分たちなのです。
日程は開通1週間前の3月9日に決定。現実的にJR関係者も地域の人々も、開通日の3月16日は他地区で行われるイベントなどで実施が不可能でした。

駅前でのオープニングイベントが終了すると、駅から徒歩2分の阿遅速雄（あちはやお）神社で「はぐくみ菜の花かーにばる」がスタート。

地元有志による、から揚げや焼きそばなどの模擬店が出店するほか、学童保育児童によるけん玉試技など地元の子供たちが主役となったステージも行われます。

この子供たちは大人になったときに、自分たちの街に起こった変化を我がこととして思い出すでしょう。
開通をきっかけに前夜祭として太鼓をたたいたことやパレードで商店街を歩いて自分たちが地域に関わったことが、自分の出来事として記憶に残るはず。

地域の歴史を紡ぐために。過去に生きた人と未来に行きていく人を結ぶために。
どこかの誰かがやってくれたインフラの整備を、我が事として感じることがこのイベントを通じて可能になったのです。

そんな、地域社会の思いがいっぱいあふれたこの日の催し。1895年に誕生した放出駅は、2019年3月16日新しい地域の未来を作る分岐点を迎えます。