みなさんこんにちは!ホッケー梶間です。
普段ラグビーばかり取材している週刊ひがしおおさかですが、今日は少し違ったスポーツの記事を。
大阪にあるプロサッカーチームみなさんはいくつ知ってますか?(※1)
ガンバ大阪、セレッソ大阪…。実はもう1チームあるんです。FC大阪。
以前も取り上げたこのチーム。その後は会う人から「FC大阪ってなに?」、「どういうチーム?」など質問攻めにあいました。今回は「FC大阪」の全貌を明かしていきます。
日本フットボールリーグ(JFL)に所属しているFC大阪。Jリーグ参入を目指し、現在はその一歩手前のリーグで戦っています。
東大阪に本拠地を置くことを目指し、東大阪市民応援デーやサッカー教室など地域活動を行ってきました。
この活動が認められ、2018年11月27日東大阪市からホームタウンの認証を受けました。
これを受け、今後は東大阪を本拠地として活動できるようになります。
ということで、今回はFC大阪の取締役副社長で事業統括本部担当の近藤祐輔さんに「なぜ東大阪を本拠地としようと思ったのか」や「今後のビジョン」などなど気になることをインタビューしてきました。
ー近藤さん、今日はよろしくお願いします。
近藤 よろしくお願いします。
ー今はチームの取締役副社長ということですが、どういうことをされているんですか。
近藤 事業統括本部の担当として、地域のイベントやサッカーの普及活動をしています。
ーそれでこの前、東大阪市民応援デーを実施されていたんですね。
近藤 そうなんです。ほかにも、東大阪でサッカー教室をしました。
ー地域イベントもされているんですね。近藤さんは元々サッカー選手だったんですか。
近藤 はい。ザスパクサツ群馬でプレーしていました。
ーえっ、ザスパクサツってJリーグのチームですよね!すごい。
近藤 ありがとうございます。ポジションはどこだったと思いますか。
ーもしかして…キーパー?
近藤 正解です!身長が高いのでよく当てられます(笑)。
ーすぐにわかりました(笑)。どういう経緯でFC大阪に?
近藤 2006年のチーム強化の時に、セカンドキャリアの斡旋で元Jリーガーとして呼ばれました。
ーそうなんですか。その時はサッカー選手として?
近藤 はい、キーパーとして呼ばれました。
ー今は取締役副社長ということは、現役を引退しているんですか。
近藤 そうです。5年前に引退しました。
ーまだお若い(32歳)と思うのですが…何かあったんですか。
近藤 サッカーをしている時に、ふと思ったんです。サッカーをするより仕事をするほうが楽しいなって(笑)。
ー選手としてではなく、スタッフ側でチームを支えることを選んだんですね。
近藤 はい。
ーでも、仕事が楽しいと思えるのは大事なことです。今のFC大阪はJリーグにいるんですか。
近藤 いえ、今はJリーグの1つ下のリーグJFL(日本フットボールリーグ)で戦っています。
ーJFLは、どういうカテゴリでしょうか。
近藤 都道府県リーグ、地域リーグを勝ち上がって入れるのがJFLです。JFLで上位4チーム以内に入って条件を満たせばJリーグに参入できます。まずはJ3ですけどね。
ー厳しい道のりですね。いつからJFLに。
近藤 2015年からJFLに参入して、今年は2位でした。
ー2位!すごいですね。ということは、Jリーグ参入圏内ですね。
近藤 ただ、条件を満たしていないので参入できていません。Jリーグに参入するためには3つの条件があります。1つめはJリーグ百年構想クラブに認定されることです。この百年構想クラブっていうのは、将来その地域にサッカーが残るような活動をすることですね。例えば、以前行なった東大阪市民応援デーやサッカー教室などの地域活動がそうです。
ーなるほど、地域貢献が必要なんですね。どうすれば百年構想クラブに認められるんですか。
近藤 Jリーグ側が東大阪を訪れて、百年構想クラブに必要な要素が整っているか市役所と協議して決められます。
ー協議ですか。簡単にはJリーグに加入できないんですね。
近藤 2つめとして、この百年構想クラブに認められても、その年のリーグ戦で年間順位4位以内(4チームのうちJリーグに上がれるのは百年構想クラブを持っている上位2チーム)に入らないと上がれないんですよ。
ーやっぱりJリーグに入るのは壁が高い。今年上がったチームはあるんですか?
