2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグは天理大学の圧勝で幕!連覇達成とその蹄跡を振り返る

   

あんなに待ち遠しかった関西大学リーグ、もとい2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグが11月30日東大阪市花園ラグビー場での4試合で全日程を終え、天理大学が7戦全勝。2年連続14回目の優勝を果たしました。
黒ジャージが、さまざまなものを背負ったうえで、ちゃんと無茶苦茶強かった。そんなシーズンでした。

右から上之坊、ルカス、サウララ。

天理大学の今年の強さの要因

まず数字から見ると、天理大は7戦7勝、得点362・失点70。1試合平均で「約50点取って10点しか取られない」ペース。関西リーグの中で、攻撃・守備ともに文句なしのNo.1でした。 

提供:関西ラグビーフットボール協会

その強さのベースになっていたのが、セットプレーとディフェンスです。
特にスクラムとラインアウト。最終節の京都産業大戦では前半からFWで圧倒し21−8とリードし、後半もモールからトライを奪うなど「前で勝つ」ラグビーをやりきりました。 

その上で際立ったのはエリアマネジメントの巧さ。
昨季途中からSOにコンバートされた上ノ坊駿介主将は、長く正確なタッチキックと50:22、ハイパントで相手にプレッシャーをかけ続け、グラウンドを支配する力を誇示し続けます。

そして新旧のバランス。天理大は毎年、上級生と下級生のバランスが絶妙で、
試合の中枢を担う上級生(上ノ坊、SH朝倉達弥、HO稲嶺翔太ら)に、WTBフコフカ・ルカス(1年生)ら下級生の強いランナーが絡む体制。どこからでもトライが取れる構図を作り上げます。得点ランキングでも上ノ坊がでトップ、フコフカも4位に入るなど、数字にも表れています。

「FWで勝って、キックで押し込み、確実に取り切る」。
これを80分通して遂行できたことが、2025年の天理の強さでした。

連覇の重さ

今回の優勝で、天理は2年連続・14回目の関西制覇。
2020年までの5連覇時代を知っていると「天理が勝つのは当たり前」と考えがちですが、ここ数年の関西は京都産業大学の復活もあり、一時的の王座を明け渡します。ようやく2024年、4季ぶり13回目の優勝。そこからわずか1年で、今度は連覇モードに戻した意味はかなり大きいのです。

しかも、今年は7戦全勝。勝ち点も39点で、2位京産大に10点差をつけてフィニッシュしました。得失点差は+292。スコアボードを眺めるだけで「頭ひとつ抜けていた」シーズンだったことがわかります。

強い天理は見慣れているはずなのに、
「京産の巻き返し」「関学のブレイク」「リーグ全体の底上げ」
こんな状況の中で、もう一段ギアを上げてきた。今年の連覇は、数字以上に“重たい”タイトルになりました。

不祥事からの復活

その「重さ」をさらに確固たらしめるのは、シーズン前に起きた不祥事です。

6月11日、天理大ラグビー部の部員2名が大麻取締法違反の疑いで逮捕され、部は活動自粛に入りました。大学とラグビー部は対策本部を設置し、全選手への説明会・相談、尿検査やコンプライアンス研修を実施。7月末まで活動停止処分とし、指導陣にも処分が科されています。

「そもそもリーグ戦に出られるのか」
というところからのスタートだった今季。

小松節夫監督は優勝後、「シーズンを戦えるのか不安があった中で、リーグに参加させてもらえたこと自体がありがたかった。チャレンジャーの気持ちを持って戦い抜いた」と語っています。

キャプテンの上ノ坊も、「ラグビーができることへの感謝」を何度も口にしながら、黒ジャージを先頭で引っ張りました。

2025年は天理にとって「勝つこと=償いの入り口」という、いつもとはまったく違う意味を持ったシーズンになりました。

鍵になった試合

① 開幕節・関西大学戦(62−0)

9月14日、花園第1での開幕戦は、関大に62−0の完封勝ち。

スキャンダル明けに「黒ジャージは今年も強い」というメッセージをリーグ全体に叩きつけたゲームでした。

スクラムで押し込み、BKがトライを取りきる。天理らしいパターンが序盤からフルスロットル。
ここで“いつもの天理”を取り戻せたことが、その後の全勝街道につながります。

② 立命館大学戦(43−27)

第4節・立命館大学戦は、前半リードされながら後半でひっくり返した43−27。
春の王者・立命館に対して、簡単には行かない試合展開でも、後半にアジャストして勝ち切れたことはチームの「対応力」を証明しました。

「前半でうまくいかなくても、慌てない」
この経験があったからこそ、最終節で京産大に押し込まれる時間帯があっても最後までブレなかったことにつながっています。

③ 第5節・関西学院大学戦(41−0)

11月2日の宝が池での関西学院大学戦は、41−0の完封。今季好調だった関学のアタックをゼロに抑え込んだことで、
「今年の天理はディフェンスで勝てるチームだ」とハッキリした試合でした。


ここで勝ったことで、天理大は京産大とともに大学選手権出場を確定。最終節の“全勝対決”に向けて、天理が一歩リードした感をつくったゲームと言えます。

④ 優勝決定戦・京都産業大学戦(47−15)

そして、やはり一番のキーゲームは最終節。

11月30日・花園第1。6戦全勝同士、3年連続の「天理大vs京産大」の優勝決定戦は、47−15で天理大。7トライを奪っての快勝でした。

前半5分、連続攻撃からSH朝倉が抜け出して先制トライ。後半3分にはラインアウトからモールで押し込み、HO稲嶺がインゴールへ。
17分にはWTBフコフカ・ルカスが左サイドを駆け抜け、最後は上ノ坊自らもトライを決めて締めくくります。

京産大も接点で前に出てきましたが、スクラムとモールで主導権を握り続けたのは天理大。
「関西最強は、やっぱり天理」と言わせるに十分な内容のゲームでした。

大学選手権に向けて

天理大学は、2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグ優勝校として第62回全国大学ラグビーフットボール選手権にシードで出場。準々決勝から登場し、12月20日(土)のヤンマースタジアム長居で関東大学対抗戦Aグループ3位と対戦します。

2020年度以来の日本一に向けて、今年の天理大のキーワードをそのまま全国に持ち込めるかがポイントになりそうです。
• セットプレーでの優位を継続できるか
• 「まずディフェンス」で我慢しきれるか
• 上ノ坊のキックを軸に、エリアマネジメントで主導権を握れるか

関東勢、とくに早稲田大や帝京大、明治大のアタックには、1つのミスやペナルティが即失点につながります。関西リーグではごまかせた細かい反則や、試合終盤の集中力が、そのまま勝敗を分けるでしょう。

不祥事を経て多くのことを乗り越えなければならなかった天理大。その過程を「日本一」という結果で証明できるか。

2020年度以来2度目の日本一へ。

花園から、1月の国立へ。
黒ジャージの物語は、まだまだ続きます。

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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