新規参入は3チームの予定 日本ラグビーの未来を担う「リーグワン」への挑戦、仕組み、そして2人の戦友との交点

   

先日(10月3日)、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンは、ジャパンラグビーリーグワン2024-25シーズンからの新規参入受入れについて記者会見を行いました。
新規参入申請を行っていた5チームのうち4チームが条件を満たし、今季の成績によって3チームが2024年よりリーグのディビジョン3に参入する見込みです。

リーグワンとは

ジャパンラグビーリーグワンは、2022年1月に始まった日本ラグビーの頂点と言えるプロリーグ(選手はアマチュアもOK)。花園近鉄ライナーズは2022-23シーズンより最高峰のディビジョン1にて戦っています。

2022年5月、ライナーズは5年ぶりのトップカテゴリ復帰を決めた。

新規参入を目指す4チーム

現状3階層のリーグ構成であるリーグワン(Div1 12チーム、Div2 6チーム Div3 5チーム)は、2024-25シーズンより複数チームの新規参入を受け入れるとしていました。
新規参入を希望するチームのうち、審査基準をクリアして参入を目指すのは以下の4チームです。

・秋田ノーザンブレッツ RFC
・セコムラガッツ
・ヤクルトレビンズ
・LeRIRO 福岡
※セコムラガッツとヤクルトレビンズは、確保するスタジアムに施設基準を満たすかどうかを確認中とのこと(クリアする見込み)。

新規参入のための加点システム

審査では各チームの運営状況や過去の戦績から、それぞれに総合評点を与えています。

秋田ノーザンブレッツ RFC:2点
セコムラガッツ:4点
ヤクルトレビンズ:4点
LeRIRO 福岡:4点

今シーズン、上記4チームはそれぞれ三地域社会人リーグ(トップイースト、トップウエスト、トップキュウシュウ)での公式戦がすでにスタートしています。地域リーグの順位や、その後の三地域順位決定戦の成績によって、上記総合評価に加点されます。

地域リーグの戦績
1位・・・2点
2位・・・1点

順位決定戦
1位・・・4点
2位・・・2点
3位・・・1点

加点後の総評点が高い上位3チームが、リーグワンへの新規参入です。スタジアムの施設基準を満たすチームが2チームになった場合は、上位1チームのみ参入ですが、その可能性は低そうなので今回は「新規参入3チーム」を前提とします。

地域リーグでの各チームの状況

トップイーストの現状
新規参入を目指す4チームのうち3チームが所属する、神奈川県以東の社会人リーグ。日本で一番チーム数が多い。
2023年度シーズン星取表
9月9日に始まった5チームのリーグ戦は、ホーム&アウェイで開催。10月6日時点での順位は1位セコム、2位横河武蔵野、3位ヤクルト、4位秋田、5位東京ガスといった状況です。注目は、現在の総合評価が他の3チームより2点低い秋田の成績です。上位2チーム以内に入って三地域順位決定戦に進出しないと、上回ることはできません。

今シーズン開幕戦で対戦したセコムとヤクルト。好ゲームを演じた。

トップキュウシュウの現状
イースト3チーム以外にリーグワン参入を目指すもう1チーム「ルリーロ福岡」は、トップキュウシュウに所属。9月9日に始まったリーグ戦は3節まで終了しルリーロが首位を走ります。8チーム1回戦総当たりで、ライバルと見られていた日本製鉄九州八幡との対戦にもすでに勝利。10月29日のリーグ最終戦には三地域順位決定戦進出を決めると見られます。

トップウェストの現状
三地域リーグで唯一リーグワン参入希望チームがないトップウェストは、三地域順位決定戦で対象4チームの邪魔をする存在。ウェストファンの週刊ひがしおおさか的には、
「ウェストのチームの動向が参入争いに鍵を握ってほしい。」というのが本音。現在2節を終えて、1位大阪府警察、2位中部電力、3位島津製作所、4位JR西日本が2連勝です。

元ライナーズの樫本敦はトップウェストA昇格を果たした関西丸和でプレー。

三地域順位決定戦

参入に向けて最終決戦になる三地域順位決定戦は、トーナメント形式で実施されて、12月23日または24日開幕を予定。

提供:関西ラグビーフットボール協会

ここでの波乱が起こるとすれば、秋田が優勝もしくは準優勝を果たした場合です。
秋田が三地域順位決定戦に進出しなかった(トップイーストで3位以下になった)時点で、新規参入はヤクルト、セコム、ルリーロに決まります。

今後のリーグワンの動き

新規参入が3チームとなった場合、リーグワン各Divのチーム数は次のように変動します。
ディビジョン1:12チーム
ディビジョン2:8チーム
ディビジョン3:6チーム
ディビジョン2が拡大するため、今季(2023-24シーズン)のディビジョン3の上位2チームが自動昇格。ディビジョン3は新規参入の3チームを合わせた6チームで実施される予定です。
また、今後もリーグの拡大や競技レベルの向上を目指し、新規参入の機会は続けられる方針が示されました。

ライナーズファンとして見どころ

すでにリーグワン、しかもディビジョン1にて戦うライナーズにとって、レギュレーションの変更を伴うことのない新規参入は大きな影響を受ける事柄でないのも確か。
「リーグワンそしてラグビーが盛り上がれば」という、当たり障りのない感想になってしまいます。が、週ひが目線で注目したい選手が2人、ヤクルトレビンズの井波健太郎選手と、ルリーロ福岡の田淵慎理選手。

抜けた井波選手とフォローする田淵選手(右)。

2人は、2015年にライナーズに入団。同期には浅岡勇輝選手(2023年引退)や萩原寿哉選手(2022年引退)、熊崎伸治朗(現中部電力)がいる黄金世代として将来を嘱望されました。

ルーキーながらプレシーズンマッチで活躍した田淵選手。

2019年度末、退団選手の中に井波選手の名が書かれていたときは衝撃でした。誰よりもライナーズを愛して、プレー以外にもイベントの企画などでチームに貢献。2020年からはヤクルトレビンズに所属して、チームの柱として活躍しています。たまに、秩父宮ラグビー場でライナーズの応援に来ている姿を目撃したり。

田淵選手は同志社大学のキャプテンを務め、2015年に加入。飛躍の年と思われた2016年は負傷により長期離脱。2017年に復帰すると、チームの柱として活躍しました。しかし2021年シーズンオフに突如宗像サニックスに移籍すると、ファンに「次のキャプテンだと思ってた」と驚きの声が起こりました。

ルーキー井波にお姫様抱っこをしてもらう記者ミホロボット。

週刊ひがしおおさかは、勝手に両選手を「戦友」と感じていました。私達がラグビーとの距離を縮める過程に2人がいて、花園での歓声をともに聞いてきたのですから。

2019年にリーダーグループで撮影した写真。

リーグワンが日本全国に拡大され、その結果かつての仲間が日本ラグビーの新しいステージを担う立場に。もし2人が対戦することがあれば、日本ラグビーの1ページとして、週刊ひがしおおさかは記録をしたい。間違いなく今のラグビー拡大路線の発端となった、2015年のラグビーブームと同時に入団した彼らが、それぞれの道に分かれ、またある日1点で交わる日。それが今シーズンの昇格争いの中にありますように。

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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