もうちょっと、感極まるんじゃないかと思ってたんですよ。日本一って。
最後に関西大学リーグのチームが日本一になったのは、1984年。編集長前田が小学6年生、阪神タイガースの掛布雅之が中日の宇野勝とホームラン王を分け合った年。関西大学リーグを優勝した同志社大学が大学選手権で優勝しました。平尾誠二が4年生の年。日本ラグビーが空前の人気だった時代、日本選手権は毎年1月15日に社会人王者と大学チャンピオンで行われ、晴れ着姿がスタンドに散見されていたあの日から。実に36年です。
あまりの関西の低迷(正しくは同志社が弱くなった)に、関西大学リーグをあげて関東のチームに勝とうと「チーム関西」なんてスローガンができるほど。
んが、その自らを下に見る精神構造とも今日でおさらば。関西大学リーグの選手、関係者、ファンともに、具体的な目標である「打倒天理」が日本一へとつながるんですから。
しかし、強かった。55-28。大学選手権の決勝戦史上最多得点という破壊的な強さ。
関西大学リーグを戦うように、同志社をラインブレイクするように、関学を粉砕するように早稲田をコテンパンにやっつけてしまいました。
外野の勝手な解釈ならば、多くの関西ラグビーファンは思ったはず。最初の2トライで「今日は大丈夫だ」と。そして、本当に圧勝した現実と向き合い、長過ぎた空白とそこに膨大に費やされた人の想いに涙したことでしょう。
この学年はずっと「日本一になるならこの代」という布陣できた。1年から試合に出ていたのは、PR小鍛冶、FL中鹿、SH藤原、 SO松永。CTBフィフィタは入学時からすでにスーパースター。2年になり、大学選手権準優勝のメンバーにはFL松岡、WTB土橋が名を連ねます。今日4トライの市川は3年になって頭角を現しました。戦後に小松監督が優勝の要因を「経験です」というように、今年の日本の大学で最も経験値が高かったのが天理だったと言っても過言ではないでしょう。
さてこれで大学ラグビーの楽しみは来年以降に移ります。まずは今回の優勝メンバーが次のステージでどんな活躍をするのか。
4年生はどこでラグビーをし、どんな活躍をするのか。
近鉄ライナーズ入りを噂されるフィフィタ。東大阪市立日新高校出身で、4トライの市川は4年になって輝き出した選手。獲得するのはどこなのか。
藤原のテンポはトップリーグでどんな輝きを見せるのか。今よりもさらに強力な仲間とプレーする松永は日本代表へと駆け上がることができるのか。
そして、天理がこの強さをどうつなぎどう維持するのか。次のキャプテンは誰なのか。
他の関西のチームはどんな手を使って天理に追いついていくのか。天理が埋めた「関東との差」を超えていくのか。
みんなの手で新しい何かを作っていきましょう。やってみるまでわからない、刺激的な未来を作るために。
予定調和ではない未来を見せてくれて、ありがとう天理大学ラグビー部。そして、長かったね。おめでとう。
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