近藤 ヴァンラーレ八戸という青森のチームです。愛媛にあるFC今治も百年構想クラブを持っていたんですが、5位だったんですよ。
ーそういうこともあるんですね。では、3つめの条件はなんでしょう。
近藤 百年構想クラブに認められた後に、J3ライセンスの申請をします。この申請が通ればライセンスが交付され、年間順位が4位以内だと晴れてJ3です。
ー東大阪を本拠地にしようと思ったのはどうしてですか?
近藤 東大阪市がスポーツを通じて活気あるまちづくりを実現するために、昨年、スポーツのまちづくり戦略室を立ち上げられました。そこで、スポーツのまちとして積極的に取り組まれている東大阪市で、FC大阪もスポーツを通じた、健康・教育・まちづくりなど一翼を担えるという想いで本拠地にしようと思いました。
ーたしかに、東大阪市はスポーツができる環境が整っていますもんね。他にはありますか。
近藤 大阪府内で人口が3番目に多いので。
ーたしかに、ファンは多いほうがいいですもんね。
近藤 もちろんです。多くの人にチームのことを知ってもらいたいですし。
ーということは、東大阪がホームグラウンドになるんでしょうか?
近藤 現状は白紙です。今は今年度行われるラグビーワールドカップを成功させるために、東大阪を盛り上げていきたいと考えています。百年構想クラブには、「5000人以上入るスタジアムを持つこと」という条件があるので、2020年までにはホームグラウンドを持って、Jリーグに参入したいと思っています。
ーラグビーと共に東大阪を盛り上げてくれるんですね!
近藤 もちろんです。東大阪といえば「ラグビーのまち」ですから。ラグビーと一緒になってまちを盛り上げていきたいです。単なるサッカーチームとしてではなく、東大阪のスポーツを盛り上げる一役を担いたい。東大阪市もそのつもりで受け入れを認めてくれました。
ーそうだったんですね。我々もうれしいです。
近藤 これから、どんどん貢献していきたいと考えてます。
ー現在、在籍している選手は全員プロですか。
近藤 いえ、プロとアマチュアです。
ー2つの選択肢があるんですね。
近藤 もちろんJリーグに上がればチームに入るお金も変わってくるので、プロの割合も変わります。
ーなるほど。では最後に、今後の目標を教えてください。
近藤 今後は2020年にJ3リーグ参入を目指し、2025年にはJ1に昇格したいと考えています。
ー応援してます、頑張って下さい!ありがとうございました。
インタビュー後の2019年1月17日、東大阪市役所で「スポーツを通じたまちづくりに関する東大阪市とFC大阪との連携協定締結式」が行われました。
この協定が結ばれたことにより、FC大阪と東大阪市が一緒になってまちを盛り上げていくことが可能になります。
「ホームタウンに認められたことは大きな一歩。市民の方から愛されるクラブが競技力につながるので、まずは東大阪市民から愛されるクラブを目指して、J1優勝を見据えていきたい。この協定を結んだことで、東大阪市とさらに連携した取り組みを進めていきたい」とFC大阪の吉澤会長。
野田東大阪市長は「東大阪を拠点にするチームができることは、スポーツのまちとしての推進力になる。花園ラグビー場はメイングラウンドほかにもグラウンドがある。工夫して使っていきたい。第2、第3グラウンド(トライスタジアム)は可能だと思っているので具体的に詰めていきたい」とホームグラウンドについて前向きなコメントをしました。
2015年の「第95回天皇杯」1回戦では、あのセレッソ大阪を破った経験もあり、これからかなり期待が持てるチーム。近鉄ライナーズのほかにも東大阪を代表するチームが誕生すれば、東大阪のスポーツシーンはより一層盛り上がりそうです。週ひがもFC大阪の活躍を応援します!
※1 プロサッカーチームとアマチュアチームの違い・・・サッカーチーム経営を目的としている法人であればプロのチーム。サッカーで収入を得ている会社かどうか。そうでなければアマチュアのチーム。
関連記事
FC大阪ってサッカーチームが「東大阪市民応援デー」をやっていたのでちょっと行ってみた。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。