「rebuild(リ・ビルド)」(＝春から培ってきたものを再構築する)をテーマに臨んだ、近鉄ライナーズ夏の合宿もいよいよ大詰め。
最終戦は8月3日(金)。クボタスピアーズと対戦し、14-19と1トライ差で惜敗しましたが、夏合宿の成果が出た接戦となりました。

東陵公園球技場にて。関西からライナーズファンたちが駆けつけ、まるでホームのような雰囲気に。

「ディフェンスは夏合宿での一定の成果が出たと言えます」と振り返る有水HC。
前半は7-7の同点。後半で2本取られ、結果的には黒星となりましたが、精度の高いディフェンスで接戦に持ち込むことができたのです。

タックルで確実に相手の前進を防ぐトンプソン選手。

自陣でプレーする時間が続きましたが、タックルミスも少なく焦らずに処理できていました。

目一杯体を使ってタックルを試みる辻選手。ディフェンス、アタックともに縦横無尽に動き、FL(フランカー)の仕事をきっちりこなしました。

一方、課題となったのはアタック。
連携はうまくいきましたが、「キックを使ったエリア取りが課題のひとつ。今日も前半風上でしたが、ずっと自陣でした」と有水HCは苦言を呈します。
ディフェンスで相手のミスを誘ってボールを得ることはできるものの、キックで蹴り負け前へ進むことができません。
FB(フルバック)マシレワが戻ってきたことでキッカーが補強されたかに思われましたが、まだチームのプレーにフィットできていない様子。

なおメンバーは夏合宿の集大成といえる編成でした。
マシレワは今期初出場。尾池、朴、シリベヌシィなど合宿を経て力をつけた若手がスタメン入りしました。

ボールをもつと必ずゲインしてくれる、嗅覚するどいWTB(ウイング)朴。

以下、今回のメンバーです。
1 豊田 大樹
2 高島 卓久馬
3 尾池 亨允
4 MICHAEL STOLBERG
5 トンプソン ルーク
6 LOLO FAKAOSILEA
7 辻 直幸
8 IOPU IOPU-ASO
9 RYAN LOUWRENS
10 重光 泰昌
11 PARK HAN GYUL
12 森田 尚希
13 タウモエピアウ シリベヌシィ
14 トゥキリ ロテ
15 SEMISI MASIREWA
16 山口 知貴
17 樫本 敦
18 前田 龍佑
19 山口 浩平
20 松岡 勇
21 野中 翔平
22 田淵 慎理
23 村下 雅章
24 金 哲元
25 福居 武
26 PATRICE OLIVIER
27 三原 亮太
28 井波 健太郎
29 矢次 啓佑
30 南藤 辰馬

試合前、円陣を組むライナーズ。

前半はライナーズが風上で終始強風。
序盤から自陣でプレーし、隙のないディフェンスを見せます。
マイボールスクラムからFW(フォワード)で勝りオフェンスに回った7分。チャンス！とばかりにライナーズはパスを回し、連続攻撃で敵陣22m内へ。ラックから9ライアンが持ち出し、中央やや右にトライします！
Gも決まり、7-0。先制トライを決め、良い形のスタートです。

連続攻撃の中心となり、ゲインする10重光。

ライアン、自分でトライ！

その後も防戦が続きますが、ヒヤヒヤどころか安心して見ていられるディフェンス。
しかし17分、自陣ゴール前でマシレワがキックしエリアを取ろうとしたところを、クボタがチャージ。そのままトライを決められてしまいます。
思わぬ失点で同点に追いつかれますが、その後も自陣で我慢し前半が終了。7-7で折り返します。

雄叫びをあげる19前田。NTTコム戦でスクラムで押された悔しさをバネに、プライドをかけて挑みました。

後半先制点をあげたのはクボタでした。
16分、激しいアタックでラインブレイクされ、トライを決められると7-12に。

しかし、自分たちの流れを作りたいライナーズは、ディフェンスで相手にプレッシャーを与え徐々に陣地を戻していきます。
相手陣に入るとラインアウトからモールを形成し、ゴール前へ迫ります。

そして26分、マイボールスクラムからフェーズを重ね密集から24金がマシレワにボールを回します。相手ディフェンスの隙をついたマシレワが走ると、クボタの選手たちを軒並み振り切って左端にトライします。

相手ディフェンスが追いかけるも、寄せ付けずに駆け抜けてトライ！おかえりマシレワ！

トライを機にギアを上げていきたいライナーズでしたが、リスタート後の28分、クボタは素早くパスを回して連続攻撃。あっという間にトライを取られてしまいます。Gも決まり14-19。あっさりと逆転を許してしまいます。
そのまま点数は動かず、得点のチャンスがないまま試合が終了。5点差の惜敗となりました。

「自分たちのテンポをつかめば良いアタックができているし、自信はあります」と話すのは、樫本キャプテン。
春から積み上げてきた成果を踏まえ、「ただ、自滅してしまったところもあったので、もっと突き詰めていかないといけません」。

アタック、ディフェンスともに確実に前に進むライナーズ。大きな収穫と課題を見つけ、夏合宿は終了です。
次回は8月25日(土)、トヨタスポーツセンター(愛知県豊田市)にて、トヨタ自動車ヴェルブリッツとの対戦です。さあ、次のステージへ！We Are LINERS！