モノづくりの代表と言われる東大阪の高井田地区。高井田駅から500mほど東を目指すと、見えてくるのは「ハードロック」の文字。
1974年(昭和49年)に設立のねじメーカー。ボルトと組み合わせて使われるナットを製造されています。「ねじコレ」第5弾は日本が誇る安心・安全を裏で支えるハードロック工業に取材にしてきました。
うかがったのは東大阪市川俣の本社。代表取締役社長の若林克彦さんは、モノづくりが盛んな大阪市城東区出身。「幼少期から発明が趣味だった」とのことで、疎開先でドラムを使った種まき機を作り、周囲を驚かせたこともあるそうです。
いつかは、自分の発明を世の中の役に立てたいと感じながら成長した若林さん。ターニングポイントは、若い頃に行った国際見本市。サンプルでもらった戻り止めナットのことがとても気になったのです。「こうすればもっと良くなる」と昼夜試行錯誤。試作品を作成し、なんと特許まで出願してしまうのです。さらに勢い余った若林さんは起業を決意し弟を説得。弟と知り合いの三人で会社を起こしました。
「この製品を絶対に世に出すんだという気持ちでしたね。」と当時を振り返ります。
起業してしばらくは、給料が発生しない日が続きます。市場で受け入れてもらうためには、まず知ってもらわねば、とサンプルを地道にユーザーに配って回りました。
「サンプルがなくなる頃に再度訪問し『買うから持ってきて』と言われたときは、それは感動しました。」
こうやって製品の質が市場で認められ「ハードロック工業」を普及させていったのです。
●安全は威力
さて、多くの人がCMで知るハードロック工業のキャッチフレーズと言えば『安全は威力』です。この力強いフレーズ、広告代理店などへ依頼したのではなく、社長自ら考えたとのこと。そのほか製品のデザインなども若林さん自身でされるのだとか。「すべてが趣味ですね」と楽しそうに話します。
●なぜ東大阪なのか?
1989年、当時大阪市内に構えていた工場が手狭になり、まだ畑ばかりだった現在地に会社を移転。それから28年が経過し「木の根っこのようにしっかりと根付いて育ったからこそ基盤、縁ができた」と東大阪を代表するモノづくり企業となりました。
インタビュー中、話に熱がこもると若林さんは立ち上がり、ホワイトボードにペンで「アイデアの開発を通じ、人と企業と産業社会の発展に貢献する」と書いてくれました。自社の利益のみを考えるのではなく、会社は社会に貢献してこそ。
その力強い言葉に、世界を代表する安心と安全なナットメーカーを守り育ててきた姿が見えました。
最後にハードロック工業を代表する1本である「ハードロックナット」を手に、撮影に協力いただきました。
ハードロックナットは、クサビの原理によりボルトとナットを一体化。強力なロック効果を生みだします。今では、橋梁、鉄道、高速道路、自動車、なんとスカイツリーでも使用。日本の安全を守るナットはまさに縁の下の力持ちとして活躍しています。
そう、安全は威力!
■ハードロック工業株式会社
住所 東大阪市川俣1-6-24
TEL 06-6784-1131
コメント
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「ねじコレ」興味深く拝見。
東大阪ではありとあらゆるねじをつくっていると思うのですが、今、なぜか建築現場はねじが不足して大変な事態に陥っています。
私どもの法人で計画している八尾市の久宝寺保育園の分園建設工事が、ねじがないために滞っています。来年4月開園の予定が、7月になるのか8月になるのかわかりません。
また、東大阪で建設予定の第二どんぐり保育園(仮称)も、来年11月竣工予定だったのが、再来年2月までずれこむ予定です。
建築士さんたちも、大手業者が災害復旧に付け込んで、買い占めて値段を釣り上げているのかもしれないといいますが、実際の理由はわからないといいます。
こんなことで大切な子どもたちの事業が遅れるのはやりきれません。
週刊ひがしおおさかで、追跡調査して真相究明いただけませんか???
ありがとうございます!
そんなことが起こってたんですねぇ。
時間はかかるかもしれませんが、まずは知ってそうなねじ屋さんにあたっていってみます。