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近鉄ライナーズ開幕戦直前インタビュー!有水剛志ヘッドコーチに迫る 今季、チームはどうなりますか?
昨シーズン、トップリーグで最下位に終わりトップチャレンジリーグに陥落した近鉄ライナーズ。
復帰を目指しまず打った手は、プロコーチの招致。彗星のごとく現れたのは有水剛志ヘッドコーチ(ありみず ごうし/以下有水HC)でした。
ライナーズOBではなく、人物像も未知数。ファンの誰もが「有水剛志 ラグビー」でググったことでしょう。
有水HC自身と、トップリーグ復帰に臨む今シーズンについて聞いてきました。
ー改めましてこんにちは、週刊ひがしおおさかです。
有水HC グラウンドにはよく取材に来てくださっていましたが、こうしてゆっくりお話するのは本当に初めてですね。有水です(笑)、よろしくお願いします。
ーそうなんです。お聞きしたいことが多すぎて。まずHCご自身についてなんですが、早稲田大出身なんですね。
有水HC はい。現役時代はLOをしていました。ちなみに、ライナーズ元監督の前田隆介とは同期なんです。
ーえ!同学年で、一緒にプレーをしていた仲ってことですよね。運命を感じる…(笑)
有水HC あとはU20日本代表元HCの、中竹隆二も同期です。
ーおお、早稲田大学の監督もされていたあの中竹さん。なんて豪華なメンバー。大学を出たあとは、日本国土開発、タマリバクラブでプレーされていますね。
有水HC 国土開発では飯泉景弘(現ライナーズゼネラルマネージャー/GM)と出会って、一緒にプレーをしていました。その後廃部することになり、飯泉はライナーズに移籍。ぼくはサラリーマンとして国土開発に残ったんです。
ーライナーズへの伏線が張られていってますね(笑)。
有水HC (笑)。廃部した頃、ちょうど早稲田大学の同期やラグビー仲間を募って、クラブチームを作ろうという話があったんです。廃部した翌年、2000年に作ったのでよく覚えています。
ーもしかして、それがタマリバクラブ。
有水HC ご明答です。ぼくも立ち上げメンバーの一人でした。そこでしばらくプレーしていましたが、中竹が「早稲田の監督になるから手伝ってくれ」ということで、前田と一緒にコーチとして呼ばれました。
ー早稲田のFWコーチ(2006~2009年)、U20代表FWコーチ(2010~2011年)などコーチとしての人生を歩まれ始め、はじめてHCに就任されたのが女子日本代表(2014~2017)。そして、満を持してライナーズのHCになられました。
有水HC 話がきたのは今年の2月でした。飯泉GMからオファーがあって。
ーここで繋がるわけですね。日本人のプロHCとしては、ほぼライナーズ史上初です(※1)。プロHCがチームに来て、ファンからの期待も高いと思いますが。
(※1)厳密に言うと、日本人初のプロHCは浜村裕之さん(2006〜2008年)。当時はHCとは別に監督(中谷誠さん)がいたので、立ち位置は異なります。「チームを率いる」という意味では有水HCが初めての日本人プロHC。
有水HC 歴史のあるチームなので、そういった意味ではプレッシャーはあります。でも、調整は必要ですがやることが変わるわけではありません。
ーなるほど。ライナーズとのファーストインプレッションはどうでしたか?
有水HC 良く言えば素直、悪く言えば主体性がない。もっと意見をぶつけ合わないといけないと感じました。ただ、最初の段階で「向上心」はありました。なんでも吸収してやるんだという姿勢がありましたし、今もそうです。もっと貪欲になるべきではありますが。
ー夏合宿を終え、いよいよ開幕です。チームとしての仕上がりは?
有水HC これで完璧とはいきません。まだまだ足りない。でも、予定通りの成長はしています。
ーディフェンスは夏合宿でかなり磨かれたと思いますが。
有水HC そこは一定の成果が出たところですね。春が終わった時点から、少しディフェンスのベクトルを変えたんです。
ー前へ出て相手にプレッシャーをかけるようになりましたね。オープン戦ではラッシュディフェンスが多く見られました。
有水HC ただ、ディフェンシブなチームを作りたいわけじゃありません。目指しているのはアタッキング。受け身ではない、攻撃的なディフェンスとアタックです。
ー攻守を通じてアタッキングなプレーを。
有水HC アタックにおいてもまだまだ精度を上げていく必要があります。全員がプレーの質にこだわり、プレー責任を果たすこと。それが現状の課題というか、すべきことですね。
ーなるほど。選手についてもお聞きします。佐藤幹夫さんやタウファ統悦さんなど、中核をなす選手が引退・移籍されました。今シーズンは若手にとってもチャンスが多い年になるかと思いますが、今伸びている選手は誰でしょう?
有水HC 伸び率でいうと、石井は春夏通してかなり伸びましたね。
ーおお、新加入の石井選手!
有水HC 社員選手なので、春はずっと社内研修を受けていて練習時間が少なかったのですが、限られたなかでも成長しています。ひとつのプレーが伸びたというわけではなく、全体的に良くなってきています。
ー新人選手の成長はうれしいですね。昨年はストーバーク選手がシーズン中にかなり成長を見せていました。
有水HC 彼ももちろん良いのですが、アップダウンが激しい側面がありました。ここ一ヶ月はパフォーマンスが良くなかったことを自ら考え、そこに向き合ってくれています。
ー各選手、メンタル面での向上にも期待ができますね。
有水HC それに、今年は「自分のプレーに責任をもつ」ということに重きをおいています。それぞれが自分の役割をまっとうしなければいけません。
ー「役割」でいうと、FWリーダー・BKリーダーともに3名ずつ配置されました。彼らへの期待は?
有水HC 例えば野口は言葉を発する方で、田淵はどちらかというと寡黙。タイプの違う2人ですが、プレーで自分を出してほしいという思いは共通です。チームに良い影響を与えて、さらに上のレベルに引っ張っていってもらいたいという期待があります。
ープレーのなかで責任を果たし、影響力を出してほしいですね。今チームは開幕に向け最終調整といったところでしょうか。開幕戦、絶対勝ちたいですね!
有水HC 誤解を招く言い方かもしれませんが、開幕戦には特別こだわっていません。
ー「開幕戦は重要!勝って勢いつけていこう!」と、つい思っちゃいますが。
有水HC はい(笑)。開幕戦だから重要というわけではなく、今季のターゲットはトップリーグ復帰。12月23日の入れ替え戦で勝利することがひとまずのゴールです。
ーひとまずのゴール。
有水HC 今シーズン、選手にもスタッフにもずっと言い続けていることですが、トップリーグ復帰は「当たり前」。今季だけ目標を達成しても、次には繋がりません。復帰を目標にすると、また降格してしまいます。
ーた、確かに。
有水HC ライナーズには、中長期的な目標があります。トップリーグ優勝、日本一を目指せるように。そこに向けて今、全員同じ思いで取り組んでいます。そのための1歩を、1勝を、開幕戦で体現します。
ファーストミーティングで掲げられたスローガン「TRUST」。互いに信頼し、勝利を信じ、あとはひたすら前進するのみ!
私たちファンもチームを信じ、新生ライナーズをただひたすらに応援しましょう。
開幕戦は9月8日(土)14:00K.O.。三重・鈴鹿にて、マツダブルーマーズとの対戦です。GO!LINERS!
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