シーズンイン直前!2018年を振り返る ライナーズの課題と有水ヘッドコーチの想い 中編

   

3月になり、ポカポカ陽気にも慣れてきた初春。桜が咲いたらラグビーシーズンがまた始まる…
って、ちょっと待ってほしい。
2018年シーズンに、トップリーグへの復帰が叶わなかったライナーズ、このままでいいのか?総括は?ファンはまだ悲しみにくれているぞ!


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前回は選手個々の変化に着いてお話を伺いました。今回は具体的な試合での課題について。あのシーンを思い出しながらお読みください。

有水 1stミーティングの際にも感じましたが、ライナーズの選手たちはとても優秀です。そして素直でストイックです。

前田 そんな選手たちがいい方向に変わり、チームは確実に良くなっている。練習もレベルアップした。しかし12月23日に勝てなかった。

有水 問題は、自分たちが受け持つ役割の間に隔たりがあること。個々の選手の領域が交差する部分で、ケンカができていないんです。

ライナーズの課題を冷静に言葉にしていく有水HC。

前田 ライナーズの選手たちはとても仲がいいですよね。

有水 オフフィールドはそれでいいと思います。しかし、例えばディシプリンに欠けた発言が仲間から出たとき、ラグビーの議論になったとき。一方的なコミュニケーションになっていないか。コーチの言葉に従っているコミュニケーションなのではないか。

前田 それは…とても耳が痛い。週刊ひがしおおさかも、試合後のインタビューは聞きにくいことを聞けませんでした。

有水 日野戦で取られた、2本のトライがそれを象徴しています。

前田 前半、ラインアウトからサインプレーで立て続けに奪われた2トライですね。

有水 ライナーズもあのシチュエーションは分析して読んでいました。ただ、こう来たらこうしよう。だけでは、試合には勝てません。

前田 日野の村田毅キャプテンもセットプレーからのプレーは分析していたと、試合後話されていました。

有水 向こうは、準備して確認し、コミュニケーションをとってプレーを選択した。ライナーズはコミュニケーションは取っているけど甘かった。そこがラグビーの面白さでもあります。

勝てると思っていたライナーズファンをあざ笑うかのように、日野の戦術がハマる。

前田 それは、課題が大きいように感じます・・・。成長しているところを聞いてもいいでしょうか。

有水 課題を上げてはきましたが、大きく成長しているのも事実です。特にディフェンスは。

前田 ゴールラインを背にして粘れるようになっていますね。印象に残っているのは、1stステージ最後のNTTドコモ戦と、入替戦の日野戦。成長を感じました。

このディフェンスは、しびれた!ライナーズ成長の証。

有水 最後の日野戦も、取られた2本は重いのですが試合を通じてディフェンスは良かったと分析しています。

前田 たしかに。根負けしたり、崩されたりすることはなく、安心して見ていられました。何がそんなに変わったんでしょうか。

有水 戦術的に言うと、アップディフェンスに変えました。具体的に取り組んだのは6月からです。4、5月は細かな部分を言っていなかったので、選手たちは「ディフェンスのシステムが変わった」と感じたようですね。

前田 ディフェンスは良くなった。となると余計に課題を大きく感じるのがアタックです。1stステージはドコモ戦も含めていいアタックができていました。おかしくなったのは、駒澤での三菱重工相模原戦からでしょうか。

有水 一見、三重工菱戦がターニングポイントに見えますが、私は2ndステージのNTTドコモ戦がターニングポイントだと思っています。

前田 …すいません、駒澤での敗戦が衝撃的だったもので。

有水 もちろん三菱重工戦はバラバラでした。チャンスでもチームで攻めず、個人で行ってしまう。

前田 去年のライナーズを見ているようでした。

有水 変わりきれていない。ハーフタイムに修正をしたので後半の最初だけはマシにはなりました。しかしシーズンの中で、自分たちの未熟さから、思い通りにいかない試合もあります。もちろん、無くしていかなくてはならないのですが。

前田 三菱重工相模原には、1stステージで大勝しています。もう勝っちゃった気になっても、仕方ないと言えばそうなのかもです。

有水 それよりも、次のNTTドコモ戦。ゲーム全般を支配したけれど、後半最初にトライを取られて負けた。個人で攻めてしまった。ここがターニングポイントだと思っています。

試合を通して勝っていたのに、後半最初にミフィポセチにトライを奪われ…。

前田 思わぬ敗戦を経験した次の試合に、ゲームを思い通りに運びながら個々の判断の甘さで負けてしまった。と。

有水 あそこで勝っていれば、よしもう一度!となったかもしれない。

前田 なるほど、日野戦の前は精神的にも追い込まれていたのかもしれません。

有水 冒頭にお話した面談でも、日野戦に出たメンバーからは「焦り」や「気負い」などの言葉が聞かれました。

前田 シーズンを通して、全てうまく行くに越したことはない。そうなれば最高の結果を出せるだろう。でも、うまく行かなかったときにどう修正するのか。持ち直すのか。それがライナーズには足りていなかったということですね。

濃いラグビーの話が延々と続きましたが、次は未来に向けた話。ライナーズに必要なものと、個々の選手に期待することをお聞きします。

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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