カレーパンといえば、カラッと揚がった茶色のイメージ。しかし東大阪・若江岩田の「ベーカリートレント」では世にも奇妙な白いカレーパンを販売しています。
■中には「カレンちゃんのこころ」が入っている
「白カレーパン」は「揚げ」ではなく「焼き」。柔らかな白パンに、フィリング(具)がぎっしり詰まっています。
実はこのフィリング、「カレンちゃんのこころ」を使用。東大阪っ子ならピン!とくる方もいるはず。カレーパンの普及を目指す「東大阪カレーパン会」のオリジナルフィリングが使われているのです。
「カレーパン会」を知らない人のためにちょっと補足を。
東大阪はラグビーの街。さらにハウス食品の工場が河内小阪駅近くにあったため、周辺にはいつもカレーの香りが漂っていました。その2つが由来して、ラグビーボールと形が似ているカレーパンを普及しよう!と2011年に発足した「東大阪カレーパン会」。地域のパン店が主体となり、「なんでやねん?カレーパンのまち東大阪」をPRしています。
2014年には、カレーパン会とハウス食品が共同開発したオリジナルフィリングが完成。それが「カレンちゃんのこころ」なのです。ネーミングは、会のキャラクター「カレンちゃん」とフィリング=中身=「こころ」から。「なんでやねん!」とつっこみたくなる、盛大なボケっぷりです。
加盟店はこの「カレンちゃんのこころ」を独自にアレンジし、カレーパンを作ります。
「トレント」では、タマゴサラダを入れマイルドな口当たりに。「焼き」にすることで子どもでも食べやすいよう工夫されています。
でも、なんで白?その答えは、「夏前にフィリングができたので、白で爽やかにしてみました」と店主の下村さん。
■白と茶、2つ食べ比べたい
「もう一種類あるんです」と出てきたのはこんがり「揚げ」のカレーパン。
そう、東大阪では、「カレンちゃんのこころ」を使ったカレーパンとお店独自のカレーパン、2種類以上を取り扱うパン店が多いのです。
白カレーパンに対して、スタンダードな見た目の「トレントのカレーパン」(120円)。ジャワカレーベースのスパイシーなフィリングで、こちらは大人向けです。2種類買って食べ比べるのが、正しい食べ方なのかもしれません。
■「作る」が好きな店主のアイデア
「トレント」には所狭しと様々な商品が並びます。一番人気の食パンに、たくあんたっぷりの「シャキシャキサラダ」、毎月2~3種類は考案するという新作、さらにはコーヒーゼリーまで。すべて下村さんが一から手作りしています。
「何かを作ることが好きなんです。一風変わったパンを考案するのが楽しみ」と下村さん。あふれ出す創作意欲で、「白カレーパン」が生み出されたのも納得です。
■上は喫茶、下はパン
今年で9年目の「トレント」。元は1979年に下村さんのご両親がおにぎり店としてスタートしました。その後喫茶店となり、建て替えと同時に2階へ移動。現在は1階に下村さんのパン店、2階にご両親の喫茶店を構え切り盛りしています。
そのため、喫茶店でランチを頼むとパン食べ放題になる嬉しい制度も!
ちなみにお母さんいわく、「息子はプラモや芝居の台本をよく作っていた」そう。
親子2代で若江岩田の「食」を創作してきた「トレント」には、いつも新しい風が吹いています。真っ白なカレーパンをほおばれば、創造の息吹を感じられるはず。
■ベーカリートレント
住所:東大阪市岩田町3-10-6
TEL:072-966-0830
営業時間:(平日)7:00~20:30 (日・祝)7:00~19:00
定休日:月曜
アクセス:近鉄奈良線若江岩田駅より徒歩3分
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