近鉄惜敗も、走って動いてMOVE FIRSTを体現

   

8月26日(金)、ついにトップリーグ2016-2017が始まりました。
一部で
「これ決めた人、絶対面白がってると思うんですよね」
とささやかれていた、大阪でのオープニングゲーム。
昨シーズンのベストバウトと呼び声の高かった、近鉄ライナーズ対サントリーサンゴリアスです。近鉄は15年ぶりにサントリーに勝利し、7位に躍進。サントリーはその敗北が響いて9位に沈んだシーズンだったのです。

昨年秋の勝利が奇跡ではなく必然だと証明したいライナーズは、今シーズンのスローガン「MOVE FIRST」にふさわしい運動量豊富なラグビーをファンに見せつけてくれました。

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さあ、始まるぞ!今季も、すっげぇ面白い近鉄ラグビーを見せてくれ!

キックオフはサントリー。昨年同様、序盤は相手の出方をうかがうような滑り出しです。
先制したのはライナーズ。7分、密集で前に出ると、サントリーがオフサイド。ペナルティで得たキックをしっかり10重光が決めて3-0とします。
しかしここから、サントリーの猛攻がはじまります。FWにもBKにもスタープレーヤーを要したアタックに、ライナーズのペナルティが増えます。
25分、27分とPGでサントリー小野晃征がスコア。3-6と逆転を許します。

松島幸太朗をハンドオフで退ける、新戦力クック。

ライナーズは新外国人が目立ちます。特に12ファインガと8クックの2人が、常に動き続けるアグレッシブなプレーで他の13人を鼓舞。チームに勇気を与え続け、これ以上の得点を許しません。

前半、ラインアウトは近鉄が優勢。昨年から改善され、今年は武器にも出来そうな精度です。一方スクラムは、サントリーが押し気味。ライナーズの第一列豊田、樫本、前田もストレスの溜まった表情を見せます。

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前半苦しんだスクラムも、後半は優位に立てた。

後半も先に点を取ったのはライナーズ。47分、距離のあるPGを重光が決めて同点にします。
暑さにも汗にも、そしてサントリーのプレッシャーにも耐えるライナーズ。
負けてない。いや、運動量では確実に勝っています。前に出るディフェンスに、絡み続けるブレイクダウン。後半に入ってさらに力強くなるタックルが、サントリーの動きを止め、強みを消します。
そしてついに待ちに待った、今シーズン初トライが生まれます。

22mラインの内側に入ってから、重光がパスダミーを使うと、ディフェンスはいなくなります。するするっと抜けて、自らインゴールへ!トライ!!
36歳になった大ベテランの、正確で計算され尽くしたプレーで13-6。重光の重光らしいプレーで、逆転します。

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さすが重光!前がポッカリ開くステップ。

よし、今日もいける。今日も勝とう!
しかし、サントリーは慌てません。近鉄が前に出てくると、その裏へ。空いたスペースへ10小野が的確にキックを蹴りこみエリアで徐々に優位に立ち始めます。64分にPGで13-6とすると、72分。アドバンテージを得たサントリーは10小野が中央から右へ大きなキックパス。7西川がボールを前に弾きながら、なんとかキャッチ。そこへ近鉄のディフェンスが2枚タックルに行きます。一旦は止められたかに見えましたが、西川はもう一度起き上がって、ゴールラインへ。ディフェンスは2人とも倒れたまま。トライで13-14で逆転を許します。

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ジョージ・スミスとやりあう12ファインガも新戦力。

残り10分を切ってから逆転され他ライナーズですが、全く気持ちは切れません。それどころか、より動きに切れが増す15人は、ドンドン前にでてタックルをし続け、アタックを繰り返します。
しかし、サントリー10小野はことごとく効果的なキックでエリアを挽回。
無情にも80分が経過し、試合終了。

勝てた。

試合終了後、すべてのライナーズファンが感じたのが「もったいない」という言葉です。
後半はスクラムも修正され、セットプレーでは優位に経ちました。試合中、動けていたのは明らかにライナーズです。ミスの数も、両チーム同程度。少しの差。ほんの少しの勝負のアヤが、勝者と敗者を分けたのです。

しかし、昨年の勝利は、圧倒的なサントリーのアタックをしのいで「やっと」だったのです。
デアリエンディやスピースといった、見たこともないスーパープレイヤーが相手にプレッシャーを与え続けていたのです。

今回の敗北は、同程度の力を持った相手に勝負の結果、敗れたのです。この成長を、オープニングゲームで感じられたのは、ライナーズファンにとって最高の幸せです。

「近鉄ラグビーを見せてくれた」と試合後、坪井新監督は言います。
80分しっかり動けるラグビー。春から徹底的に走り、FWコーチに元神戸製鋼のカンバランド氏を招聘。
「MOVE FIRST」のスローガンに合致する新外国人の加入と、チーム全体の底上げ。
一昔前の、トンプソンや統悦などが突出して活躍するのではなく、全員が当たり前のプレーをした結果の惜敗。
豊田キャプテンも「どこかスペシャルな成長ではなく、チーム全体の力が上がった」と言うように、確実に一歩先へ進んだライナーズを感じさせられました。

さて、今シーズンはじめの週ひがMVPは、全得点を上げた10重光泰昌選手です。

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「今日は笑えないけどいいですか」と撮影&インタビューに応えてくれた重光選手。

「自分たちの甘さが出た。取りきれなかった試合です。ラスト10分20分で相手に持って行かれましたね。」
大丈夫、MOVE FIRSTはしっかり体現できたはず!
次は山口・維新公園でコカ・コーラと。絶対今シーズン初勝利を!

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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