PK戦の末、惜しくも敗戦してしまった天皇杯大阪府予選決勝から3日。
2020年8月30日(日)、東大阪市花園ラグビー場第2グラウンド(以下、花園第2)にて、JFL(日本フットボールリーグ)第18節が行われました。
FC大阪はヴィアティン三重(以下、三重)と対戦。前半に奪われた失点が響き、1-2のリーグ戦初黒星となりました。他のチームより1試合多く消化しているので、現時点ではなんとか首位をキープしています。
リーグ戦、ここまで3試合が終わり3連勝で首位に立つFC大阪。今日は、ホーム・東大阪にヴィアティン三重を迎えての一戦でした。
2週間で4試合という過密日程の中で迎えた4戦め。選手たちは口にはしませんが、恐らく疲労があったのでしょう。それはプレーを見ていて多々感じました。
まずは1失点め。
前半22分、右サイドからゴール前にセンタリングを上げられ、中央のDF太田賢吾(三重)へ。太田はDF岩本知幸を交わし、GK永井文也と1対1に。
そのまま太田にシュートを打たれますが、これはゴール上のバーに跳ね返り、難を逃れたかと思われました。
しかし、この跳ね返りをDF附木雄也がクリアミス。FW古川大悟(三重)に渡り、そのままダイレクトでシュートを打たれ、ゴール左隅に決められてしまいます。
このシーン、センタリングを上げられたあと2度クリアできる場面がありました。最初にシュートを打たれた太田にボールが渡った時点で、MF町田蘭次郎がプレスを掛けていました。しかし、簡単に交わされてしまい、岩本も抜かれてしまいます。
堅守が持ち味のFC大阪にとっては「らしくない」プレーでした。
続いて2失点め。
前半43分に与えた右コーナーキック(CK)からでした。
キッカーからのボールを古川(三重)が頭ですらして、ディフェンスの背後でフリーになっていたMF塩谷仁(三重)へ。そのまま塩谷にヘディングで決められてしまいました。
失点もそうですが、CKの取られ方も良くありませんでした。
三重に与えたフリーキックから、前線にロングボールが送られ、相手FWにDF橋本侑紀が振り切られてしまいます。
しかし、そのあと附木がカバーし、なんとかコーナーキックに逃れました。が、いつものFC大阪であれば、振り切られる前に落ち着いてクリアできていたでしょう。
前半はFC大阪にチャンスがほとんどなく、0-2と2点のリードを許して折り返します。
後半は徐々にペースを取り戻しましたが、やはりここでも疲れが。
FWの横野純貴や木匠貴大にボールを集めますが、周りの押し上げが遅く、なかなかチャンスが生まれません。
後半13分にはFW川西誠を投入。川西はドリブル突破を試みますが、相手に止められてしまいます。
塚原真也監督は「いつもであれば周りに味方がいて、パスを出すこともできる。しかし、今日は上がってこれず孤立する形に。疲労があったからだと思います」と敗因を分析します。
時間だけが過ぎ、後半アディショナルタイム直前の45分。
前線に上がっていた附木に、永井からのロングパス。附木はそのままゴール前まで持ち込み、センタリングを上げます。
このボールに途中出場のFW塚田卓がヘディングで合わせて、1-2と1点差に迫ります。
しかし、時すでに遅し。反撃及ばず、1-2で今季初黒星となりました。
前節、1-0でMIOびわこ滋賀に勝利し、ホームタウン・東大阪で2連勝したかったFC大阪。しかし、ヴィアティン三重の早いパス回しに翻弄され、ディフェンスの隙をつかれて2失点。今節は自分たちのサッカーをさせてもらえませんでした。
次節は9月6日(日)13:00K.O.。アウェイでテゲバジャーロ宮崎と対戦します。次の試合までは1週間。「疲労があった」と言い訳はもうできません。今季は新型コロナウイルスの影響でいつもの半分の15試合。1番してはいけないのが連敗です。この1週間でしっかりと休養、そして切り替えて試合に臨んでもらいたい。次節は勝利を!
試合後の声
塚原真也監督
ー試合を振り返って。
塚原 4連戦の4戦めということで選手の疲労度も高かった。(天皇杯予選もあって)全体練習ができず、今いる選手の中でベストメンバーで行いました。前半、守備の部分でうまくハマらず、ヴィアティン三重さんにやられてしまい、失点もありました。給水タイムで少し形を変え、カウンター攻撃ができるなど徐々に流れがうちに。しかし、2失点というのが重く、最後、塚田が点を取りましたが、時間が足らず。その中でも選手は良く走ってくれました。大事なことは連敗しないこと。次節に向けて、しっかり修正していきます。
ー後半はFC大阪ペースだったが、シュートまでが遠かった。要因は。
塚原 川西が抜いていくシーンがありましたが、1人で抜けることが多かったです。抜いても相手が2人いたりという状況。いつもであれば抜けたところにもう1人味方がいるんですが、やはり疲れがあってか、押し上げが遅かったです。
ー過密日程で、精神的・体力的にしんどかったか。
塚原 選手はキツかったと思います。なので、僕らスタッフは「そういう部分を見せずに頑張ろうぜ」と話していました。次節までは1週間空くので、良い勝負ができる状態に持っていきたいです。
ー塚田選手の得点について。
塚原 塚田は決定力が高い。FC TIAMO枚方戦はチャンスがありながらも得点が取れませんでした。今日、得点が取れたというのは彼にとっても大きかったと思います。
ー4連戦を2勝2敗。どのように受け止めているか。
塚原 勝てたことは良かった。ですが、今日の試合ではやはり疲労が目立ったなという印象でした。
ー次節(9/6テゲバジャーロ宮崎戦)に向けて、サポーターにメッセージを。
塚原 引き続きリモートゲームが続いていきます。次はアウェイ・宮崎に乗り込みます。選手はかなりキツくなっていますが、良い状態に持っていき、勝利を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします。
DF岩本知幸キャプテン
ー今日の試合を振り返って。
岩本 勝点3を取りに行った試合で、僕たちがやるべきことをそのまま相手にされてしまった。それでも、無失点で抑えられれば後半にチャンスがあると思ったんですが、前半の2失点が最後まで響いてしまいました。
ー天皇杯予選決勝で岩本選手は負傷交代。今日のコンディションは。
岩本 軽く頭を打っただけだったので、特に問題はありませんでした。今日の試合では、自分のプレーから相手にチャンスを与えてしまったことがあったので、個人として反省点。チームとしても、相手がボールを回しているときになかなか取りにいけなくて、前節までの勢いではなかったです。ここは改善しなければいけません。
ー前半シュート数が少なかった。何が足りなかったのか。
岩本 基本的な球際のところや、セカンドボールを拾われることが多くて。1回目の攻撃がうまくいかないときに、2次攻撃というのが今日はできませんでした。攻撃が単発になった場面が多かったです。次節は修正できるように、練習からもっと詰めていきます。
ー天皇杯予選決勝から昨日の練習まで、チームの雰囲気はどうだったか。
岩本 悪い雰囲気ではなかったです。1回負けたということで、危機感を持って良い形で試合に臨めました。
ー次節に向けて。
岩本 天皇杯予選決勝から2連敗。早くこの連敗を止めたいです。マイナスな気持ちにならず、負けを受け止めることが勝ちへの第一歩。今まで自分たちが続けられている部分はポジティブに、この1週間準備していきます。
インタビュー動画版
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