玉串町東、ライフの交差点から南へ。土地勘のある人ならとピンとくるでしょう
工場のいっぱいあるとろこだよね。
と。
今回紹介する「茶茶(ちゃちゃ)」は、工場や倉庫などが並ぶなかにある喫茶店。
広いとはいえはない店内に、始業前の一服、ランチ、打ち合わせなどなど周辺の会社から毎日たくさんのお客さんが訪れます。

あるあるこんな喫茶店!と感じる外観。
「30年前に母がお店を始めました。私も大人になってからは一緒に働いていたんですが、9年前に母が突然倒れてそのまま他界したんです。」
と話すのは店主の川崎明紀さん。今は1人でオーダーから厨房まで、大忙しです。

肝心要のタレを注ぐ川崎さん。
子どもの頃から料理が好きだった川崎さん。徐々にランチで冒険を始めます。
「喫茶店のランチなのにムール貝を使ったパエリアとか、究極のたまご丼とか。もちろんラーメンを出したこともあります。日替わりランチ700円の範囲で無茶をたくさんしました」と笑顔で、挑戦と失敗を振り返ります。

ある日のランチは「ブリのフライ」。ブリのフライ?!ってなった。
そしてついに、2022年10月よりラーメンの提供を開始。8時から14時までは今まで通り喫茶店をしっかり。17時から21時までは、スープも麺も自店で作る本物のラーメン店をオープンしたのです。

喫茶店のテーブルに違和感あるメニューボード。
メニューに並ぶのは「スペシャリティ」そして「ニボ清湯」「中華そば」。
喫茶店営業と並行して、バックヤードで製麺や仕込みの1部を奥様が担当。ラーメン営業に向けて準備をします。二人三脚スタイルで「時々意見が食い違う」と言いつつも、鮮やかな分業と連携を見せます。

無理言って撮らせてもらった、編集長前だと山崎さんご夫妻。めっちゃ感じのいいお二人。
ということで、看板商品のスペシャリティを。名称はもちろんスペシャリティコーヒーから。「特」にすると、トッピングが一層豪華になり、茶茶にしかない個性バリバリな1杯になります。

一番人気の「スペシャリティ(830円)+特(250円)」。絶妙な価格戦略。
きらびやかな丼内に目を奪われつつも、机上にある食べ方マニュアルを参考に食べ始めましょう。

丁寧な「スペシャリティマニュアル」。ラーメンのすべてを楽しむ姿勢です。
まずは手引に従って、複数のスープを塩ダレで締めたキレを感じちゃってください。

渾身のスープを緊張しながら口へ運びましょう。
次にチャーシューの上に乗せられたしょう油ダレを溶かします。溶け具合いによって変化するしょう油の風味を堪能します。

編集長前田は、少しずつ溶かすのが好き。
「味変」という言葉では説明できない重層的な舌の刺激を感じつつ、麺をそして具材をすするとそれぞれの個性が爆発。日本のラーメン文化をここまで作り上げてくれた先人たちへの感謝さえ聞こえてくる特別な体験です。

ニボ清湯+特。こちらもアイデアてんこ盛りお1杯。
「作るのも食べるのもいろんな料理が好きなんですが、ラーメンは飛び抜けて難しい。思い描いた味になかなかならなくて、特にしょう湯ラーメンは難易度が高いですね」
「好き」から始まったラーメン作りは、指南書を読み、調理器具を揃え、具材を試し、何度も作り何度も食べるという、当たり前の道から始まったと言います。
うまく行かないときも続けられるのは、変化を楽しむ情熱と、それをコンスタントに提供する冷静さを持ってこそ。それがスペシャリティの丼から溢れんばかりに伝わってきます。

チャー猫まんま 小(350円)。ニボシが決め手。
ラーメンを提供するのは、平日(水から金)夜と土日の昼。喫茶店は月から金の8時から14時30分まで営業なのでラーメンを始めてからは休みが全くありません。
「落ち着いたら限定をやりたいのですが、まだまだこんな状況では…でも冷やしはなんとか」
と、今後の意気込みを語る川崎さん。「喫茶店の範囲でできること」を超えた、常識はずれな二毛作店にどんな未来が待っているのか。週刊ひがしおおさかは、楽しみでなりません。
そして読者の皆さん。一緒に未来を楽しむために、とりあえずスペシャリティ食べに行って。

ドラゴンボール全巻揃ってるところがまさに「喫茶店」です。
あと、6月26日から7月2日までほぼ1年ぶりの休暇を取られるようだから、訪問の際は気をつけてください。
■茶茶
住所:東大阪市玉串町東3-2-25 ※ラーメンタイムのみ近隣に駐車場あり。SNSを参照のこと。
営業時間:
喫茶店 月〜金 8:00〜14:30
ラーメン 水〜金 17:00〜21:00、土・日 11:00〜14:30
SNS:Instagram
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