近鉄ライナーズの選手に今シーズンを振り返ってもらう「ノーサイド!トップリーグ」のコーナー。
第2回はBKから。入団2年め、SOとして試合に出続けた野口大輔選手にお話をうかがってきました。

全試合出場を成し遂げた今、SOとしてチームをどう作っていきたいかを聞きたくてオファーしました。

ーこんにちは。野口選手には、昨シーズンもこのコーナーに出演してもらいました

野口 もう1年経ちましたね。よろしくお願いします!

ーあいかわらず、笑顔が素敵なのは変わりません(笑)。1年めはSOだけでなく、CTBなどいろいろなポジションを経験されました。2年めの今シーズンは、SOとして15試合、つまり全試合出場(順位決定戦含む)。皆勤賞です。昨年とくらべて、ご自身が成長したと感じるところはありますか?

野口 この2年、学ぶことは本当に多かったです。昨年より周りは見えるようになりましたし、相手ディフェンスに対してのアタックも良くなりました。

ー確かに今年は、アタックする野口選手の写真をたくさん撮りました。

野口 ありがとうございます。ただ、実感としてはダメなことばかりでした。

ーダメなこと。

野口 入団1年めはがむしゃらに突き進みましたが、2年めとなるとチームを勝たせないといけないという気持ちが大きくなってしまって…。そこにとらわれすぎました。

ー勝つことにこだわった、ということでしょうか?

開幕戦、果敢なアタックを見せた野口選手。

野口 う~ん、勝手に自分へ責任を課してしまいました。もっと、シゲさん(重光選手)みたいに焦らず堂々としないとなと思います。

ー重光選手の開幕戦(vs豊田自動織機)のドロップゴールのシーンは、今でも脳裏に焼き付いています。

野口 あの判断は本当に経験値がないとできないですよね。シゲさんがSOで、ぼくがCTBをした方が良いのかも、と考えたこともあります。

ーいやいや、野口選手はSOとして見たいです!

野口 自分がSOとして上のステージに行くためには、まだまだ課題が山積みです。今、壁にぶち当たってます。

ーなかなか「壁にぶち当たっている」ってハッキリと言う人はなかなかいないです。それほど強く感じているんですね。

野口 今シーズンで良かった試合って、自分の中ではないです。常に反省。

ーなかなか厳しい。

野口 特に東芝戦では入りも悪かったですし、気持ちで完全に負けていました。ダメだった試合でも「ここが良かった」と言いたいし、もっとポジティブにならないといけないのですが…(笑)

自身の課題が、次々と出てくる野口選手。

ーさらにチームは降格。ご自身のラグビー人生において、はじめての出来事かと思います。

野口 初めてですね。ドコモに負けた日、今まで経験したことがない気持ちで寮へ帰りました。

ーえぇ、そりゃあ沈みますよね。

野口 そしたら尾池が「何で落ち込んでるん?」ってぼくの部屋に来たんです。「こんなときこそ気づけるものがある。ここからさらに強くなってはい上がっていけるんやから」って、アツいことを言ってくれたんです。(※野口選手と尾池選手はともに2016年入団の同期)

ーそうか、関西大学出身の尾池選手は、大学リーグ時に降格を経験していますね。その苦しさも、気持ちの整理の仕方も知っている。

野口 いつもはそんなキャラじゃないのに(笑)。でも、確かにその通りだな、と気持ちを入れ替えることができました。

ー「経験者は語る」ですね。

野口 前のライナーズより何段も上のチームに変えていこうと勇気づけられました。今はオフ期間ですが、実際に燃えているチームメイトばかりです。今まで以上のことをしないといけないという意識があります。

ーそれは心強い。これまで以上にチームを強くするために、何が必要でしょう?

野口 次のシーズンで入ってくる選手によってプランが変わってきますし、SOに合わせてもらえるようにしないといけません。特に、外国人選手に信頼してもらうことって、大事だなと思いました。

ーSOに合わせてもらうための努力ですね。

野口 これは、ニュージーランドへ留学して感じたことなんですが…。

ー今シーズンの3月から、3ヶ月ほどクラブチームでプレーされていましたね。

野口 実際、NZで日本人はなかなか認めてもらえないんです。多分ぼくも、「早くパスしろ」と思われていたでしょうし…。自分でボールキャリーしてアタックしてトライもとって、初めて認めてもらえました。

ー「この選手にボールを渡しても大丈夫だ」と信頼してもらえる、と。

野口 言われるがままじゃ全然ダメで、自分なりに考えて意見を出して体現すること。それが信頼につながることがわかりました。

ニュージランドでは、技術以上のものを手にして帰ってこれた。

ー留学での経験をライナーズで落としこんで、チームにいる外国人選手にももっと頼ってもらわないといけない、と考えたんですね。

野口 ぼく自身まだまだ経験が足りないので、選手同士厳しいことが言い合えるように、まずは結果を出すこと。もっと自分を磨いていくことが必要です。

ーこれからご自身が、チームのためにしていくことですね。

野口 はい。僕たち選手がチームを変えていかないと、トップリーグには上がれません。全員が意識から徹底的に変えていかないと。厳しいですが、できないならそこまでだった…ということです。

ーそれほどの覚悟がないとダメ、と。

野口 チームが違えば頭の使い方も変わってきます。頭を使って、綿密にミーティングを重ねて…という「シミュレーションする力」をみんながつけなくてはいけないんじゃないかと思います。

ーなるほど、想像力をもって取り組むこと。さらに強くなったライナーズ、そして野口選手のプレーを楽しみに次のシーズンを待ちます。

野口 ありがとうございます!

最後は普段のクシャッとした笑顔で抱っこしてもらいました。真剣な話の後に…と恐縮しつつ役得のミホロボ。

SOとしての「責任」を重く受け止め、自分がやるべきことをひたすら考える野口選手。普段の爽やかな笑顔とはギャップのある、真剣な眼差しが印象的でした。次のステージでの、野口選手の活躍にこうご期待!
次回はバックローから、あの選手が登場します。

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ノーサイド!トップリーグ2018 File.1 山口知貴選手(2018.2.9)

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mihorobot東大阪探検隊・記者

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生粋の八戸ノ里っ子。人気の八戸ノ里東小・小阪中学校校区に住んでいる。
取材へ行けば、同級生のお父さんがやってるお店だった・・・ということが多々あり。
尊敬する人は藤子・F・不二雄先生。

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